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化け物たちとの遭遇編
「アレは、なぁに?」
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【惑星エリスア】
「お兄ちゃん、みんな。ただいまぁ♬」
アリスは家族との再会を喜び、ヒイロに抱きついた。そのアリスに、背後からカルーアが抱きついてきた
「姉さん、ごめんなさい。あの時、私があんな紛らわしい言い方をしたから…誤解させちゃって…本当にゴメンよ」
カルーアはアリスが地球に転移するキッカケを作ってしまった事を詫びたが…
「良いのぉ、アタシ地球に行って良い人と出会って沢山の経験が出来て本当に良かったと思ってるよぉ!」
地球で全く知らない人達に囲まれながらも、価値のある生活を送れた事が、アリスを精神的に成長させた事をヒイロは感じ取っていた
「アリスは地球で成長出来たんだな!…でも有栖ちゃん達には今から行く地球での日々は…ツラいものになるかも知れないな」
ヒイロはアリスが地球に行っている時に【ヴォイド】と戦ったことを知らなかったので、獣神討伐の目的で故郷の地球へと帰還して行った有栖と優輝のことを心配していた
「ねぇ、アレはなぁに?」
「あれがアリス姉さんを送り迎えした転移門の柱だよ。そっか、姉さんは柱の内側に居たから形までは知らなかったんだね」
アリスの質問に答えるカルーア
徳川有栖たちには今からも困難が待ち受けているのだが…取り敢えず王都クラウンと、アルバート家には再び幸せな時間が戻ったのである
いつの間にかエリスアが張った結界は消えており、今立ち上った光の柱は有栖と優輝を地球へと送り出した。エリスアは2人を先導し共に地球へ向かった
【東京千代田区】
「お母さん、アレは、なぁにぃ?」
お出掛け用の可愛い衣服に身を包んだ中学生くらいの少女は、上空に浮かぶファルバァスに驚き母親に抱きついた
少女の背後から巨大な触手が襲ってきた
「きゃあああぁぁ!!」
母親は巨大で異形な存在に気が付き、言葉にならない絶叫を上げながら我が娘を抱き締めた
ファルバァスは、その声に導かれる様に触手を伸ばすと…その先端を大きく開き母娘ごと飲み込んだ!
地上は逃げ惑う人達でごった返しになっている。為す術もなくファルバァスに飲み込まれていく人々。捕食の為に伸びる触手の数々が、邪魔な建物を次々と破壊しながら人々を飲み込んでいた
「まるで…愚かな人類を滅ぼしに破滅の神が降臨したかの様だ…」
徳川パパは青ざめた顔でファルバァスに襲われ飲み込まれていく人々を、ただ見守る事しか出来なかった
「アレは…アリスちゃんが生まれたエリスアって星から来たモンスターなのか?」
佐々木は今までアリスが、あんな化け物と戦っていたのか?と考えた。それならば、あの年齢のアリスが師範代を凌駕する剣術を持っているのも納得出来た
【転移門を通過する有栖達】
「ごめんね有栖ちゃん…」
「良いって!私が決めた事なんだからさ!ソレに…女子高生の年齢で成長を止めてはいるけど…実年齢は40なんだからさ。長らく家族と会ってないから、1度は会っておきたいのよね」
「有栖…」
嫌な役目を有栖に押し付けてしまった事を詫びたエリスア。彼女を気遣い「自分が決めた事」と気を遣う有栖。そんな彼女を心配する優輝
「転移門ってWARPとかじゃないんだね。超高速移動なんだね。思ってたよりも快適ね」
「そんな事よりさ、有栖はファルバァスとどうやって戦うんだよ?」
「その事だけどね…今ガイア様がある提案を、神の上層部に進言しているみたい」
「でも、どのみち戦うのは有栖なんだろ?」
「…………ごめんなさい。本当に…」
神々がどういう結論を出したとしても【国家災害級】と言われる獣神ファルバァスと戦うのが、有栖である事に変わりは無い
「ファルバァスだけじゃない。有栖は獣神マルバァスだって倒してくれたんだ…何で有栖ばかりが、そんな大役を果たさなきゃならないんだよ!」
有栖の見た目は女子高の1年生。実年齢なら子供が居てもおかしくはない40歳。そんな有栖の肩に【国家災害級】の討伐が2度までものしかかっている。彼女と深い仲になった優輝が、それを快く思えるハズもなかった
「ふっふっふっふー!良いんじゃないの(笑)わはははは!」
「有栖!?」
暗い顔で思い悩む優輝と、申し訳なさに囚われているエリスアをよそに有栖は豪快に高い笑いした
「2つの世界の危機的状況を救うひとりの少女っ!B級映画でも中々有り得ない物語の主役に選ばれたのは、この私【徳川有栖】なのよ!
