ようこそ幼い嫁候補たち ②

龍之介21時

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化け物たちとの遭遇編

予想外の大ピンチ

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【古代遺跡地下1階層】
圧倒的な高ランクメンバーで組織された調査隊は4チームに別れて、2階層に降りる道を目指す形で進行したのだが…敵の組織的な待ち伏せに会い1階層から早くも大ピンチを迎えていた



【後方部隊】
「双頭龍(ヒュドラ)なんて空想上の生物じゃなかったピョン?何で目の前に居るピョン!?」

AランクひとりとBランクふたりの【ホロワーズ】の3人は、伝説級の魔物にパニック寸前だった。唯一の救いであるSランクのエリエスが、この部隊に居なければ大変な事になっていただろう

「先手必勝ですね!」

ハイスペックな超人類エリエスが、双頭龍(ヒュドラ)相手に先制攻撃を仕掛けた

「ガキィン!」

「つっ!何て硬さなの…」

エクスカリバーを持ってしても、双頭龍(ヒュドラ)の顔に切り傷を付けた程度だった

「来るぞっ!」

ジュリアンは秘蔵の短剣を構えた。エリエスの一撃でふらついた双頭龍(ヒュドラ)の頭だが、奴は2つの頭を持っている。もう片方の頭が【ホロワーズ】目掛けて火球を吐いた

「僕に任せてください。どっせーいっ!」

カナタンがミスリルのハンマーで、飛んで来た火球をはじき飛ばした!

「さっすが!握力56kgの女!やるねー!」

「ゴバッン!」ピンチを救ったカナタンを賞賛したマリリンだったが…双頭龍(ヒュドラ)の火球を1回弾き返した代償に、ミスリル製のハンマーは砕け散ってしまった

「ひいぃっ!10万ゼニーも出して買った僕のミスリルハンマーがぁっ!?」

同じ材質の武器防具であっても、造った鍛冶師の腕によって性能はピンキリの差がある。ヘパイトスか?ヒイロに造ってもらっていたら、結果は違ったかもしれない



【右翼部隊】
後方部隊だけでなく右翼部隊も大ピンチを迎えていた。Sランク揃いの3人だが、難易度S級の魔装機兵(ガーディアン)が相手、しかも言葉を話す高性能な奴が5体も対峙している

「魔装機兵(ガーディアン)は水に漬かると動けなくなると聞きましたえ、【圧水大球(アクール・プルトゥーン)】!」

メリーズが持つ杖は、その先端に丸い黒水晶が装着されていて、その背面からチェーンロッドが伸びている
その杖を振りかざすと、魔装機兵(ガーディアン)の1体が水球に包み込まれた!機械は浸水に弱い!と言う事が、既にこの星でも判明しているようだ

「カシュン、ガシュン…」しかし、高性能タイプの魔装機兵(ガーディアン)はノーダメージの様に何事もなく歩いてくる。どうやら防水加工もバッチリのようである

「魔装機兵(ガーディアン)は水に弱いんじゃないんですの!?…仕方ないどすな…魔力消費が大きくて嫌やけど、やるしかありまへんな【極寒極致(アブュリードーン)】!」

今度は杖の黒水晶だけでなく、チェーンロッドが先端まで蒼く輝く!
「ビキッバキ!」魔装兵器(ガーディアン)を包んだ水球が絶対零度で氷りついた

「はぁ…はぁ…かなわんなぁ…1体倒すのに…こんなに魔法力を消費してたら…身が持ちませんえ…」

明らかにメリーズは総魔力が大きく低下していた。ソレを見て、覚悟を決めたミャンジャムが【ベイオネット】(マシンガンモード)に魔力を流し込む。撃ち出す弾は彼女の魔力から形成されるからだ

「うっらぁー!砕け散れーっ!」

クラウン城認定の聖騎士である彼女は、普段はその名前が示す通りの上品な女性なのだが…戦闘に入ると口調が一変する
「バキバキっ!!」数百発の魔法弾を撃ち込まれた魔装兵器(ガーディアン)が痙攣している

「コロス…」

間合いを詰めたのか?残りの3体が一気に距離を縮めて攻撃してきた!

「ヤラセないよ!」

アドルはクレリアソードに魔力を流して切れ味を増幅させ、その内の1体に斬り掛かった!そして、素早く残り2体のどちらかに攻撃する算段だった

「ひらっ!」かなりの速さのアドルの斬撃を、魔装機兵(ガーディアン)は無表情で避けた。その後、腕を振り上げアドルに狙いを定める

「くそっ!」

「ゲシッ!」避けた魔装機兵(ガーディアン)を蹴り飛ばしたアドル

「だーらっしゃーっ!」

ベイオネットをランスモードに切り替えたミャンジャムが、フリーの魔装機兵(ガーディアン)を貫いた

「ズガアッ!」ミャンジャムのランスも回避されそうになったが…彼女は回避して逃げる方向にランスの矛先を調整し、確実に胴体を貫いた

「ズドンッ!」

「グアァッ!!」残りの1体が、背後からアドルの胴体をサーベルで貫いた

「アドル!?…こいつ!アドルを離しやがれよおっ!」

ミャンジャムはアドルを貫いている魔装機兵(ガーディアン)に、ランスで襲い掛かるが今度は回避されてしまう


「【極寒間欠泉(アブュリードゲイザー)】!!」

ミャンジャムのマシンガンモードで吹き飛ばされていた魔装兵器(ガーディアン)が起き上がり、ミャンジャムを側面から襲おうと近寄っていたが…メリーズの極大氷系呪文で、足元から湧き上がる絶対零度の氷柱に閉じ込められた

「あかん…魔力切れどすわ…」

「バタン…」氷系の極大呪文を2つ立て続けに使ったメリーズは、魔力が枯渇しその場に倒れる様に気絶した
メリーズが倒れ、アドルも胴体を刺し貫かれてミャンジャムの目の前で倒れている。しかも、傷口から勢いよく血が溢れている

「邪魔なんだよ!お前はさぁ!」

回復魔法もS級のミャンジャムが、今すぐ治療に入れば間違いなくアドルを助けられるのだが…無傷の魔装機兵(ガーディアン)が2体、じーっとミャンジャムと向かい合っていて、アドルを治療する時間を与えてくれない

3体の新型魔装機兵(ガーディアン)を倒したものの、アドルが大怪我をしメリーズが魔力枯渇で倒れてしまい大ピンチの右翼部隊だが、アリスたちが居る本陣の目の前のブラックドラゴンが、その壮絶なチカラを発揮する

更に左翼のカルーアに狙いを付け潜む者。精鋭部隊の筈の彼らは地下1階層から、全滅のピンチを迎えていた



続く
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