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化け物たちとの遭遇編
誓いを捧げる乙女たち
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【消去の魔女の部屋】
優輝は有栖の部屋の中に居た
「ここが有栖に与えられた部屋?……うおぉ、すげぇ煌(きら)びやかで広い部屋だな!」
部屋の入り口には
【消去の魔女専用個室につき、迂闊に入る者は生命の覚悟をせよ!】
と描かれた鉄プレートが貼り付けてある。室内はゴージャスながらも飾り過ぎてごちゃごちゃしていない所から、彼女の性格が伺(うかが)えた
「どう、凄い部屋でしょ?一応、私は七人の魔女の中で最強!と認められているからね。私を抱え込んだベイからの配慮なのよ。それでね、今日から優輝はこの部屋で私と一緒に生活するのよ。良いかな?」
日本で売れてる建築屋の息子であった優輝は、一般市民に比べたら遥かに良い部屋に住んでいたのだが…この有栖の部屋は比較にならないほど素晴らしい部屋だ
「おほほ♪これだけで驚くのはまだ早いわよ優輝。コレを見て更に驚きなさい!」
すると有栖は、部屋の壁に埋め込まれている黒いプレートに、手のひらを当てた。すると…
「ฅ(º ロ º ฅ)おおっ!?シャンデリアや照明に灯りが着いた!…まさか、コレッて電気なのかよ?」
「( *¯ ꒳¯*)フフン♪私が開発した魔法力を電気に変換する装置よ。照明はモチロン、冷蔵庫も私の魔力で動いてるのよ♪どう、凄いでしょ?」
そう言うと、有栖は誇らしげな顔を浮かべながら、壁際に置かれている大きなソファーに腰を降ろした
「【天才少女徳川有栖】の名前は小さいから【伊勢市の鬼才】って聞いてたけど、コッチの世界でも有栖は凄いんだな…それもブッチギリに!」
「おほほほほほ!褒めるが良い!苦しゅうないぞ!わはははは(笑)……やっぱり日本を知る者相手に自慢すると清々(すがすが)しいわぁ!」
日本での活躍。並びに注目度を知ってる者に、更にコチラでの高待遇ぶりも1度は自慢したかった有栖。それが叶って上機嫌のようだ
「俺の部屋の3倍くらい広いな。そう言えばミントス達の部屋は?」
「客人用の8畳の部屋が共用で与えられてるわよ」
「そうか…凄い差を感じるけど…それなら大丈夫だな」
有栖の応接室は24畳ほどの部屋の広さ。更にお手洗い。バスルームが個別に付いているのを見せて自慢していた。城主専属で魔族最強の魔女と称される彼女の部屋は、そのままでも城主のベイの部屋に次ぐ豪華な部屋だが、地球の科学力をも融合されたその部屋は、この世界で最も優雅な部屋と言えるかも知れない
「コンコン!」
その時、彼女の部屋をknockする音がした
「おや?ベイ自ら訪問だなんて珍しいわね」
「えっ?そうなのか?」
「入って良いわよ」
「相変わらず扉を開ける前から誰が来ているのか分かるのだな。大したものだ」
有栖の言う通り、部屋に入って来たのはベイ。とアナンナだった
「今日はアナンナと一緒だなんて、更に珍しいわね。って事は私に何か用事なんでしょ?何かあった訳?」
「本当に察しが良いな有栖よ。優秀な魔女が専属で居てくれて嬉しい限りだ……これで放浪グセが無ければな……」
「オホン!で、2人して来訪とは何かな?」
「実はな有栖…………そのだな…」
いつも自信にあふれ堂々とした立ち振る舞いで、立派にしか見えないベイが少しキョドっていた
「どったの?拾い食いでもした?」
「するかっ!!俺は【ベイ・ガウザー様】なのだぞっ!!…はぁはぁ…真面目な話だ、有栖よ。俺とアナンナの見届け人になってはくれまいか?」
「はっ!?……ああぁ!ま、まさか」
「そうだ!俺はアナンナと結婚する事に決めた。ついてはお前に立ち会い人になってもらいたい」
魔族の上位の者は結婚式の時に「○○に仲を認められた新郎と新婦です」と言ううたい文句が入る
つまり、それなりの人物に2人の結婚を認められる必要があるのだ。ベイはソレを有栖に頼みに来たのだ
「へえぇ!経緯は分からないけど……良いんじゃないの。お似合いだと思うわ、良いでしょう!ベイとアナンナの立ち会い人。快(こころよ)く引き受けましょう!」
