「Ｒ-18」異世界で花の乙女になった少女 ～侯爵夫人への階段を昇る～

物語の始まり

神様に貰う名前、家族になる誓い1

　うっ…うっ…　何て恥ずかしのでしょう。只今、幼女のストッリップの最中です。

観客は、キャスル家の３兄弟です。

現在、私は、神殿が新たに用意してくれた客室で、命名の儀、約定の儀に望む為に着替えの最中です。

キャスル侯爵婦人が揃えてくれた幼児用のドレスは、とても一晩で用意した品には思えないドレスです。

この国の幼児用のドレスは、胸の下の切り替え、丈は踝までのようですが、こんなドレスは初めてでトキメイテしまうのです。

ドレスの本体は、上品な光沢を放っているシャンパンイエローです。

胸の切り替えに有るサテンの銀色のリボンは、私の髪に合わせてくれたのでしょうか？

ドレスには、シルバーの糸で、鹿や蝶、鳥などが愛らしく、上品に刺繍されているのです。

キャスル家のメイドさんにドレスを着せて貰い、クルクル回ってしまいましたが、アルフレッドに抱き締められて、終わりを迎えました。

キャスル家の4男、アルフレッドは、銀髪に、赤い瞳で少しヤンキャな雰囲気の10才の男の子です。
「お姫様、髪のセットがまだだよ」
アルフレッドが鏡の前の椅子までエスコートしてくれます。

鏡の前で、メイドさんが素敵な髪型にしてくれました。
両サイドの髪を使い、三つ編みのヘアーバンドが有るような髪型です。
後ろ髪は、キレイにブラッシングされ、サラサラとお尻の下迄有る髪は揺れています。
昨日、神殿の廊下で転がっていた私は、きっと、銀色のマリモに見えていたかも知れません。
最後の仕上げに、アイスブルーの蝶の髪飾りと、赤い花の髪飾りが、両サイドに飾られました。

『鏡の中には……』

鏡の中の自分が信じられない美しさでした！

そして、気付いたのです。

私は椅子から飛び降りて、三人の側によりました。

「この蝶は、クリフォード様？赤い花は、アルフレッド様？胸の切り替えの茶色のリボンはサイラス様かな？」

「お姫様、正解だよ」アルフレッドが抱き締めてくれます。
「有り難う。私の為に選んでもらったなんて初めて！」
３人の視線が、おかしい。私、ちゃんと、お礼言えたよね。


「儀式が始まると、終るまで食事が取れない。少し食べなさい」クリォードが唐突に話し始めると、メイドさんが人数分の軽食の準備をしてくれてる。

ピクニックに行くような藤の篭から出してくれてる。

「母からだ、神殿の食事は味気無いからな」
「手作り？」
「そうだが、どうかしたか？」
「凄い！もしかして、私の為も有る？」

「母上はね、深窓の貴族令嬢だったんだけど料理が好きなんだよ。愛する人達に食べて貰うと、心が暖かくなるって言ってた」
「愛する人達の中には、お姫様も入っているよ」
アルフレッドの語る言葉に心が暖かくなる。

「食べなさい」クリフォードが一口分にしてくれた、野菜を食べさせてくれると、涙が溢れてきた。
とても優しい味付けで、幼児の私を気遣いしてくれるのが解ったから。
「凄い、美味しい」泣くなんて、おかしい。
「こんなに、優しい食事何て始めてで……ごめんなさい。嬉しくて、嬉しいのに、何で涙が出るのかな」

クリォードは、涙を拭いてくれて、無言で食事を食べさせてくれる。
これが、この人の優しさ何だね。

『優しさに触れると、心は暖かくなるんだね』