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アリス IN 異世界地球
ヒイロの見せ場
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【準決勝第1試合】
世界最強の格闘家と言われるアテナが若返った姿でありながら、予想外の大ピンチに立たされていた
「【七精守護霊(ハーロウィーン)】!」
(くっ!流石、現役の鍛冶師。何というチカラじゃ、外せん!喰らってしまう!?)
「ガオンッ!」ヒイロがアテナを羽交い締めしていた場所に大きな土煙が舞った!
「お祖母様っ!!」
魔法のロープで鎧ごと足首を絡め取られて逆さ吊りにされ、パンツが見えない様に必死にスカートを押さえているエリエスも、祖母の安否が気になり動揺する
「ウソ!?手応えが無いっ!」
確実に当たる!と思ったカルーアだが、超極大魔法が何かに当たった感触を得られなかった。【七精守護霊(ハーロウィーン)】は素通りして有栖の張っている結界にぶち当たった
「んっ!?上かっ!」
カルーアが周囲に目線を配ったのにヒイロもアテナも見あたらなかったのだが、彼女の魔法探知が上空に2人を見付けた
「何て婆さんだ!振り解けないと判断して俺ごと、上空にジャンプするなんて!」
チカラを込めて振りほどこうとしたが、現役鍛冶師のヒイロの渾身の羽交い締めの力は強過ぎたので、格闘家のアテナでも外せなかった
外せないと判断するや地面を蹴り砕く勢いで踏み付け、一瞬で上空約10メートル弱まで飛び上がっていた
「ふぃー、今のはマジでやばかったわい(汗)」
魔法の使えない2人は自由落下で落ちてきていた。ヒイロはまだアテナを羽交い締めしたままだ
「着地した瞬間を狙う!もう1度撃って決めるよ。世界を彩る七精霊よ…」
再びカルーアは超極大呪文の詠唱を始めた。コレは潰さねばならないと判断したエリエス
「ロマーニャ、お願い!」
エリエスは精霊剣に宿るロマーニャが魔法力(チカラ)を解放し、エリエスの鎧と足首に絡んでいる魔法のロープを断ち切った!
「っと!」
空中で解放されたエリエスはクルリと身体を捻り、無事に着地を決めた。鎧ごと魔法のロープを吹き飛ばしたので、薄着になってしまったエリエスだが…
「今度は全力でカルーアを狩ります!」
露出の高いインナー姿になってしまったが…今度は恥ずかしさを気にせずにエクスカリバーを握り地面を蹴り、一気にカルーアへと詰め寄る
「くっ!?…雷よ!わたしに従え!」
(雷系の攻撃が来る!?)
突進に対して雷撃系で反撃される!と察知したエリエスは、エクスカリバーに精霊力を纏わせ迎撃の構えを取った
「眩しく輝いてっ!」
「えっ!?…うぁ!目がっ!」
下手な魔法攻撃をしても精霊剣ロマーニャに切り裂かれる。と読んだカルーアは、雷の強い光でエリエスとロマーニャの視力を一時的に奪った
「【暴風豪覇(シェードフェィザー)】!!!」
カルーアは目眩しを喰らって動きを止めたエリエスに、風の上級呪文をぶち当てた
「きゃあああっ!」
まるで小型の台風に飲まれた様に風の魔法に飲み込まれ、そのまま結界に叩き付けられ場外に落とされたエリエス
「え、エリエス選手 場外負けです!」
「オオォォォォオオオォォォォオオオ!!!!」
「エリエスちゃんが!?」
どよめく武闘会場。これで2対1になったのだが…
「はぁはぁ…あ、後はアテナさんだけ…どこ!?」
急接近して来るエリエスを迎撃する為、アテナから視線を外したカルーアは彼女を見失った
「痛えっ!」
ヒイロだけが落ちて床に打ち付けられた。しかし、アテナが見付からない
「捜し物かね?」
「グフォッ!?」
突如カルーアの目の前に現れたアテナが、カルーアのみぞおちに両手で掌底を放ち吹き飛ばした
「きゃんっ!」
カルーアもまた、抗い様のない勢いで結界にぶち当てられ場外に落ちた
「エリエス選手に続きカルーア選手も場外負けです!」
司会者が2人の場外負けを宣言した。舞台上に残ったのは【武闘女神】アテナと【鍛冶師】のヒイロだった
「さて…後は坊やだけだねぇ(笑)」
