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アリス IN 異世界地球
東京上空
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【陸軍ヘリポート】
「さぁ!早く乗って!」
何とか岸田を束縛する事に成功はしたが、ヴォィド化したという事は…体内に卵を植え付けられているという事だ。彼女の身体は刻一刻と蝕まれていっていた
「離陸します!」
岸田と佐々木、徳川の叔父さんを乗せたヘリコプターは飛び立った。夕方前であり、じきに陽が沈む時間から岸田の体内からヴォィド虫の卵を摘出する手術を行う為、師範代は知り合いから自衛隊のヘリコプターを内密に手配してもらった
「何処へ向かうんですか!?」
「東京だよ。私の友人が千代田区で外科医をしていてね。聞こえてくる話では、かなり腕は優秀らしい」
「その為にワザワザ東京へ?」
「摘出するのはヴォィド虫の卵だ。アレは国家滅亡レベルの生物兵器に成りえるからね…絶対に信用出来る所でしかやれない。それに真田君は昔から口の固い女性だから、信用出来る筈だ
それに、娘の有栖が残してくれた発明品には医療向けの物もあってね、完成した世には出回らない高性能器具を彼女の所へ回した事もあるからね」
どうやら真田という医者は、徳川の叔父さんと深い仲の名医のようだ。身体を拘束されながらも激痛に襲われ、全身を揺さぶり苦しがる岸田。ヘリは最速で東京都千代田区を目指す
【惑星エリスア】
「サーシャ大丈夫か?無理していないか?」
「お兄様?コチラに来て宜しいんですの?」
サーシャが居る救護エリアにヒイロと有栖、優輝がやって来た
「地上に落ちてくれたとは言え、獣神には魔法は効かないから……優輝のポンコツ剣技も同じくね(笑)」
「有栖まで…ポンコツって言わないでくれよw」
結局、優輝はミクイだけでなく有栖にも、からかわれていた…鍛冶師のヒイロと見習いの優輝の打撃では獣神にダメージは与えにくい。【消去の魔女】とはいえ相変わらず魔法は効かないので、獣神への攻撃は別の者に任せて治療活動の様子を見に来たようだ
「そうだ!アリスお姉様が帰還されたんですの?獣神を落としたあの光は、いつか見た転移門の光に見えましたの!」
「有栖」の名前で姉の「アリス」が戻っているのでは?という事を思い出したサーシャ
「カルーアちゃんがミアナと組んで氷の柱を獣神に投てきしてて、アリスちゃんはその2人の護衛をしてくれているわ」
「ホッ!…そうなんですのね!でしたら、あの獣神を倒したら家族の営みが戻るのですのね?…嬉しいですの……」
アリスの帰還の確認が取れた事でサーシャは気が緩んだのか?その場に座り込んだかと思ったら、そのまま倒れそうになった
「大丈夫か?」
「ガシッ」ヒイロは素早くサーシャを支えた
「ふいぃ…気が緩んだら、疲れが出ちゃったみたい…ですの。えへへ…」
「少し休め。獣神が地上に落ちてからはコチラ側が凄く優勢だ。たぶん、俺達の勝利で終わるだろうさ!」
ヒイロは頑張ってくれているサーシャを安心させようと、間もなく勝利するだろう!と告げたのだが…
「だと、良いんだけど…」
ファルバァスを見詰める有栖は、何か気になって仕方ない感じだ
「あそこまで追い込んだら、流石に起死回生は無いだろう?俺の勘がそう告げてるぜ!」
優輝もサーシャを安心させようと勢いで言ったのだが…
「何いってるのよ!今日だけで優輝の勘がどんだけ外れたのよ?分かってる!?」
「いや、それは…(汗)」
優輝の勘がまるでアテにならない事を身をもって知らされたミクイに、激しく突っ込まれている優輝
…………………………………………………………
それから1時間程が経過した
「しかし、ファルバァスって獣神も粘るよなぁ…」
ヒイロは獣神が諦めずに必死に触手を動かして、足掻いているのが少し気になった
「でも…いくら数が多くても【舞闘女神】アテナさんや【臥龍族】のドレイク【村長】だけど超強いキウ様が居るから…あんな攻撃では起死回生にはならないハズなのに…」
有栖からしてみれば触手で抵抗している獣神がやっている事は、無駄な足掻きにしか見えないようだ
「うーん…もしかしたら…何か探しているのかも知れませんの?」
「何か?…探している?」
「この状況をひっくり返せれる様な物が?」