こんな胸熱な展開、普通に生きてたら絶対味わえないじゃない!むしろ私は興奮するわっ!」
人類の危機を救う大役に不幸と嘆くわけでもなく、緊張に押しつぶされる訳でもなく、その中心人物に立っている事を喜ぶ態度を魅せた有栖
「そうか……なら!俺は可能な限りサポートするよ!」
「ありがとうね…でも、まぁ優輝の出番は無いんじゃない。なにせ、ポンコツ勇者ですからねぇ(笑)」
「あのなぁ……んっ!?光の終わりが見えてきたぞ!」
話し込んでいると、彼らの正面に巨大な青い惑星【地球】が近付いてきた
「ガイア様からの返事は間に合わなかったか……良い有栖?惑星神は自分の星で起きている事とは言え、干渉出来ない決まりなの。申し訳ないけど絶対の掟なの…
貴方達を地球に現出させるけど、ファルバァスに対抗出来るチカラを必ず授けるから、それまでは絶対に戦わないでね。お願いよ!」
「はいはい、分かってますよ。魔法は奴のエネルギー補給にしかならないからね。秘策とやらをアテにしてるから、早く頼むわね。それじゃ優輝…行くよっ!」
「おう!」
エリスアは最後まで「ごめんなさい」と呟きながら、2人を千代田区上空に現出させた!
【ヘリコプター内】
「怪物に人が喰われていくのを、俺達は見ているだけなのか!」
ファルバァスから距離を取っているヘリコプターの中で、佐々木は自分の不甲斐なさを悔やんでいた
「私達では、あんな化け物どうにもならないよ…魔法でも使えなきゃーね」
【地上】
「戦車隊、目標は上空の化け物だ!外すなよ!東京都民の生命は俺達に掛かっているぞ!……撃てーっ!!」
急いで集められた陸上自衛隊の戦車隊が、上空から人々を襲うファルバァスに向けて戦車砲による一斉射撃を開始した
続く
「お兄ちゃん、みんな。ただいまぁ♬」
アリスは家族との再会を喜び、ヒイロに抱きついた。そのアリスに、背後からカルーアが抱きついてきた
「姉さん、ごめんなさい。あの時、私があんな紛らわしい言い方をしたから…誤解させちゃって…本当にゴメンよ」
カルーアはアリスが地球に転移するキッカケを作ってしまった事を詫びたが…
「良いのぉ、アタシ地球に行って良い人と出会って沢山の経験が出来て本当に良かったと思ってるよぉ!」
地球で全く知らない人達に囲まれながらも、価値のある生活を送れた事が、アリスを精神的に成長させた事をヒイロは感じ取っていた
「アリスは地球で成長出来たんだな!…でも有栖ちゃん達には今から行く地球での日々は…ツラいものになるかも知れないな」
ヒイロはアリスが地球に行っている時に【ヴォイド】と戦ったことを知らなかったので、獣神討伐の目的で故郷の地球へと帰還して行った有栖と優輝のことを心配していた
「ねぇ、アレはなぁに?」
「あれがアリス姉さんを送り迎えした転移門の柱だよ。そっか、姉さんは柱の内側に居たから形までは知らなかったんだね」
アリスの質問に答えるカルーア
徳川有栖たちには今からも困難が待ち受けているのだが…取り敢えず王都クラウンと、アルバート家には再び幸せな時間が戻ったのである
いつの間にかエリスアが張った結界は消えており、今立ち上った光の柱は有栖と優輝を地球へと送り出した。エリスアは2人を先導し共に地球へ向かった
【東京千代田区】
「お母さん、アレは、なぁにぃ?」
お出掛け用の可愛い衣服に身を包んだ中学生くらいの少女は、上空に浮かぶファルバァスに驚き母親に抱きついた
少女の背後から巨大な触手が襲ってきた
「きゃあああぁぁ!!」
母親は巨大で異形な存在に気が付き、言葉にならない絶叫を上げながら我が娘を抱き締めた
ファルバァスは、その声に導かれる様に触手を伸ばすと…その先端を大きく開き母娘ごと飲み込んだ!
