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化け物たちとの遭遇編
半幽半霊体との死闘
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【エルドラ山脈頂上】
今ここで生命の可能性を追い求めてきた者たちで、雌雄を決する戦いが行われていた
「ふぅ…良いものを見てしまいました。今後もアリスお姉様と愛を育まなければなりませんね。故に!私は貴方に負ける訳には行きません!」
「ふっふふふ…エルフ娘を眠らせた。とは言え1対1ならば勝てるとお思いなのですかっ!?愚かなり!…ですよ、お嬢さん
リッチーとは不老不死を探求する魔道士を指す言葉。その上位職メイジリッチーと呼ばれるまで探求したワシ様は、半端なく強いのですよ?」
超強力な魔法使いカルーアを奪還されたというのに、メイジリッチーは焦ることなく余裕の態度を魅せていた
「出(い)でよ!執行の鎌!」
メイジリッチーが両手を天に掲げると異空間が開き、そこから禍々しい闇の波動を纏(まと)った大鎌が現れた
(エリエス!あの大鎌から強力な吸収のチカラを感じます!気を付けて)
「生命力を吸う鎌…なの!?」
「おんや~!?初見でこの鎌のスキルを見抜きましたか?.......妙ですね…見たところ、貴女は15-16歳くらいにしか見えないのですが…
その知識!その剣術!とても見た目通りの人間が会得出来るとは思えませんが……ふむぅ…貴女もまた、ワシ様と同じく探求する存在なのですね?」
エリエスが基礎(ベース)型の超人類である事を知るはずも無いメイジリッチーだが、年齢に見合わずあまりにも強過ぎるエリエスが、自分と同じ様に普通の存在ではないと感じたようだ
「その通りです。だからこそ、今宵をもって貴方の歴史は終わります!」
エリエスはエクスカリバーにロマーニャの精霊力を流し込んだ。発光するエクスカリバー
「貴女の強さの秘密を解き明かせば、ワシ様の探求は更に飛躍する事でしょう!さぁ、ワシ様の礎(いしずえ)におなりなさい!」
大鎌を構えたメイジリッチーは、ホバリング程度に浮き上がるとエリエス目掛けて突っ込んで来た
「突っ込んで来た!?」
(何か策があるのでしょうね…警戒しなくては!)
エリエスはメイジリッチーの攻撃には裏が有ると読んでいた。戦士としてもSランクであるエリエスに、いかに強力な大鎌を持とうが魔道士の彼に勝機など有るハズもないのは、自分(エリエス)もメイジリッチーも理解していて当然なのだから
エリエスの間合いにメイジリッチーが入る直前、彼はその脚を地面に擦って蹴り上がる様な動きをした
「【濁流衝撃土(ドラッシュガン)】!」
彼の足の動きに合わせて彼の足元周辺の土と岩が浮き上がり、エリエス目掛けて濁流の様に襲ってきた!
「そういう事かっ!はあぁ…せやあっ!」
エリエスはエクスカリバーに精霊力を更に流し込み、飛んで来る土と岩を吹き飛ばした
「ふぐっ!?」
全てを処理するまでには及ばず小岩がエリエスの頬を直撃し、左目の下から血が流れた
(今でーす!)
メイジリッチーは【濁流衝撃土(ドラッシュガン)】で攻撃しただけでなく、目くらましにも利用し彼女の背後から大鎌を振り下ろす
(エリエス!後ろから来ます!)
ロマーニャの視界も共有出来るエリエスは、背後からの攻撃を肉眼で視認する事なく回避する
「ぬぁんですとっ!?」
エリエスのそのスキルを知らないメイジリッチーは、必殺のタイミングの攻撃を避けられた事に動揺する
「終わりですっ!」
エリエスは背後に浮かぶメイジリッチーを、エクスカリバーで一刀両断にした!!
