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化け物たちとの遭遇編
有栖の決断
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【惑星エリスア】
地上に落とされた獣神ファルバァスは、巨大な光の柱を空高くへと放出した直後…その姿を消した
…………………………………………
「やったぁ!」
「我々が勝ったんだぁ!」
「人類は助かったんだぁ!」
少し間が空いてから、ファルバァスと死闘を繰り広げていた戦士達ならびに、その驚異から必死に逃げていた者たちは獣神が消滅したのだと思い、この地に平和が戻ったと確信し歓喜の声を上げた!
………………………………………
対ファルバァス戦が終わりを告げ、戦って負傷した者たちを含め全員が救護エリアに集まりだした
「押さないでください!食料はたっぷり在庫があります。全員に行き渡りますから!」
「サーシャちゃんの所に群がらないでください!軽傷の人は一般救護の方へ!重傷者は王宮回復士の元へ!危篤状態の方のみサーシャちゃんの元で、手当をしてもらってください!」
ケイトスと、その配下の者たちが救護エリアを仕切ってくれている。とは言えあれだけの事態に遭遇した人たちは、まだまだパニック状態だった
「この辺は平らな面積が多い、仮設ハウスはこの一帯に設置せよ!…良いか!もう陽は沈むぞ!余に従ってテキパキ働くのだ!」
城も城下町もズタボロに破壊されているので、とりあえずではあるが数日の住居を急ごしらえで設置する作業をキングス王子の指揮の元、彼の親衛隊達が一丸となって取り組んでいた
「この一大事に生命を賭して勇敢に戦ってくれた全ての者たちに、このロード全霊の感謝を述べる!」
ロード王は魔法マイクを使い、周辺に居る戦士達へ労いと感謝の言葉を述べた
「良く頑張ったのぅ。強くなったんじゃのう、エリエス!」
「お祖母様、有難うございます!」
国の一大事という出来事の中、しっかりと自分にできる事に邁進した孫娘のエリエスを褒めて労うアテナ
「よく生き延びれたもんだぜ…」
「仲間たちも沢山死んじまったな…」
「全滅しなかっただけマシだろうな…」
「本当に、みんな頑張ったな…」
生き延びた戦士達は、互いの健闘を讃(たた)えあっている。そんな中…1人険しい顔で悩んでいる有栖にキウが声を掛ける
「有栖よ、お前はどう思う?巨体を誇る獣神が一瞬で消滅死したなど有り得んだろう?…やはりファルバァスは異世界…地球とやらへ転移して行ったのか?」
「はい、まお…いえ、キウ様。おそらくファルバァスはアリスちゃんが帰還する為に開かれたGATE…役目を終え閉じかかっていたソレを、奴の巨大な魔力で再びこじ開け転移したと思われます」
「何だって!?…有栖!まさか…奴は地球へ?」
近くでキウと有栖の会話を聞いていた優輝は、あの恐ろしいファルバァスが事もあろうに地球へ旅立った事を知ってしまった
「どんな強力な攻撃を喰らわせても…あんな超巨体が一瞬で消滅するなんて……私の消去の魔法でも不可能だもの…奴は間違いなく地球へ…」
そこへカルーアが駆け寄る
「どうするんだい?地球は有栖さんとポンコ……優輝さんの故郷なんでしょ?」
「今、ポンコツって言おうとしてなかったかい?」
「……そうね。確かに優輝はポンコツよね」
「おい!」
冗談を言いはしたが、有栖は明らかに思い詰めた顔をしている
「追い掛けるつもりなのか?」
「おそらく…地球の科学力…つまり、地球の戦力ではファルバァスは倒せないでしょう。このまま放置したら…地球は壊滅させられます」
「嘘ぉ!?そんな…優香ちゃんや佐々木お兄ちゃんが死んじゃうって事ぉ?」
カルーア達を護衛していたアリスにも、その話の内容が聞こえた様だ
「シュアァァ…」耳障りの良い音が響くと…彼らの周りに明らかに高いレベルでの認識阻害の結界が張られた
