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化け物たちとの遭遇編
異種族交流は災いの種?
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【クラウン内食堂】
ヒイロ達5人は今日も城と城下町の復興の為に働くつもりで、まずは朝食を取りに食堂にやって来ていた
「兄さんさ…昨夜は姉さんを抱いたのかい?」
「ん?…あぁ、まあな…」
食事を始めるとほぼ同時にカルーアはヒイロに、昨夜アリスと一緒に寝ていた時の事の確認をしてきた
「ごめんねぇ。アリスが……」
「ストップ!謝らないでよ姉さん。別にヒイロが姉さんを抱いても良いんだ……いや、あまり良くはないんだけどね…それでも下手に嘘をつかれるよりは、よっぽどマシだからね」
ヒイロがもし三姉妹以外の女性に手を出したなら流石にカルーアも激怒しているところだろうが、カルーアもアリスの事は姉としても大好きで大切だ
「カルーアを彼女にする!と、言っておきながらアリスを放置出来なかった。すまない」
「ねーサーシャ、カルーアは何を怒ってるの?」
「お兄様が、アリスお姉様を抱いても良いんじゃないですの?」
「何でだよ?」
「だって、まだヒイロお兄さまとカルーアお姉さまとで結婚した訳ではないですし…」
「でもさ、わたしはまだ13歳だから結婚できる年齢じゃないしさ…」
複雑な感情で落ち着かないカルーアの理由をコハラコに聞かれたサーシャが、カルーアに意見した。三姉妹で1人だけヒイロを独占する気が全く無いサーシャ故の意見かも知れない
「ですから、予約とか誓いを立てたとしても本当に結婚する日までは、他の女の人に右往左往する事も有るんじゃないのですの?」
「そう…かも知れないけど、わたしは…」
その時食堂に、キウとミアナがやって来た
「皆さま、おはようございます」
「今朝も盛り上がっているな。相変わらず仲良さそうだな」
「おはようございます。キウさん、ミアナちゃん。良く眠れましたか?」
ヒイロ達は2人に挨拶をした。カルーア達もそれに続いて挨拶をした。その後、話の続きに戻った
「そうは言うけどさ、やっぱりわたしは、ヒイロにわたしだけを見て欲しい!って気持ちがあるんだよ」
「まぁまぁ、夜の営みもみんなでした方が気持ち良いですの♪」
「そういう事じゃないだろうっ!」
「いつも仲良い訳でも無さそうですねw」
三姉妹は同居しだして半年ちょいだが、誤解からアリスが転移してしまった事もあり、お互いの意見は正直に言い合おうと決めたばかりだ
「どちらにしても、他種族ばかりの家庭なのに上手くやれている様だな。良い事だ!」
「種族が違うと問題なの?」
5歳児のコハラコには難しい話だった。割りとズバズバ言いがちなキウが、少し柔らかい様な悲しい様な顔になり、コハラコに説明してくれた
「異種族の出会いは喧嘩になりやすいんだ。それが時には戦争や殺し合いになったりするもんだ。吸血姫(ヴァンパイア)のお嬢さんも気を付けるんだぞ」
「うん…よく分かんないけどありがとう!」
「種族の違いは揉め事を産みやすいですからね」
ミアナもキウの意見に同意している。どうも彼女の過去から来てる何か、も感じられる雰囲気だ
「種族の違いで喧嘩するのぉ?」
「俺達には、そんなの関係ねぇよな?」
「ん~そうだね、わたし達はソレが理由では喧嘩しないと思うよ」
「お互いが好き過ぎて、時々衝突してる感じですの」
「3人とも性格の方向性がバラバラだからなぁ…でも、逆に凄く仲良く出来る時もあるよな?」
「だねぇ!」
「まあね」
「そうですの!」
「なるほど。ヒイロ君を中心に上手くやれているのだな」
珍しくキウが優しく微笑んだ
異種族の出会いは基本、争いを産む事になりやすい。それは過去の歴史が証明している。ただヒイロ達は上手くやっているという事だ
【クラウン北東部】
渓谷地帯の林の中を、なるべく音を立てない様に走る4人が居る
「エイナス、シェルハ、ロロルカ大丈夫か?」
「シェルハとロロルカが…はぁはぁ…息があがってる…」