サーシャの意見に首を傾げる優輝とヒイロ。だが!有栖が何かに気付く
「まさか!?ファルバァスの奴…【賢者の石】を探している!?」
地下牢でのアンナローザとの対決で疲労困憊の有栖だが、ここでキッチリ勝利しなければ危険だと感じていたので、ファルバァスとの戦いをしっかりと見守って考えていた
「ギッ!?……ギシェェェ!!」
必死に触手を動かしていたファルバァスが、突然雄叫びの様な奇声をあげた
【カルーア達】
「何だい!?」
ミアナが精製した氷の柱を、カルーアが【七精守護霊(ハーロウィーン)】で撃ち出そうとしていたが…突然ファルバァスが膨大な魔力を放出し始めた事に気が付いたカルーア
「今更、何をする気なのでしょうか?」
ミアナも獣神の行動が読めなかった
【有栖達】
「とんでもない魔力を放出してますの!何か凄いことをする気ですの!」
天使族となったサーシャも、魔法に関してかなり敏感だ。超大規模な魔法的な何かを、ファルバァスがしようとしているのを察知していた
「ブワアァァッ!!」【賢者の石】を触手で掴む獣神は、超魔力を石に流し込んだ!とんでもなく太い光の柱がファルバァスを包んだ
「何だぁ!?あの凄い光の柱は?」
「転移門ですって!?…まさか!ファルバァスは異世界に逃げるつもりなの!?」
自分(ありす)が惑星エリスアに強制転移させられた時に見た転移門を25年振りに目撃する徳川有栖
【東京都千代田区上空】
「間もなく目的地の【東京外科病院】の上空にさしかかりますので着陸体勢に……ん?コレは何だ?」
「どうかしたのかね?」
目的地の近くまで来て急にパイロットが動揺する
「計器の故障か?…すみません。1キロ程前方に何か巨大な物体が有ると計器が…」
「前方に巨大な物体?何も見えないが……ん?うおっ!?」
次の瞬間…パイロットが指差す方向に、巨大な光のかたまりが現れた
「なっ!何なんだよ!?」
突如、目の前の上空に現れた巨大な光に未確認飛行物体でも見たかの様に慌てる3人。しかし、未確認飛行物体ならまだ良かったかも知れない
「ギシェェェッ!!」
陽が沈もうとしている東京都千代田区の上空に、突如獣神ファルバァスの巨体が現れた!!
ファルバァスは【賢者の石】を使い、沢山の人を捕食して得た超巨大な魔力を使って地球へと転移したのだ!
続く
「さぁ!早く乗って!」
何とか岸田を束縛する事に成功はしたが、ヴォィド化したという事は…体内に卵を植え付けられているという事だ。彼女の身体は刻一刻と蝕まれていっていた
「離陸します!」
岸田と佐々木、徳川の叔父さんを乗せたヘリコプターは飛び立った。夕方前であり、じきに陽が沈む時間から岸田の体内からヴォィド虫の卵を摘出する手術を行う為、師範代は知り合いから自衛隊のヘリコプターを内密に手配してもらった
「何処へ向かうんですか!?」
「東京だよ。私の友人が千代田区で外科医をしていてね。聞こえてくる話では、かなり腕は優秀らしい」
「その為にワザワザ東京へ?」
「摘出するのはヴォィド虫の卵だ。アレは国家滅亡レベルの生物兵器に成りえるからね…絶対に信用出来る所でしかやれない。それに真田君は昔から口の固い女性だから、信用出来る筈だ
それに、娘の有栖が残してくれた発明品には医療向けの物もあってね、完成した世には出回らない高性能器具を彼女の所へ回した事もあるからね」
どうやら真田という医者は、徳川の叔父さんと深い仲の名医のようだ。身体を拘束されながらも激痛に襲われ、全身を揺さぶり苦しがる岸田。ヘリは最速で東京都千代田区を目指す
【惑星エリスア】
「サーシャ大丈夫か?無理していないか?」
「お兄様?コチラに来て宜しいんですの?」
サーシャが居る救護エリアにヒイロと有栖、優輝がやって来た
「地上に落ちてくれたとは言え、獣神には魔法は効かないから……優輝のポンコツ剣技も同じくね(笑)」
「有栖まで…ポンコツって言わないでくれよw」
結局、優輝はミクイだけでなく有栖にも、からかわれていた…鍛冶師のヒイロと見習いの優輝の打撃では獣神にダメージは与えにくい。【消去の魔女】とはいえ相変わらず魔法は効かないので、獣神への攻撃は別の者に任せて治療活動の様子を見に来たようだ
「そうだ!アリスお姉様が帰還されたんですの?獣神を落としたあの光は、いつか見た転移門の光に見えましたの!」
「有栖」の名前で姉の「アリス」が戻っているのでは?という事を思い出したサーシャ