勝利を確信したアテナはニヤリと笑った。いくら緋の眼族の生き残りとは言え【舞闘女神】のアテナが鍛冶屋の男に、1対1で負ける訳が無いのは誰の目にも明らかだった
観客席で応援していたサーシャが舞台袖まで来て、先程エリエスに弾かれた剣を拾い、まだ戦おうとしているヒイロに声を掛ける
「お兄様!流石にもう勝ち目は無いですの!負けを認めて欲しいですの!」
「そうじゃぞ坊や、鍛冶屋は怪我をするものでは無いぞ。ここらが潮時じゃろうて…」
「うぐ…ヒイロ…もう良いよ。わたし達は健闘したよ。勝ち目なんか無いんだから…舞台を降りてよ」
ハイエルフのカルーアの絶大な魔力無しで、鍛冶屋のヒイロが勝てる相手では無いのは本人も分かっていたが…
「ふぅ……7つも年下の大好きな女が、あそこまで必死に頑張ってくれたんだ…いくら相手が伝説の格闘家と言ってもだ…足掻きもせずに見せ場も無しに、引く訳にはいかねぇよなぁ!」
ヒイロは【舞闘女神】と向かい合いソードを構えた
「ちょっとー、さっき控え室ではアテナさんと1VS1になったら即降参する!とか言っておいてさ…そんなカッコ良い事を言うのはズルいじゃないか…」
「惚れ直したのか?(笑)」
「バカっ…」
2人のやり取りを見守っていたアテナはニヤニヤと笑っていた
「良いのぅ、良いのぅ、青春じゃのう!ババアもあの人との若かりし頃を思い出しちまったわい(笑)
………じゃがのぅ…気合いだけでは、どうにもならん事は世の中には沢山あるもんじゃて…」
「それでもだぁっ!」
ヒイロは一気に間合いを詰め、ソードをアテナ目掛けて振り下ろした
「バキィン!」アテナに軽く避けられ、地面に叩き付けたソードが土煙を生んだ
「こっちかぁ!?」
ヒイロは勘で右側に薙ぎ払いをした
「残念じゃのぅ…反対じゃ!」
「ゲハッ!?」
ヒイロは背後から首筋に凄まじい速度の手刀を入れられた!その一撃でヒイロの動きは止まり、静かにその場に倒れ落ちた!
「勝者【舞闘女神】アテナ様っ!」
「うおおおおぉ!」
「アテナ様、凄いっす!」
「美しいですアテナ様ぁ!」
順当通りとは言え、アテナの勝利にコロシアムは大歓喜の声に飲まれ震えていた
次は、いよいよ【消去の魔女】の教え子 VS 【最悪の魔女】の戦いが始まる。アンナローザの暴挙に、怒りに震えたミアナの実力が発揮される
続く
世界最強の格闘家と言われるアテナが若返った姿でありながら、予想外の大ピンチに立たされていた
「【七精守護霊(ハーロウィーン)】!」
(くっ!流石、現役の鍛冶師。何というチカラじゃ、外せん!喰らってしまう!?)
「ガオンッ!」ヒイロがアテナを羽交い締めしていた場所に大きな土煙が舞った!
「お祖母様っ!!」
魔法のロープで鎧ごと足首を絡め取られて逆さ吊りにされ、パンツが見えない様に必死にスカートを押さえているエリエスも、祖母の安否が気になり動揺する
「ウソ!?手応えが無いっ!」
確実に当たる!と思ったカルーアだが、超極大魔法が何かに当たった感触を得られなかった。【七精守護霊(ハーロウィーン)】は素通りして有栖の張っている結界にぶち当たった
「んっ!?上かっ!」
カルーアが周囲に目線を配ったのにヒイロもアテナも見あたらなかったのだが、彼女の魔法探知が上空に2人を見付けた
「何て婆さんだ!振り解けないと判断して俺ごと、上空にジャンプするなんて!」
チカラを込めて振りほどこうとしたが、現役鍛冶師のヒイロの渾身の羽交い締めの力は強過ぎたので、格闘家のアテナでも外せなかった
外せないと判断するや地面を蹴り砕く勢いで踏み付け、一瞬で上空約10メートル弱まで飛び上がっていた
「ふぃー、今のはマジでやばかったわい(汗)」
魔法の使えない2人は自由落下で落ちてきていた。ヒイロはまだアテナを羽交い締めしたままだ
「着地した瞬間を狙う!もう1度撃って決めるよ。世界を彩る七精霊よ…」
再びカルーアは超極大呪文の詠唱を始めた。コレは潰さねばならないと判断したエリエス
「ロマーニャ、お願い!」
エリエスは精霊剣に宿るロマーニャが魔法力(チカラ)を解放し、エリエスの鎧と足首に絡んでいる魔法のロープを断ち切った!
