「R-18」異世界で花の乙女になった少女 ~侯爵夫人への階段を昇る~

Mona

文字の大きさ
37 / 82
異世界での一歩

閑話 聖花の香りに狂う

しおりを挟む
 酒場で勢い良く酒を飲みながら今日の出来事を思い出す。

勢い良くグラスを空にすると「ねぇ、1人なの?」男娼が媚びた様子で隣の席に座り絡んでくる。

淡い金髪、黄緑色の瞳、白い肌、中々の美少年だ。

輝く銀髪、新緑の瞳、透ける柔肌、有名な侯爵家の花嫁の姿が甦る。

男は軽い目眩を覚える。

相手はどう見ても幼児だ。勿論、男にその様な趣味はない。

男は男娼の手を掴み2階の階段を上がり、貸部屋に男娼を押し込む。

「ねぇ、何焦っているの?」少年は、乱暴に扱われるのが慣れているのか焦らし、見せ付けるように衣服を脱ぐ。

男は少年をベッドで、羽交い締めにするとアナルにぺニスの挿入を繰り返した。

「あっあっ・・・・もっと・・・・」男娼が媚びた声で男を煽る。

男は面影を忘れる為に、行為に溺れる。

絡み付く気高く甘い香りを振り払う為に、男は少年を乱暴に扱う




 男が正気を取り戻し、組伏していた少年を視覚に入れる。

少年のアナルからは、男の情念のような白濁が溢れているが、外傷は無く気を失ってる事を確認して男は胸を撫で下ろした。

根本的に気の優しい男は、少年の身体を拭い相場より高い金子を渡す事にした。

小さな巾着を、少年の首に掛けて金子をいれる。
男は、散らばっている少年の衣服を几帳面に畳む。

男の気の良さが伺える一幕だ。



 男は身なりを整えると部屋を出て階下に進む。
すると、身なりの良い男性が手を振ってくるのだ。

仕方が無いとばかりに近づくと、男性のボディーガードと思われる男達が、男娼の少年が眠っている部屋に向かっていく。

「まあ、座りなさい」
ミゲルは、情事後の倦怠感を隠せない男に話しかける。
「花嫁様の残香にやられたね」
「残香?」

「キャスル侯爵家の花嫁様は、白百合の君なんだよ。聖なる母、純血、無垢、威厳。花嫁様の資質」
ミゲルは、男を見詰めて考える。
白百合は資質こそ高貴だが、その香りは他の花を圧倒し血気盛んな若者、特に戦いを生業にしてる者に対しては高圧的な作用をもたらす。


 ボディーガードの男が、戻って来て、ミゲルに報告をする。
「対象者に、外傷は無し。部屋も綺麗に整頓されてました」
「くっっ………」
ミゲルは男を見ながら笑ってしまう。
この男は、そんな男だと思い出しながら。
腕の良いA級の冒険者。今はケガのリハビリがてら、簡単な幼獣の生け捕りを任せている。

 急な侯爵家からの、外商の依頼を受けた時は正直、この男を連れて行くか迷った。
だが、この男に足りない物は貴族への対応だと解っていたから連れて行ったのだ。
ミゲルは大商人として、この男の戦闘力を買っている。
「ケント、今回の花嫁召喚の結果、一般の市民にも花嫁を娶るチャンスがある」
男の、ケントの顔が変わる。
「白百合の姫様は諦めろ。あの方はキャスル侯爵家の託宣の花嫁だ」
ミゲルは、ケントの性癖が心配になる。

「王家の双子の離宮で秋から一年間、適齢期の貴族の令嬢と、フリーの花の乙女を集め、学園を開くらしい。

令嬢、乙女達はそこで出逢いを求める。

女性を中心にし、一族に捕らわれ無いプライドを作る事も認めてられている。

勿論、一族で花嫁を狙う貴族家も参加する」

「参加する条件は?」

「国内の、有力な冒険者パーティ、《月の刃》なら問題ない」
ミゲルは、彼なりに《月の刃》に、思い入れが有る。
「そろそろ、結婚を考えろ。明日にも、メンバーで相談しろ。力になる」
ミゲルは、ボディーガード達を引き連れ、酒場を後にする。


酒場から出たミゲルは、ボディーガード達に命令をだす。
『ケントを密かに見張れ』
数人の男達が、暗闇に消える。

商人のミゲルは、ため息を吐く。

ケントが、侯爵家の花嫁に魔梟を渡そうとした時、刹那を感じた。

感じたのは、自分だけでは無い。

侯爵家の若君達も、感じていた。

『ミゲルよ今回は許す。この後の対応間違えぬように』

花嫁の退室を止めたのは、確かにマナー違反だ。
しかし、彼らが怒りを顕にしたのは、花嫁の資質に飲まれてしまう者を、連れて来た自分への怒り。

ケントが、可笑しな事をするなら……… 。

ミゲルは、家路に向かう。

何も、起こる事が無いように祈りながら。





しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...