「カルーアちゃんがミアナと組んで氷の柱を獣神に投てきしてて、アリスちゃんはその2人の護衛をしてくれているわ」
「ホッ!…そうなんですのね!でしたら、あの獣神を倒したら家族の営みが戻るのですのね?…嬉しいですの……」
アリスの帰還の確認が取れた事でサーシャは気が緩んだのか?その場に座り込んだかと思ったら、そのまま倒れそうになった
「大丈夫か?」
「ガシッ」ヒイロは素早くサーシャを支えた
「ふいぃ…気が緩んだら、疲れが出ちゃったみたい…ですの。えへへ…」
「少し休め。獣神が地上に落ちてからはコチラ側が凄く優勢だ。たぶん、俺達の勝利で終わるだろうさ!」
ヒイロは頑張ってくれているサーシャを安心させようと、間もなく勝利するだろう!と告げたのだが…
「だと、良いんだけど…」
ファルバァスを見詰める有栖は、何か気になって仕方ない感じだ
「あそこまで追い込んだら、流石に起死回生は無いだろう?俺の勘がそう告げてるぜ!」
優輝もサーシャを安心させようと勢いで言ったのだが…
「何いってるのよ!今日だけで優輝の勘がどんだけ外れたのよ?分かってる!?」
「いや、それは…(汗)」
優輝の勘がまるでアテにならない事を身をもって知らされたミクイに、激しく突っ込まれている優輝
…………………………………………………………
それから1時間程が経過した
「しかし、ファルバァスって獣神も粘るよなぁ…」
ヒイロは獣神が諦めずに必死に触手を動かして、足掻いているのが少し気になった
「でも…いくら数が多くても【舞闘女神】アテナさんや【臥龍族】のドレイク【村長】だけど超強いキウ様が居るから…あんな攻撃では起死回生にはならないハズなのに…」
有栖からしてみれば触手で抵抗している獣神がやっている事は、無駄な足掻きにしか見えないようだ
「うーん…もしかしたら…何か探しているのかも知れませんの?」
「何か?…探している?」
「この状況をひっくり返せれる様な物が?」
サーシャの意見に首を傾げる優輝とヒイロ。だが!有栖が何かに気付く
「まさか!?ファルバァスの奴…【賢者の石】を探している!?」
地下牢でのアンナローザとの対決で疲労困憊の有栖だが、ここでキッチリ勝利しなければ危険だと感じていたので、ファルバァスとの戦いをしっかりと見守って考えていた
「ギッ!?……ギシェェェ!!」
必死に触手を動かしていたファルバァスが、突然雄叫びの様な奇声をあげた
【カルーア達】
「何だい!?」
ミアナが精製した氷の柱を、カルーアが【七精守護霊(ハーロウィーン)】で撃ち出そうとしていたが…突然ファルバァスが膨大な魔力を放出し始めた事に気が付いたカルーア
「今更、何をする気なのでしょうか?」
ミアナも獣神の行動が読めなかった
【有栖達】
「とんでもない魔力を放出してますの!何か凄いことをする気ですの!」
天使族となったサーシャも、魔法に関してかなり敏感だ。超大規模な魔法的な何かを、ファルバァスがしようとしているのを察知していた
「ブワアァァッ!!」【賢者の石】を触手で掴む獣神は、超魔力を石に流し込んだ!とんでもなく太い光の柱がファルバァスを包んだ
「何だぁ!?あの凄い光の柱は?」
「転移門ですって!?…まさか!ファルバァスは異世界に逃げるつもりなの!?」
自分(ありす)が惑星エリスアに強制転移させられた時に見た転移門を25年振りに目撃する徳川有栖
【東京都千代田区上空】
「間もなく目的地の【東京外科病院】の上空にさしかかりますので着陸体勢に……ん?コレは何だ?」
「どうかしたのかね?」
目的地の近くまで来て急にパイロットが動揺する
「計器の故障か?…すみません。1キロ程前方に何か巨大な物体が有ると計器が…」
「前方に巨大な物体?何も見えないが……ん?うおっ!?」
次の瞬間…パイロットが指差す方向に、巨大な光のかたまりが現れた
「なっ!何なんだよ!?」
突如、目の前の上空に現れた巨大な光に未確認飛行物体でも見たかの様に慌てる3人。しかし、未確認飛行物体ならまだ良かったかも知れない
「ギシェェェッ!!」
陽が沈もうとしている東京都千代田区の上空に、突如獣神ファルバァスの巨体が現れた!!
ファルバァスは【賢者の石】を使い、沢山の人を捕食して得た超巨大な魔力を使って地球へと転移したのだ!
続く
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