「えっ!?お師匠様、コレは?」
「またキミか…」
カルーアは誰が現れるのか予想が付いたようだ
「バレているみたいよ…エリスアちゃん(笑)」
「いやぁねぇ…神の存在は秘匿されなくちゃイケナイのにね~…皆さんお久しぶりね。あら、初めましての子も居るようね……私はこの星の女神エリスアと言うわ。みんな宜しくね」
初めてエリスアを見る者達の為に、エリスアはおどけた態度で姿を現した。キウとミアナ以外はエリスアと既に面識があった
「貴女がこの星の女神様か…かつて俺のした事と部下のした事で、この星に多大な迷惑を掛けた事を深くお詫びする」
「あのぅ…神様ですよね?キウ様の事は内緒でお願いします」
キウは何やら女神エリスアに謝罪しているし、ミアナが彼女に何かお願いをしていた。有栖以外は何の事やら訳が分からない様だ
「過ぎた事は良いのよ。それに、人間側にも非は山ほど有ったのだから気にしなくて良いのよ
それよりも、有栖!貴方の予想通りよ!今、地球の女神【ガイア】様から緊急通信があったの…ファルバァスが…東京上空に現れたそうよ」
「やっぱり…そうですか…」
エリスアは有栖に申し訳なさそうな顔をしている。彼女が有栖に何かを言おうとした直前
「分かりました!私が獣神ファルバァスの討伐の為に地球に向かいます!みんな…しばらくサヨナラね…」
「な、何でだよ!?別に有栖1人の責任じゃないだろ?それに!奴には魔法が効かないんだろ?どうやって倒す気なんだよ?」
突然、1人ファルバァスを追い掛け地球に向かうと言い出した有栖の言葉に動揺する優輝
その時、キウが有栖とエリスアの真ん中辺りに歩み寄って何かを差し出した
「壊れちまってるぜ。いや、敢えてファルバァスが壊しやがったのかも知れないな…」
キウの手には砕かれた【賢者の石】が有った。どう見ても転移門の具現化は不可能と思われる程、バキバキに破壊されていた
続く
地上に落とされた獣神ファルバァスは、巨大な光の柱を空高くへと放出した直後…その姿を消した
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「やったぁ!」
「我々が勝ったんだぁ!」
「人類は助かったんだぁ!」
少し間が空いてから、ファルバァスと死闘を繰り広げていた戦士達ならびに、その驚異から必死に逃げていた者たちは獣神が消滅したのだと思い、この地に平和が戻ったと確信し歓喜の声を上げた!
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対ファルバァス戦が終わりを告げ、戦って負傷した者たちを含め全員が救護エリアに集まりだした
「押さないでください!食料はたっぷり在庫があります。全員に行き渡りますから!」
「サーシャちゃんの所に群がらないでください!軽傷の人は一般救護の方へ!重傷者は王宮回復士の元へ!危篤状態の方のみサーシャちゃんの元で、手当をしてもらってください!」
ケイトスと、その配下の者たちが救護エリアを仕切ってくれている。とは言えあれだけの事態に遭遇した人たちは、まだまだパニック状態だった
「この辺は平らな面積が多い、仮設ハウスはこの一帯に設置せよ!…良いか!もう陽は沈むぞ!余に従ってテキパキ働くのだ!」
城も城下町もズタボロに破壊されているので、とりあえずではあるが数日の住居を急ごしらえで設置する作業をキングス王子の指揮の元、彼の親衛隊達が一丸となって取り組んでいた
「この一大事に生命を賭して勇敢に戦ってくれた全ての者たちに、このロード全霊の感謝を述べる!」
ロード王は魔法マイクを使い、周辺に居る戦士達へ労いと感謝の言葉を述べた
「良く頑張ったのぅ。強くなったんじゃのう、エリエス!」
「お祖母様、有難うございます!」
国の一大事という出来事の中、しっかりと自分にできる事に邁進した孫娘のエリエスを褒めて労うアテナ