「っと!」
空中で解放されたエリエスはクルリと身体を捻り、無事に着地を決めた。鎧ごと魔法のロープを吹き飛ばしたので、薄着になってしまったエリエスだが…
「今度は全力でカルーアを狩ります!」
露出の高いインナー姿になってしまったが…今度は恥ずかしさを気にせずにエクスカリバーを握り地面を蹴り、一気にカルーアへと詰め寄る
「くっ!?…雷よ!わたしに従え!」
(雷系の攻撃が来る!?)
突進に対して雷撃系で反撃される!と察知したエリエスは、エクスカリバーに精霊力を纏わせ迎撃の構えを取った
「眩しく輝いてっ!」
「えっ!?…うぁ!目がっ!」
下手な魔法攻撃をしても精霊剣ロマーニャに切り裂かれる。と読んだカルーアは、雷の強い光でエリエスとロマーニャの視力を一時的に奪った
「【暴風豪覇(シェードフェィザー)】!!!」
カルーアは目眩しを喰らって動きを止めたエリエスに、風の上級呪文をぶち当てた
「きゃあああっ!」
まるで小型の台風に飲まれた様に風の魔法に飲み込まれ、そのまま結界に叩き付けられ場外に落とされたエリエス
「え、エリエス選手 場外負けです!」
「オオォォォォオオオォォォォオオオ!!!!」
「エリエスちゃんが!?」
どよめく武闘会場。これで2対1になったのだが…
「はぁはぁ…あ、後はアテナさんだけ…どこ!?」
急接近して来るエリエスを迎撃する為、アテナから視線を外したカルーアは彼女を見失った
「痛えっ!」
ヒイロだけが落ちて床に打ち付けられた。しかし、アテナが見付からない
「捜し物かね?」
「グフォッ!?」
突如カルーアの目の前に現れたアテナが、カルーアのみぞおちに両手で掌底を放ち吹き飛ばした
「きゃんっ!」
カルーアもまた、抗い様のない勢いで結界にぶち当てられ場外に落ちた
「エリエス選手に続きカルーア選手も場外負けです!」
司会者が2人の場外負けを宣言した。舞台上に残ったのは【武闘女神】アテナと【鍛冶師】のヒイロだった
「さて…後は坊やだけだねぇ(笑)」
勝利を確信したアテナはニヤリと笑った。いくら緋の眼族の生き残りとは言え【舞闘女神】のアテナが鍛冶屋の男に、1対1で負ける訳が無いのは誰の目にも明らかだった
観客席で応援していたサーシャが舞台袖まで来て、先程エリエスに弾かれた剣を拾い、まだ戦おうとしているヒイロに声を掛ける
「お兄様!流石にもう勝ち目は無いですの!負けを認めて欲しいですの!」
「そうじゃぞ坊や、鍛冶屋は怪我をするものでは無いぞ。ここらが潮時じゃろうて…」
「うぐ…ヒイロ…もう良いよ。わたし達は健闘したよ。勝ち目なんか無いんだから…舞台を降りてよ」
ハイエルフのカルーアの絶大な魔力無しで、鍛冶屋のヒイロが勝てる相手では無いのは本人も分かっていたが…
「ふぅ……7つも年下の大好きな女が、あそこまで必死に頑張ってくれたんだ…いくら相手が伝説の格闘家と言ってもだ…足掻きもせずに見せ場も無しに、引く訳にはいかねぇよなぁ!」
ヒイロは【舞闘女神】と向かい合いソードを構えた
「ちょっとー、さっき控え室ではアテナさんと1VS1になったら即降参する!とか言っておいてさ…そんなカッコ良い事を言うのはズルいじゃないか…」
「惚れ直したのか?(笑)」
「バカっ…」
2人のやり取りを見守っていたアテナはニヤニヤと笑っていた
「良いのぅ、良いのぅ、青春じゃのう!ババアもあの人との若かりし頃を思い出しちまったわい(笑)
………じゃがのぅ…気合いだけでは、どうにもならん事は世の中には沢山あるもんじゃて…」
「それでもだぁっ!」
ヒイロは一気に間合いを詰め、ソードをアテナ目掛けて振り下ろした
「バキィン!」アテナに軽く避けられ、地面に叩き付けたソードが土煙を生んだ
「こっちかぁ!?」
ヒイロは勘で右側に薙ぎ払いをした
「残念じゃのぅ…反対じゃ!」
「ゲハッ!?」
ヒイロは背後から首筋に凄まじい速度の手刀を入れられた!その一撃でヒイロの動きは止まり、静かにその場に倒れ落ちた!
「勝者【舞闘女神】アテナ様っ!」
「うおおおおぉ!」
「アテナ様、凄いっす!」
「美しいですアテナ様ぁ!」
順当通りとは言え、アテナの勝利にコロシアムは大歓喜の声に飲まれ震えていた
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