……………………………………………
「有栖よ、コレは何だ?」
「今からコレを使って2人の結婚式の予行演習をします」
「うっ!?そんな面倒臭い事をせねばならんのか?」
孤児から叩き上げで出世したベイ・ガウザーは、こういった儀式的なモノが不慣れだったし凄く嫌いなのだ
「当日もしてもらうんですけど…もし、当日に悪い結果が出たらカッコ付かないでしょうが!これは【真実のクリスタル】と呼ばれている物よ。さぁ、ベイ持ってくれる」
ロッドの先に親指サイズの透明なクリスタルが付けられているソレを持ったベイ
「立ち会い人としてお聞きします。城主ベイ・ガウザーよ!貴方はそこの女性アナンナを生涯愛することを誓いますか?」
「もちろんだ!嘘偽りなく誓う!」
ベイが返事をすると、彼の手にあるロッドの先のクリスタルが淡い光を放った
「なるほど。本心みたいね…では次はアナンナ、あなたの番よ。新婦アナンナよ、貴女は生涯ベイを愛することを誓いますか?」
「はい!この生命果てるまでベイ様を支え愛し抜く事を誓います!」
アナンナの時もベイの時と同様に、クリスタルは淡い光を放った!沈み行く夕陽をバックに、アナンナに握られたクリスタルが2人の行く末を照らすように輝いていた
「おめでとうさま、お2人さん!」
「うむ、礼を言うぞ。これで明後日の宴は2組の合同結婚披露宴となるな!」
「そうだね……あっ!?もしかしてベイったら、私の結婚報告にあてられちゃったのかな?」
「ふっ、そうかも知れんな(笑)」
「ベイ様、有栖様、ソレに優輝様。今後とも宜しくお願いしますね」
祝福されたアナンナは、眩しい笑顔を魅せていた
【エルドラ山脈岩場地帯】
「ふー、はぁ…」
アリスは全神経を集中させていた。自分を包み込むスケルトンモンスターと、ソレを指揮するメイジゴーストに囲まれている
「うぐっ…ぎっ…」
どうやらエリエスは、呪怨から逃れようと足掻いてはいるが、まだ抜け出せない様子
「大丈夫だよ。アタシぃ、エリエスちゃんや妹達を守れる女になるんだからぁ!」
今まで多対1の場面に遭遇してこなかったアリスは、かなり消耗し大量の汗をかき、肩で息をし始めていたが…目には強い意志を宿していた
形は違えど、ココにも自ら変わろうと誓いを立てる乙女が居た
続く
優輝は有栖の部屋の中に居た
「ここが有栖に与えられた部屋?……うおぉ、すげぇ煌(きら)びやかで広い部屋だな!」
部屋の入り口には
【消去の魔女専用個室につき、迂闊に入る者は生命の覚悟をせよ!】
と描かれた鉄プレートが貼り付けてある。室内はゴージャスながらも飾り過ぎてごちゃごちゃしていない所から、彼女の性格が伺(うかが)えた
「どう、凄い部屋でしょ?一応、私は七人の魔女の中で最強!と認められているからね。私を抱え込んだベイからの配慮なのよ。それでね、今日から優輝はこの部屋で私と一緒に生活するのよ。良いかな?」
日本で売れてる建築屋の息子であった優輝は、一般市民に比べたら遥かに良い部屋に住んでいたのだが…この有栖の部屋は比較にならないほど素晴らしい部屋だ
「おほほ♪これだけで驚くのはまだ早いわよ優輝。コレを見て更に驚きなさい!」
すると有栖は、部屋の壁に埋め込まれている黒いプレートに、手のひらを当てた。すると…
「ฅ(º ロ º ฅ)おおっ!?シャンデリアや照明に灯りが着いた!…まさか、コレッて電気なのかよ?」
「( *¯ ꒳¯*)フフン♪私が開発した魔法力を電気に変換する装置よ。照明はモチロン、冷蔵庫も私の魔力で動いてるのよ♪どう、凄いでしょ?」
そう言うと、有栖は誇らしげな顔を浮かべながら、壁際に置かれている大きなソファーに腰を降ろした
「【天才少女徳川有栖】の名前は小さいから【伊勢市の鬼才】って聞いてたけど、コッチの世界でも有栖は凄いんだな…それもブッチギリに!」
「おほほほほほ!褒めるが良い!苦しゅうないぞ!わはははは(笑)……やっぱり日本を知る者相手に自慢すると清々(すがすが)しいわぁ!」
日本での活躍。並びに注目度を知ってる者に、更にコチラでの高待遇ぶりも1度は自慢したかった有栖。それが叶って上機嫌のようだ
「俺の部屋の3倍くらい広いな。そう言えばミントス達の部屋は?」
「客人用の8畳の部屋が共用で与えられてるわよ」