「よく生き延びれたもんだぜ…」
「仲間たちも沢山死んじまったな…」
「全滅しなかっただけマシだろうな…」
「本当に、みんな頑張ったな…」
生き延びた戦士達は、互いの健闘を讃(たた)えあっている。そんな中…1人険しい顔で悩んでいる有栖にキウが声を掛ける
「有栖よ、お前はどう思う?巨体を誇る獣神が一瞬で消滅死したなど有り得んだろう?…やはりファルバァスは異世界…地球とやらへ転移して行ったのか?」
「はい、まお…いえ、キウ様。おそらくファルバァスはアリスちゃんが帰還する為に開かれたGATE…役目を終え閉じかかっていたソレを、奴の巨大な魔力で再びこじ開け転移したと思われます」
「何だって!?…有栖!まさか…奴は地球へ?」
近くでキウと有栖の会話を聞いていた優輝は、あの恐ろしいファルバァスが事もあろうに地球へ旅立った事を知ってしまった
「どんな強力な攻撃を喰らわせても…あんな超巨体が一瞬で消滅するなんて……私の消去の魔法でも不可能だもの…奴は間違いなく地球へ…」
そこへカルーアが駆け寄る
「どうするんだい?地球は有栖さんとポンコ……優輝さんの故郷なんでしょ?」
「今、ポンコツって言おうとしてなかったかい?」
「……そうね。確かに優輝はポンコツよね」
「おい!」
冗談を言いはしたが、有栖は明らかに思い詰めた顔をしている
「追い掛けるつもりなのか?」
「おそらく…地球の科学力…つまり、地球の戦力ではファルバァスは倒せないでしょう。このまま放置したら…地球は壊滅させられます」
「嘘ぉ!?そんな…優香ちゃんや佐々木お兄ちゃんが死んじゃうって事ぉ?」
カルーア達を護衛していたアリスにも、その話の内容が聞こえた様だ
「シュアァァ…」耳障りの良い音が響くと…彼らの周りに明らかに高いレベルでの認識阻害の結界が張られた
「えっ!?お師匠様、コレは?」
「またキミか…」
カルーアは誰が現れるのか予想が付いたようだ
「バレているみたいよ…エリスアちゃん(笑)」
「いやぁねぇ…神の存在は秘匿されなくちゃイケナイのにね~…皆さんお久しぶりね。あら、初めましての子も居るようね……私はこの星の女神エリスアと言うわ。みんな宜しくね」
初めてエリスアを見る者達の為に、エリスアはおどけた態度で姿を現した。キウとミアナ以外はエリスアと既に面識があった
「貴女がこの星の女神様か…かつて俺のした事と部下のした事で、この星に多大な迷惑を掛けた事を深くお詫びする」
「あのぅ…神様ですよね?キウ様の事は内緒でお願いします」
キウは何やら女神エリスアに謝罪しているし、ミアナが彼女に何かお願いをしていた。有栖以外は何の事やら訳が分からない様だ
「過ぎた事は良いのよ。それに、人間側にも非は山ほど有ったのだから気にしなくて良いのよ
それよりも、有栖!貴方の予想通りよ!今、地球の女神【ガイア】様から緊急通信があったの…ファルバァスが…東京上空に現れたそうよ」
「やっぱり…そうですか…」
エリスアは有栖に申し訳なさそうな顔をしている。彼女が有栖に何かを言おうとした直前
「分かりました!私が獣神ファルバァスの討伐の為に地球に向かいます!みんな…しばらくサヨナラね…」
「な、何でだよ!?別に有栖1人の責任じゃないだろ?それに!奴には魔法が効かないんだろ?どうやって倒す気なんだよ?」
突然、1人ファルバァスを追い掛け地球に向かうと言い出した有栖の言葉に動揺する優輝
その時、キウが有栖とエリスアの真ん中辺りに歩み寄って何かを差し出した
「壊れちまってるぜ。いや、敢えてファルバァスが壊しやがったのかも知れないな…」
キウの手には砕かれた【賢者の石】が有った。どう見ても転移門の具現化は不可能と思われる程、バキバキに破壊されていた
続く
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