「ごめんなさい…ふぅはぁ…」
大人2人に少年少女の4人だが…彼らの皮膚はエメラルドグリーン色をしていた
「本当にココはどの辺り…なんだろうね?…はぁ…」
「さあなぁ…どうも地上に出てきた感じがするぜ…こんな明るい空は初めて見るからな」
「グルドル、ここが…地上…なの?」
体格の大きい男がグルドル、彼に質問した大人の女性がロロルカ、少年がエイナス、少女がシェルハの様だ
「昨夜、出会った彼らが人間なのかな?」
「村の大人から聞いてた話だと、たぶんそうだと思うわ」
「俺たちを見て叫んで逃げて行ったからな」
「肌の色が全然違ったね。私達もだけど、あの人達もビックリよね」
「それは今は良しとしてだ…手持ちの食料がもうすぐ尽きる。見知らぬ土地でどうやって食べ物を見つけるか?」
「彼らの言葉、まるで分からなかったわ」
4人は見知らぬ土地でアテもなく、途方に暮れていた
「ガサッ…」4人から少し離れた位置の草むらが音を立てた
そちらを注視すると…8人の人間が彼らを見て何か言っている
「良し…俺がコミニュケーションを取ってみる。お前たちは背後で様子を見てろ」
「グルドル…大丈夫なの?」
「さぁな、分からん…しかし、話してみない事には…」
グルドルが両手を上げて、敵意が無い事の意思表示をしながら、人間達に近づいて行く
「俺達は貴方たちと争うつもりは無い。良ければ食料を少し分けて…」
「バシュ!」人間達は隠し持っていた弓でグルドルに矢を撃ち込んだ!
「ぐあっ!」
「グルドルさん!?」
「逃げるわよ!」
ロロルカは2人を引っ張り、人間達から逃げる様に走り出した
「くっそぉ!…オラァ!」
「ドスン!」
グルドルは渓谷地帯なので、足元にある石から大きい物を選び、矢を撃ってきた相手の方へ投げると、3人の後を追い掛ける様に逃げ出した
「奴らが逃げるぞ!」
「魔族の仲間に違いない!」
「絶対に逃がすなぁ!」
2日前、王都クラウンで獣神が現れた事は、この付近の人達にも伝わっていた
王都で働いていた家族を亡くした者も居る。彼らは魔族などの異種族に対して、過剰なまでに過敏になっていた
続く
ヒイロ達5人は今日も城と城下町の復興の為に働くつもりで、まずは朝食を取りに食堂にやって来ていた
「兄さんさ…昨夜は姉さんを抱いたのかい?」
「ん?…あぁ、まあな…」
食事を始めるとほぼ同時にカルーアはヒイロに、昨夜アリスと一緒に寝ていた時の事の確認をしてきた
「ごめんねぇ。アリスが……」
「ストップ!謝らないでよ姉さん。別にヒイロが姉さんを抱いても良いんだ……いや、あまり良くはないんだけどね…それでも下手に嘘をつかれるよりは、よっぽどマシだからね」
ヒイロがもし三姉妹以外の女性に手を出したなら流石にカルーアも激怒しているところだろうが、カルーアもアリスの事は姉としても大好きで大切だ
「カルーアを彼女にする!と、言っておきながらアリスを放置出来なかった。すまない」
「ねーサーシャ、カルーアは何を怒ってるの?」
「お兄様が、アリスお姉様を抱いても良いんじゃないですの?」
「何でだよ?」
「だって、まだヒイロお兄さまとカルーアお姉さまとで結婚した訳ではないですし…」
「でもさ、わたしはまだ13歳だから結婚できる年齢じゃないしさ…」
複雑な感情で落ち着かないカルーアの理由をコハラコに聞かれたサーシャが、カルーアに意見した。三姉妹で1人だけヒイロを独占する気が全く無いサーシャ故の意見かも知れない
「ですから、予約とか誓いを立てたとしても本当に結婚する日までは、他の女の人に右往左往する事も有るんじゃないのですの?」
「そう…かも知れないけど、わたしは…」
その時食堂に、キウとミアナがやって来た
「皆さま、おはようございます」
「今朝も盛り上がっているな。相変わらず仲良さそうだな」
「おはようございます。キウさん、ミアナちゃん。良く眠れましたか?」
ヒイロ達は2人に挨拶をした。カルーア達もそれに続いて挨拶をした。その後、話の続きに戻った
「そうは言うけどさ、やっぱりわたしは、ヒイロにわたしだけを見て欲しい!って気持ちがあるんだよ」
