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アリス IN 異世界地球
裁かれる愚者と集いし猛者
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【クラウン城 謁見の間】
突如現れた【消去の魔女】徳川有栖が魔法によって映し出した、神官長からの魔族へのロード王暗殺依頼の現場
決定的な証拠を提出され彼らの企みは露呈し、ロード王本人に問い詰められて、真っ青になる前王に仕えた神官達
「こ、この女は召喚した我らを裏切り…ま、魔族へ寝返って魔女になった女…そんな者の言う事に信用など…そう!今の映像も何かの罠に違いありませ…」
「久しいのう…徳川有栖よ…」
それでもまだ、神官達が見苦しい言い訳を続けようとした時、背後から初老の女性が声を掛けた
その声は【商業都市ヘルメス】で名を馳せている鍛冶師ヘパイトスの奥さん【舞闘美神】の二つ名を与えられているアテナだった
「お久しぶりです。アテナ様」
徳川有栖は騎士の様に片膝を付き、右手を抱え深々と頭を下げた(この城に仕える者が目上の者に対して行う最敬礼である)
「まだワシに礼を払ってくれるのか…嬉しいのぉ♪ところで、ソコに居る神官達がロード王の暗殺を、ソナタたち魔族に依頼したという話に間違いはないのかえ?」
「惑星神エリスア様に誓って…嘘偽りはありません!ベイはともかくアレクスは無用な争いを好んでいないので、この報告で災いの種が減らせるのであれば!と参上したのですよ」
普段はとぼけた態度をよく取る徳川有栖だが、人間側に属していた時の直属の上司であるアテナに対して、毅然とした態度で受け答えをした
「ロード王よ、有栖はエリスア様に誓う!と言った時に嘘をつく事は絶対に有り得ませんぞ!それは、かつての上司であった私が保証します」
王都にこの人有りと謳われた【舞闘美神アテナ】が徳川有栖の証言を保証した。もはや神官達に言い逃れの道は無い
「衛兵達よ!…この神官達は、民を幸せに導く為に政策に就く立場でありながら、己の保身と欲の為に反逆を企てた犯罪者だ!隔離塔へ連れて行け!
終身隔離を言い渡す。衛兵達よ、この者達が脱走や反逆を企てたら即座に処分せよ。反省の意思あるならば、生命尽きるその日まで悔い改めよ!」
優しい王として有名なロード王だったが…流石に自分を暗殺しての反逆計画を見逃せば国民への示しもつかない。心を鬼にして厳しい処分を言い渡した
反逆を企てた神官達は、隔離塔に終身刑となった。彼らへの処分が済んだ後、ロード王は魔族側に属する有栖に質問する
「王として聞いておかねばならん。有栖よ、ソナタは俺を殺しに参上したのか?」
「お戯れを…今回私が来訪した目的は3つです」
「ほっほっほ…ものぐさ者の有栖が3つも目的を?それはご苦労様じゃな(笑)」
有栖をよく知っている感じのアテナが、彼女を冷やかす様に笑った
「ひとつは…反逆を阻止する為に御座います。
ふたつは…今回の大会に協力したく、会場の結界師を果たしに参りました」
ひとつめは既に果たし、2つ目は武闘会場と観客席の間に張る結界を貼りに来たと言う。その時、通路の奥から遠くまで通るチカラ強い声が被せられた
「対マルバァス戦で、実質ひとりで討伐した【消去の魔女】が結界を張ってくれるのか!なら!俺様も手加減なく戦えるな!」
「ドレイクは手加減なく戦ってこそカッコ良い!」
「嘘!?臥龍族のふたりじゃないか!」
「よぉ!久しぶりだなっ!ハイエルフのカルーア嬢」
「私の呼び掛けに応じて、良くぞ参られた臥龍の者よ」
どうやらロード王が大会参加の為に呼び掛けた者とは、臥龍族のふたりのようだ
「盛り上がってるところ悪いんだけど…続けても良いかな?」
「話の腰を折って悪い事をした。もうひとつの目的も気になる。隠さずに申して欲しい」
「んっ、ん。最後の目的は…昔の私の教え子が大会に参加すると聞いたからね。応援に来たのよ(笑)」
「何ぃ!?」
「消去の魔女の教え子だと?」
「有栖の弟子が?」
世界最強の比喩として名の挙がる【消去の魔女】の教え子が今大会に参加するという話を聞かされ、その場に居る全員が騒然とした
「ほっほっほ!久しぶりに肩慣らし程度で暴れてやろうか!と、やって来てみれば…臥龍族の最強兄妹に、消去の魔女の教え子とはな!こりゃぁ…飛んでもない大会になりそうじゃのう!流石に、このババアの血もたぎるわい!」
ここまでただ1人穏やかな表情を浮かべていたアテナだったが、【消去の魔女】の教え子が参加すると聞き、流石の彼女も楽しみで頬が緩んでいた
「ガーハッハッハッ!良いねぇ、良いねぇ!わざわざドルイドから足を伸ばして来た甲斐が有る!ってもんだぜ!」
「ミントス…俺たち場違いなんじゃないか…(汗)」
マルバァス戦の英雄カルーアに、舞闘美神アテナ、更には臥龍族まで参加する大会に加えて、あの消去の魔女の教え子まで出る。という話にビビる優輝やヒイロ。それに反して喜んでいるドレイクやアテナ
国家の害虫を処理した直後、場内は近年類を見ない武闘会の参加者の層の厚さに湧き上がっていた。その英雄的強者(ツワモノ)達が、明後日この国を大いに湧かせる事だろう
激動のクラウン城とは反対に…平穏な日々を過ごしている地球のアリス。彼女の心は地球での日々に、どんな答えを出すのか?
