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化け物たちとの遭遇編
Sランク魔法使いカルーア
しおりを挟む【冒険者ギルド】
「ふーん…危険度星4、星5クエストがいっぱいあるね。確かに異常だね」
星5は国家災害級(獣神出現など)を除くと、クエストの最高難易度にあたる。星4、星5クエストが沢山出ているなんて三姉妹も初めて見る光景だった
「2度の獣神の出現が~こんなにも世界に~影響を与えてるんですね~ビックリです~」
エルデス特有のユラユラ口調では、緊張感がまるで伝わらないがヤバい事態なのは間違いない
「申し訳ないのだが、キミ達で星5クエストのどれか片付けてくれないだろうか?獣神討伐の英雄でSランクのカルーアちゃんと、武闘会で準優勝したキウさんの息子さんが居るのだから何とかならないかな?
今ヘルメスの街には、星5クエストを頼むに値するSランク冒険者はカルーアちゃんしか居ないんだよ!」
「あら?カルーアお姉様ってば、いつの間にSランクに昇進したんですの?」
ギルドマスターは三姉妹達に、星5任務に妥当なSランクがカルーアしか居ないから、是非に引き受けて欲しい口調だ
「わたしがSランク!?…いや、わたしはSランク昇進試験は受けていないよ。何かの間違いじゃないのかい?」
「これは済まない。実は王都クラウンから、獣神討伐戦で大活躍したカルーアちゃんを、試験免除でSランクに昇進させる!…と言う通達が昨日届いているんだ」
「確かにカルーアは大活躍したからぁ、Sランクにしてもらっても、おかしくはないよねぇ!」
今回ばかりは羨ましがり屋のアリスも、サーシャの昇格を心から喜んでいた。それ程にカルーアの活躍が凄かった!と認めているのだ
【星5クエスト古代遺跡調査】
「良し!これにするか。俺達に十分なクエストだよな?それに、古代語が読めるエルデスも居るんだしな!」
ヨシュアが選んだのは【古代遺跡調査】のクエストだった。彼が言うには世界中のどの言語とも似通わない古代語を、エルフ神官のエルデスは読めるという事だ
「凄いね!あの難しい古代語が読めるのかい?」
「はい~古代語解析なら~お任せください~」
さしものカルーアも古代語が解析出来ることに驚いた。ユラユラしているが、侮れないエルデス
「星5クエスト古代遺跡調査に行ってもらえるのかい?正直に言うと助かるよ。数日前から、あの遺跡の内部から強力なモンスターや、見た事も魔物の発見報告があってね
Aランク冒険者達が何人も返り討ちにあってね。野放しに出来ないけど、自信のある冒険者も居なくて参ってたんだ」
ギルドマスターの話によれば、このクエストは重要だが危険過ぎる。けど達成困難なものらしい
「俺は修理依頼が多過ぎて付いていけないが、お前達なら大丈夫だよな?くれぐれも危険だったら無理せずに戻るんだぞ!」
「あの宜しいです?実は…内緒にして欲しいと言われていましたが…留守番しているミルは、エリエスさんの助手や、みんなの料理で張り切り過ぎたみたいで、熱を出していますの。みんななら大丈夫と思いますので、サーシャは家で家事をしていて良いですの?」
「それは心配ですね~任せてください~サーシャさん程ではないですが~私も回復魔法は得意ですので~家に居てくださいね~」
気配りが出来るサーシャは、ミル本人が隠していた体調不良(発熱)に気が付いていた
「コハラコ、どうしよう?」
サーシャが好きなコハラコは、クエストに行くべきか?悩んでいた
本人的にはサーシャと居たいのだが、家事より戦闘でチカラになれる事は本人もよく解っているからだ
「コハラコ。お姉様達を守ってあげて欲しいですの」
サーシャはコハラコの頭を撫でながら、笑顔でクエストの付き添いをお願いした
「コハラコ、分かったの!」
【フェルニゲス遺跡】
「その古代遺跡ってぇ、どんな所なのぉ?」
「今となっては嘘か?誠か?黒龍のフェルニゲスが目撃された!と数百年前から語り継がれる遺跡らしいよ。亡くなった母さんから小さい頃に聞いた覚えがあるんだ」
ハイエルフに伝えられる神話や伝記の中に、【フェルニゲス遺跡】の話があったらしい
「ブラックドラゴンですか~?ソレは強そうで~ヤバそうですね~。ヨシュア様~死なないでくださいよ~」
またもユラユラ話すエルデスだが、その内容はとんでもないのだが…
「何で俺が死ぬんだよっ!俺が死ぬようなら全滅だろうがっ!」
「いえいえ~。ヨシュア様は~昔から良いカッコし~ですから~彼女のアリスさんを逃がす為に~囮とかやりかねませんから~」
「ばっ!?余計な事は言わなくて良いんだよっ!」
自分の性格をバラされ焦るヨシュア。ソレを聞かされニヤニヤするカルーア
「なぁんだ。結局キミも年相応の男の子なんだね(笑)」
ヨシュアに警戒心を抱いていたカルーアも、ようやく笑顔が零れた
と、その次の瞬間だった!!!
「コレはっ!?クラウン城の方向だね!」
「なんてデカいエネルギーだ!!」
カルーアとヨシュアが、クラウン城の方角から何かとんでもない異変を察知した
「何かあったの?」
心配そうな顔で質問するコハラコ
「まさかぁ、ファルバァスが戻って来たのぉ?」
「いや、たぶん違う気がする」
「そうだな。エネルギーはデカいが、現れたのは人間サイズだろうな」
アリスも思わず不安な顔を浮かべたが、カルーアとヨシュアが言うには獣神ではないらしい
「まさか~異世界で~獣神を討伐した~徳川有栖様が~帰還されたのかも、ですね~」
「そうか!巨大なエネルギーは転移門で、人間サイズと言うなら【消去の魔女】の彼女か!」
ファルバァスが地球に転移してから、ちょうど1週間。ガイアが言っていた帰還する期限と一致する
アリス達が古代遺跡調査に入るこのタイミングでクラウン城に有栖が帰還したようだ
続く
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