「まぁまぁ、夜の営みもみんなでした方が気持ち良いですの♪」
「そういう事じゃないだろうっ!」
「いつも仲良い訳でも無さそうですねw」
三姉妹は同居しだして半年ちょいだが、誤解からアリスが転移してしまった事もあり、お互いの意見は正直に言い合おうと決めたばかりだ
「どちらにしても、他種族ばかりの家庭なのに上手くやれている様だな。良い事だ!」
「種族が違うと問題なの?」
5歳児のコハラコには難しい話だった。割りとズバズバ言いがちなキウが、少し柔らかい様な悲しい様な顔になり、コハラコに説明してくれた
「異種族の出会いは喧嘩になりやすいんだ。それが時には戦争や殺し合いになったりするもんだ。吸血姫(ヴァンパイア)のお嬢さんも気を付けるんだぞ」
「うん…よく分かんないけどありがとう!」
「種族の違いは揉め事を産みやすいですからね」
ミアナもキウの意見に同意している。どうも彼女の過去から来てる何か、も感じられる雰囲気だ
「種族の違いで喧嘩するのぉ?」
「俺達には、そんなの関係ねぇよな?」
「ん~そうだね、わたし達はソレが理由では喧嘩しないと思うよ」
「お互いが好き過ぎて、時々衝突してる感じですの」
「3人とも性格の方向性がバラバラだからなぁ…でも、逆に凄く仲良く出来る時もあるよな?」
「だねぇ!」
「まあね」
「そうですの!」
「なるほど。ヒイロ君を中心に上手くやれているのだな」
珍しくキウが優しく微笑んだ
異種族の出会いは基本、争いを産む事になりやすい。それは過去の歴史が証明している。ただヒイロ達は上手くやっているという事だ
【クラウン北東部】
渓谷地帯の林の中を、なるべく音を立てない様に走る4人が居る
「エイナス、シェルハ、ロロルカ大丈夫か?」
「シェルハとロロルカが…はぁはぁ…息があがってる…」
「ごめんなさい…ふぅはぁ…」
大人2人に少年少女の4人だが…彼らの皮膚はエメラルドグリーン色をしていた
「本当にココはどの辺り…なんだろうね?…はぁ…」
「さあなぁ…どうも地上に出てきた感じがするぜ…こんな明るい空は初めて見るからな」
「グルドル、ここが…地上…なの?」
体格の大きい男がグルドル、彼に質問した大人の女性がロロルカ、少年がエイナス、少女がシェルハの様だ
「昨夜、出会った彼らが人間なのかな?」
「村の大人から聞いてた話だと、たぶんそうだと思うわ」
「俺たちを見て叫んで逃げて行ったからな」
「肌の色が全然違ったね。私達もだけど、あの人達もビックリよね」
「それは今は良しとしてだ…手持ちの食料がもうすぐ尽きる。見知らぬ土地でどうやって食べ物を見つけるか?」
「彼らの言葉、まるで分からなかったわ」
4人は見知らぬ土地でアテもなく、途方に暮れていた
「ガサッ…」4人から少し離れた位置の草むらが音を立てた
そちらを注視すると…8人の人間が彼らを見て何か言っている
「良し…俺がコミニュケーションを取ってみる。お前たちは背後で様子を見てろ」
「グルドル…大丈夫なの?」
「さぁな、分からん…しかし、話してみない事には…」
グルドルが両手を上げて、敵意が無い事の意思表示をしながら、人間達に近づいて行く
「俺達は貴方たちと争うつもりは無い。良ければ食料を少し分けて…」
「バシュ!」人間達は隠し持っていた弓でグルドルに矢を撃ち込んだ!
「ぐあっ!」
「グルドルさん!?」
「逃げるわよ!」
ロロルカは2人を引っ張り、人間達から逃げる様に走り出した
「くっそぉ!…オラァ!」
「ドスン!」
グルドルは渓谷地帯なので、足元にある石から大きい物を選び、矢を撃ってきた相手の方へ投げると、3人の後を追い掛ける様に逃げ出した
「奴らが逃げるぞ!」
「魔族の仲間に違いない!」
「絶対に逃がすなぁ!」
2日前、王都クラウンで獣神が現れた事は、この付近の人達にも伝わっていた
王都で働いていた家族を亡くした者も居る。彼らは魔族などの異種族に対して、過剰なまでに過敏になっていた
続く
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