続く
突如現れた【消去の魔女】徳川有栖が魔法によって映し出した、神官長からの魔族へのロード王暗殺依頼の現場
決定的な証拠を提出され彼らの企みは露呈し、ロード王本人に問い詰められて、真っ青になる前王に仕えた神官達
「こ、この女は召喚した我らを裏切り…ま、魔族へ寝返って魔女になった女…そんな者の言う事に信用など…そう!今の映像も何かの罠に違いありませ…」
「久しいのう…徳川有栖よ…」
それでもまだ、神官達が見苦しい言い訳を続けようとした時、背後から初老の女性が声を掛けた
その声は【商業都市ヘルメス】で名を馳せている鍛冶師ヘパイトスの奥さん【舞闘美神】の二つ名を与えられているアテナだった
「お久しぶりです。アテナ様」
徳川有栖は騎士の様に片膝を付き、右手を抱え深々と頭を下げた(この城に仕える者が目上の者に対して行う最敬礼である)
「まだワシに礼を払ってくれるのか…嬉しいのぉ♪ところで、ソコに居る神官達がロード王の暗殺を、ソナタたち魔族に依頼したという話に間違いはないのかえ?」
「惑星神エリスア様に誓って…嘘偽りはありません!ベイはともかくアレクスは無用な争いを好んでいないので、この報告で災いの種が減らせるのであれば!と参上したのですよ」
普段はとぼけた態度をよく取る徳川有栖だが、人間側に属していた時の直属の上司であるアテナに対して、毅然とした態度で受け答えをした
「ロード王よ、有栖はエリスア様に誓う!と言った時に嘘をつく事は絶対に有り得ませんぞ!それは、かつての上司であった私が保証します」
王都にこの人有りと謳われた【舞闘美神アテナ】が徳川有栖の証言を保証した。もはや神官達に言い逃れの道は無い
「衛兵達よ!…この神官達は、民を幸せに導く為に政策に就く立場でありながら、己の保身と欲の為に反逆を企てた犯罪者だ!隔離塔へ連れて行け!
終身隔離を言い渡す。衛兵達よ、この者達が脱走や反逆を企てたら即座に処分せよ。反省の意思あるならば、生命尽きるその日まで悔い改めよ!」
優しい王として有名なロード王だったが…流石に自分を暗殺しての反逆計画を見逃せば国民への示しもつかない。心を鬼にして厳しい処分を言い渡した
反逆を企てた神官達は、隔離塔に終身刑となった。彼らへの処分が済んだ後、ロード王は魔族側に属する有栖に質問する
「王として聞いておかねばならん。有栖よ、ソナタは俺を殺しに参上したのか?」
「お戯れを…今回私が来訪した目的は3つです」
「ほっほっほ…ものぐさ者の有栖が3つも目的を?それはご苦労様じゃな(笑)」
有栖をよく知っている感じのアテナが、彼女を冷やかす様に笑った
「ひとつは…反逆を阻止する為に御座います。
ふたつは…今回の大会に協力したく、会場の結界師を果たしに参りました」
ひとつめは既に果たし、2つ目は武闘会場と観客席の間に張る結界を貼りに来たと言う。その時、通路の奥から遠くまで通るチカラ強い声が被せられた
「対マルバァス戦で、実質ひとりで討伐した【消去の魔女】が結界を張ってくれるのか!なら!俺様も手加減なく戦えるな!」
「ドレイクは手加減なく戦ってこそカッコ良い!」
「嘘!?臥龍族のふたりじゃないか!」
「よぉ!久しぶりだなっ!ハイエルフのカルーア嬢」
「私の呼び掛けに応じて、良くぞ参られた臥龍の者よ」
どうやらロード王が大会参加の為に呼び掛けた者とは、臥龍族のふたりのようだ
「盛り上がってるところ悪いんだけど…続けても良いかな?」
「話の腰を折って悪い事をした。もうひとつの目的も気になる。隠さずに申して欲しい」
「んっ、ん。最後の目的は…昔の私の教え子が大会に参加すると聞いたからね。応援に来たのよ(笑)」
「何ぃ!?」
「消去の魔女の教え子だと?」
「有栖の弟子が?」
世界最強の比喩として名の挙がる【消去の魔女】の教え子が今大会に参加するという話を聞かされ、その場に居る全員が騒然とした
「ほっほっほ!久しぶりに肩慣らし程度で暴れてやろうか!と、やって来てみれば…臥龍族の最強兄妹に、消去の魔女の教え子とはな!こりゃぁ…飛んでもない大会になりそうじゃのう!流石に、このババアの血もたぎるわい!」
ここまでただ1人穏やかな表情を浮かべていたアテナだったが、【消去の魔女】の教え子が参加すると聞き、流石の彼女も楽しみで頬が緩んでいた
「ガーハッハッハッ!良いねぇ、良いねぇ!わざわざドルイドから足を伸ばして来た甲斐が有る!ってもんだぜ!」
「ミントス…俺たち場違いなんじゃないか…(汗)」
マルバァス戦の英雄カルーアに、舞闘美神アテナ、更には臥龍族まで参加する大会に加えて、あの消去の魔女の教え子まで出る。という話にビビる優輝やヒイロ。それに反して喜んでいるドレイクやアテナ
国家の害虫を処理した直後、場内は近年類を見ない武闘会の参加者の層の厚さに湧き上がっていた。その英雄的強者(ツワモノ)達が、明後日この国を大いに湧かせる事だろう
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