「えっ!?嘘ぉ?」
離れた位置で見守っていたアリスが驚きの声を上げた
「コレは!?…一体どういう事ですの?斬った感触がまるで有りませんでしたわ…」
斬られたハズのメイジリッチーは、何事も無かったように宙に浮いている
「んーふっふっふ!そのソードが怪しい光を纏っていましたので、100%の自信が持てませんでしたが…やはり!ワシ様にダメージを与えるのは不可能な様ですねぇ!」
エリエスの斬撃でNOダメージだった事を確認した彼は、高らかに笑っている
(エリエス。どうやら奴は半幽半霊体の様ですね)
「奴はアストラルバディって存在なの!?ソレは厄介ね…」
「んうぅ!?やはり貴女は不可思議な存在ですねぇ!その若さでありながら、今の斬撃だけでワシ様の長年の探求の産物を見抜けるなんて、貴女は一体何者なのですかっ?」
「サーシャ、アストラルバディって何なのぉ?」
「サーシャも聞いた程度で自信は無いのですけれど…半分幽霊で実体が無い身体でありながら、半分肉体を持つ実体でもある存在だとか…」
「そこの回復師、貴女も中々の博識ですね。良いでしょう!ワシ様の探求の結晶とも言えるこの【半幽半霊体(アストラルバディ)】は、基本的に剣撃も魔法も受け付けない幽体でありながら、ワシ様が攻撃する時にだけ実体化出来るのでーすっ!」
エリエスのエクスカリバーでの斬撃でもNOダメージだった事に気分を良くしたメイジリッチーは、自分の肉体の秘密を自慢げに披露した
「何ソレぇ!ずっこいよぉ!」
【攻撃して良い者は攻撃される覚悟のある者だけ】
その格言が示す様に、人に刃を振るうという事は、自分自身もヤラれる可能性を持ち合わせる事が戦いの常識なのだが…
このメイジリッチーは長年の探求の成果で、その理(ことわり)を凌駕する肉体を手に入れた様だ
「そんなふざけた存在との戦闘マニュアルはプログラムされていません。コレは…困りましたわ…」
自分に都合良く、肉体と幽体を使い分けれるメイジリッチーの脅威に立ち向かわなければならないエリエスに勝機は有るのだろうか…
続く
今ここで生命の可能性を追い求めてきた者たちで、雌雄を決する戦いが行われていた
「ふぅ…良いものを見てしまいました。今後もアリスお姉様と愛を育まなければなりませんね。故に!私は貴方に負ける訳には行きません!」
「ふっふふふ…エルフ娘を眠らせた。とは言え1対1ならば勝てるとお思いなのですかっ!?愚かなり!…ですよ、お嬢さん
リッチーとは不老不死を探求する魔道士を指す言葉。その上位職メイジリッチーと呼ばれるまで探求したワシ様は、半端なく強いのですよ?」
超強力な魔法使いカルーアを奪還されたというのに、メイジリッチーは焦ることなく余裕の態度を魅せていた
「出(い)でよ!執行の鎌!」
メイジリッチーが両手を天に掲げると異空間が開き、そこから禍々しい闇の波動を纏(まと)った大鎌が現れた
(エリエス!あの大鎌から強力な吸収のチカラを感じます!気を付けて)
「生命力を吸う鎌…なの!?」
「おんや~!?初見でこの鎌のスキルを見抜きましたか?.......妙ですね…見たところ、貴女は15-16歳くらいにしか見えないのですが…
その知識!その剣術!とても見た目通りの人間が会得出来るとは思えませんが……ふむぅ…貴女もまた、ワシ様と同じく探求する存在なのですね?」
エリエスが基礎(ベース)型の超人類である事を知るはずも無いメイジリッチーだが、年齢に見合わずあまりにも強過ぎるエリエスが、自分と同じ様に普通の存在ではないと感じたようだ
「その通りです。だからこそ、今宵をもって貴方の歴史は終わります!」
エリエスはエクスカリバーにロマーニャの精霊力を流し込んだ。発光するエクスカリバー
「貴女の強さの秘密を解き明かせば、ワシ様の探求は更に飛躍する事でしょう!さぁ、ワシ様の礎(いしずえ)におなりなさい!」
大鎌を構えたメイジリッチーは、ホバリング程度に浮き上がるとエリエス目掛けて突っ込んで来た
「突っ込んで来た!?」
(何か策があるのでしょうね…警戒しなくては!)