「そうか…凄い差を感じるけど…それなら大丈夫だな」
有栖の応接室は24畳ほどの部屋の広さ。更にお手洗い。バスルームが個別に付いているのを見せて自慢していた。城主専属で魔族最強の魔女と称される彼女の部屋は、そのままでも城主のベイの部屋に次ぐ豪華な部屋だが、地球の科学力をも融合されたその部屋は、この世界で最も優雅な部屋と言えるかも知れない
「コンコン!」
その時、彼女の部屋をknockする音がした
「おや?ベイ自ら訪問だなんて珍しいわね」
「えっ?そうなのか?」
「入って良いわよ」
「相変わらず扉を開ける前から誰が来ているのか分かるのだな。大したものだ」
有栖の言う通り、部屋に入って来たのはベイ。とアナンナだった
「今日はアナンナと一緒だなんて、更に珍しいわね。って事は私に何か用事なんでしょ?何かあった訳?」
「本当に察しが良いな有栖よ。優秀な魔女が専属で居てくれて嬉しい限りだ……これで放浪グセが無ければな……」
「オホン!で、2人して来訪とは何かな?」
「実はな有栖…………そのだな…」
いつも自信にあふれ堂々とした立ち振る舞いで、立派にしか見えないベイが少しキョドっていた
「どったの?拾い食いでもした?」
「するかっ!!俺は【ベイ・ガウザー様】なのだぞっ!!…はぁはぁ…真面目な話だ、有栖よ。俺とアナンナの見届け人になってはくれまいか?」
「はっ!?……ああぁ!ま、まさか」
「そうだ!俺はアナンナと結婚する事に決めた。ついてはお前に立ち会い人になってもらいたい」
魔族の上位の者は結婚式の時に「○○に仲を認められた新郎と新婦です」と言ううたい文句が入る
つまり、それなりの人物に2人の結婚を認められる必要があるのだ。ベイはソレを有栖に頼みに来たのだ
「へえぇ!経緯は分からないけど……良いんじゃないの。お似合いだと思うわ、良いでしょう!ベイとアナンナの立ち会い人。快(こころよ)く引き受けましょう!」
……………………………………………
「有栖よ、コレは何だ?」
「今からコレを使って2人の結婚式の予行演習をします」
「うっ!?そんな面倒臭い事をせねばならんのか?」
孤児から叩き上げで出世したベイ・ガウザーは、こういった儀式的なモノが不慣れだったし凄く嫌いなのだ
「当日もしてもらうんですけど…もし、当日に悪い結果が出たらカッコ付かないでしょうが!これは【真実のクリスタル】と呼ばれている物よ。さぁ、ベイ持ってくれる」
ロッドの先に親指サイズの透明なクリスタルが付けられているソレを持ったベイ
「立ち会い人としてお聞きします。城主ベイ・ガウザーよ!貴方はそこの女性アナンナを生涯愛することを誓いますか?」
「もちろんだ!嘘偽りなく誓う!」
ベイが返事をすると、彼の手にあるロッドの先のクリスタルが淡い光を放った
「なるほど。本心みたいね…では次はアナンナ、あなたの番よ。新婦アナンナよ、貴女は生涯ベイを愛することを誓いますか?」
「はい!この生命果てるまでベイ様を支え愛し抜く事を誓います!」
アナンナの時もベイの時と同様に、クリスタルは淡い光を放った!沈み行く夕陽をバックに、アナンナに握られたクリスタルが2人の行く末を照らすように輝いていた
「おめでとうさま、お2人さん!」
「うむ、礼を言うぞ。これで明後日の宴は2組の合同結婚披露宴となるな!」
「そうだね……あっ!?もしかしてベイったら、私の結婚報告にあてられちゃったのかな?」
「ふっ、そうかも知れんな(笑)」
「ベイ様、有栖様、ソレに優輝様。今後とも宜しくお願いしますね」
祝福されたアナンナは、眩しい笑顔を魅せていた
【エルドラ山脈岩場地帯】
「ふー、はぁ…」
アリスは全神経を集中させていた。自分を包み込むスケルトンモンスターと、ソレを指揮するメイジゴーストに囲まれている
「うぐっ…ぎっ…」
どうやらエリエスは、呪怨から逃れようと足掻いてはいるが、まだ抜け出せない様子
「大丈夫だよ。アタシぃ、エリエスちゃんや妹達を守れる女になるんだからぁ!」
今まで多対1の場面に遭遇してこなかったアリスは、かなり消耗し大量の汗をかき、肩で息をし始めていたが…目には強い意志を宿していた
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