地上は逃げ惑う人達でごった返しになっている。為す術もなくファルバァスに飲み込まれていく人々。捕食の為に伸びる触手の数々が、邪魔な建物を次々と破壊しながら人々を飲み込んでいた
「まるで…愚かな人類を滅ぼしに破滅の神が降臨したかの様だ…」
徳川パパは青ざめた顔でファルバァスに襲われ飲み込まれていく人々を、ただ見守る事しか出来なかった
「アレは…アリスちゃんが生まれたエリスアって星から来たモンスターなのか?」
佐々木は今までアリスが、あんな化け物と戦っていたのか?と考えた。それならば、あの年齢のアリスが師範代を凌駕する剣術を持っているのも納得出来た
【転移門を通過する有栖達】
「ごめんね有栖ちゃん…」
「良いって!私が決めた事なんだからさ!ソレに…女子高生の年齢で成長を止めてはいるけど…実年齢は40なんだからさ。長らく家族と会ってないから、1度は会っておきたいのよね」
「有栖…」
嫌な役目を有栖に押し付けてしまった事を詫びたエリスア。彼女を気遣い「自分が決めた事」と気を遣う有栖。そんな彼女を心配する優輝
「転移門ってWARPとかじゃないんだね。超高速移動なんだね。思ってたよりも快適ね」
「そんな事よりさ、有栖はファルバァスとどうやって戦うんだよ?」
「その事だけどね…今ガイア様がある提案を、神の上層部に進言しているみたい」
「でも、どのみち戦うのは有栖なんだろ?」
「…………ごめんなさい。本当に…」
神々がどういう結論を出したとしても【国家災害級】と言われる獣神ファルバァスと戦うのが、有栖である事に変わりは無い
「ファルバァスだけじゃない。有栖は獣神マルバァスだって倒してくれたんだ…何で有栖ばかりが、そんな大役を果たさなきゃならないんだよ!」
有栖の見た目は女子高の1年生。実年齢なら子供が居てもおかしくはない40歳。そんな有栖の肩に【国家災害級】の討伐が2度までものしかかっている。彼女と深い仲になった優輝が、それを快く思えるハズもなかった
「ふっふっふっふー!良いんじゃないの(笑)わはははは!」
「有栖!?」
暗い顔で思い悩む優輝と、申し訳なさに囚われているエリスアをよそに有栖は豪快に高い笑いした
「2つの世界の危機的状況を救うひとりの少女っ!B級映画でも中々有り得ない物語の主役に選ばれたのは、この私【徳川有栖】なのよ!
こんな胸熱な展開、普通に生きてたら絶対味わえないじゃない!むしろ私は興奮するわっ!」
人類の危機を救う大役に不幸と嘆くわけでもなく、緊張に押しつぶされる訳でもなく、その中心人物に立っている事を喜ぶ態度を魅せた有栖
「そうか……なら!俺は可能な限りサポートするよ!」
「ありがとうね…でも、まぁ優輝の出番は無いんじゃない。なにせ、ポンコツ勇者ですからねぇ(笑)」
「あのなぁ……んっ!?光の終わりが見えてきたぞ!」
話し込んでいると、彼らの正面に巨大な青い惑星【地球】が近付いてきた
「ガイア様からの返事は間に合わなかったか……良い有栖?惑星神は自分の星で起きている事とは言え、干渉出来ない決まりなの。申し訳ないけど絶対の掟なの…
貴方達を地球に現出させるけど、ファルバァスに対抗出来るチカラを必ず授けるから、それまでは絶対に戦わないでね。お願いよ!」
「はいはい、分かってますよ。魔法は奴のエネルギー補給にしかならないからね。秘策とやらをアテにしてるから、早く頼むわね。それじゃ優輝…行くよっ!」
「おう!」
エリスアは最後まで「ごめんなさい」と呟きながら、2人を千代田区上空に現出させた!
【ヘリコプター内】
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ファルバァスから距離を取っているヘリコプターの中で、佐々木は自分の不甲斐なさを悔やんでいた
「私達では、あんな化け物どうにもならないよ…魔法でも使えなきゃーね」
【地上】
「戦車隊、目標は上空の化け物だ!外すなよ!東京都民の生命は俺達に掛かっているぞ!……撃てーっ!!」
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