エリエスはメイジリッチーの攻撃には裏が有ると読んでいた。戦士としてもSランクであるエリエスに、いかに強力な大鎌を持とうが魔道士の彼に勝機など有るハズもないのは、自分(エリエス)もメイジリッチーも理解していて当然なのだから
エリエスの間合いにメイジリッチーが入る直前、彼はその脚を地面に擦って蹴り上がる様な動きをした
「【濁流衝撃土(ドラッシュガン)】!」
彼の足の動きに合わせて彼の足元周辺の土と岩が浮き上がり、エリエス目掛けて濁流の様に襲ってきた!
「そういう事かっ!はあぁ…せやあっ!」
エリエスはエクスカリバーに精霊力を更に流し込み、飛んで来る土と岩を吹き飛ばした
「ふぐっ!?」
全てを処理するまでには及ばず小岩がエリエスの頬を直撃し、左目の下から血が流れた
(今でーす!)
メイジリッチーは【濁流衝撃土(ドラッシュガン)】で攻撃しただけでなく、目くらましにも利用し彼女の背後から大鎌を振り下ろす
(エリエス!後ろから来ます!)
ロマーニャの視界も共有出来るエリエスは、背後からの攻撃を肉眼で視認する事なく回避する
「ぬぁんですとっ!?」
エリエスのそのスキルを知らないメイジリッチーは、必殺のタイミングの攻撃を避けられた事に動揺する
「終わりですっ!」
エリエスは背後に浮かぶメイジリッチーを、エクスカリバーで一刀両断にした!!
「えっ!?嘘ぉ?」
離れた位置で見守っていたアリスが驚きの声を上げた
「コレは!?…一体どういう事ですの?斬った感触がまるで有りませんでしたわ…」
斬られたハズのメイジリッチーは、何事も無かったように宙に浮いている
「んーふっふっふ!そのソードが怪しい光を纏っていましたので、100%の自信が持てませんでしたが…やはり!ワシ様にダメージを与えるのは不可能な様ですねぇ!」
エリエスの斬撃でNOダメージだった事を確認した彼は、高らかに笑っている
(エリエス。どうやら奴は半幽半霊体の様ですね)
「奴はアストラルバディって存在なの!?ソレは厄介ね…」
「んうぅ!?やはり貴女は不可思議な存在ですねぇ!その若さでありながら、今の斬撃だけでワシ様の長年の探求の産物を見抜けるなんて、貴女は一体何者なのですかっ?」
「サーシャ、アストラルバディって何なのぉ?」
「サーシャも聞いた程度で自信は無いのですけれど…半分幽霊で実体が無い身体でありながら、半分肉体を持つ実体でもある存在だとか…」
「そこの回復師、貴女も中々の博識ですね。良いでしょう!ワシ様の探求の結晶とも言えるこの【半幽半霊体(アストラルバディ)】は、基本的に剣撃も魔法も受け付けない幽体でありながら、ワシ様が攻撃する時にだけ実体化出来るのでーすっ!」
エリエスのエクスカリバーでの斬撃でもNOダメージだった事に気分を良くしたメイジリッチーは、自分の肉体の秘密を自慢げに披露した
「何ソレぇ!ずっこいよぉ!」
【攻撃して良い者は攻撃される覚悟のある者だけ】
その格言が示す様に、人に刃を振るうという事は、自分自身もヤラれる可能性を持ち合わせる事が戦いの常識なのだが…
このメイジリッチーは長年の探求の成果で、その理(ことわり)を凌駕する肉体を手に入れた様だ
「そんなふざけた存在との戦闘マニュアルはプログラムされていません。コレは…困りましたわ…」
自分に都合良く、肉体と幽体を使い分けれるメイジリッチーの脅威に立ち向かわなければならないエリエスに勝機は有るのだろうか…
続く
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