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化け物たちとの遭遇編
狙われたカルーア
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【霧の中の集落】
サーシャは必死になってカルーアを探していたが…彼女を見付けられなかった
「はぁはぁ…どうして見付からないんですの?離れてから1分と差が無いはずですのに…」
焦るサーシャ。その背後に忍び寄る影…
……………………………………………
カルーアはミオランダと名乗る少女と向き合っていた
「キミは何をしに、わたしに会いに来たんだい?わたしの方には、キミと会わなければならない理由が思い当たらないんだけど?」
「ふはは。忘れているのか…無理もないか…かれこれ400年以上の月日が過ぎているしな…教えてあげるのは簡単だけど…お互いがどれだけ成長したか?を見てから考えさせてもらう!」
そう言うとミオランダは両手を天に向けて掲げた。まるで祈りをささげるように…すると、彼女の両手の平の上に黒い剣が姿を現した
「久しぶりだな…共に戦おう!」
(現れた剣に対して戦う、と言った。誰と戦うつもりなのか…それはモチロン、わたしの事だよね!)
ミオランダは自分と戦う気でいる。そう確信したカルーアは魔力を高め始めた
(彼女からはタダならぬ強さを感じる!悪い予感しかしないな…久しぶりに【妖精の指輪】を使おう)
カルーアは、初めてアドルに会った日に、今は亡き妖精のリリアから詫びに。と、もらった妖精の指輪を久しぶりに使う気だ
右手で黒い剣を持っているミオランダは、空いている左手のひらをカルーアに向けた
「カルーアだったね。貴女が本気で戦うに値する相手だと認められたら、私の知る全てを話す。それで良いかな?」
「キミのその言い方だと、わたしに選択権が有るようには思えないね。嫌だ、と言ってもヤル気なんだろう?」
堂々とカルーアに言い放つ彼女と、激しい戦いになる予感がしてならないカルーア。彼女は緊張で妖精の指輪を握る手に汗をかいている
「確かに!それはそうだ…最悪、再会直後に今生の別れになるかも知れないね。じゃあ、行かせてもらうよ!」
彼女が素早く剣を振り下ろすと、強い衝撃波がカルーア目掛けて飛んできた!
「バキャアン!」
カルーアは【浮遊飛行(レベテート)】で素早く避ける。空き家にぶつかった衝撃波は、ぶつかった空き家を大きく破壊した!
「なんて威力だよ!直撃されたら、わたしの身体がグチャグチャになっちゃうじゃないか!」
魔法使い系であるカルーアは、戦士系に近寄られる事は死を意味する!彼女と距離を取りながら、反撃する機会を伺(うかが)っていた
【メイジリッチーの老人】
サーシャの背後から声を掛けてきたのは…昨日倒したハズの【半幽半霊体(アストラルバディ)】の身体を持つ老人だった
「貴方…まだ生きてましたの?」
「ワシ様の肉体側は破壊されましたが、幽体側はまだ消滅していません。もう少しの間、コチラの世界に居られます!…時期にお別れになりますけどね!なーはっはっは!」
老人は昨日の恐ろしい雰囲気とはガラッと違い、陽気でよく喋る老人だった
「貴女は、昨日ワシ様が一時的に支配下に置いたあのハイエルフを探しているのでしょう?いえね、昨日の非礼の詫びに彼女と会う手伝いをさせて頂こうと思い、馳せ参じた次第でありますよ!」
驚いたことに老人は昨日、一方的に攻撃してきておきながら、今日は真逆なことに協力しようと言うのだ
「昨日、貴方からされたことを思うと信じるのは難しいですの……けれど、貴方に協力を頼んででもカルーアお姉さまを見付けたいですの!」
本当なら信用出来るはずも無いのだが、エリスア様から授かった高い魔力による魔法探知でもカルーアを見付けられないサーシャは、藁(わら)をも掴む想いでお願いした
「ハイエルフはこの集落に居ますが、ここには居ません!」
「どういう事ですの?」
「場所的にはココなのですが…時間的に別の世界に居るようです。いわゆる過去というヤツですよ。ご案内しましょう!……Lady。お手を拝借しまーす!」
【半幽半霊体(アストラルバディ)】の老人は、サーシャの手を掴むと空間に溶け込む様に、別の世界へとサーシャと共に姿を消した
「どうしたの!ナゼ反撃してこない?……貴女はまだ覚醒してから日が浅いのですか?」
カルーアが近くに居ることを理解しているミオランダは、敢えて聞こえるような大きな声で語っていた
「【雷光暴龍(ジャムルテスラ)】!」
空き家と空き家の間から姿を見せたカルーアは、雷撃系の上級魔法を彼女に向けて放った!
「やるじゃないか!はあぁぁぁっ!」
10体以上の雷龍に襲われるミオランダ。しかし、彼女は突風のような速度で動くと…カルーアが放った雷龍を全て叩き斬っていた!
(彼女の剣戟!?…いや、違うか!?彼女の持つ剣が風を纏(まと)っているのか?…あっ!?)
ミオランダはカルーアが放った雷龍を全て処理すると、また衝撃波で攻撃してきた
「バッゴォォォン!」
カルーアが彼女の衝撃波を避けるたび、周りの空き家が崩壊していく!
「何とか、あの魔法を当てるしかないか!」
ミオランダは適当に攻撃していた訳ではなかった
「くっ!?追い詰められた!まさか、誘導されてたのかい?」
「くくく……400年以上も再会を待ち望んでいたのに、もう終わりそうじゃないか!…非常に残念です!」
今度はかなり近い位置から撃たれた衝撃波が、袋小路に追い詰められたカルーアに迫っていた
「さぁ、まだ手の内が見せてご覧なさい!」
「くっ…好き勝手に攻撃しておいて、好き勝手なことを言ってくれるじゃないか!」
高いレベルでの、一対一の戦闘経験の無いカルーア。しかも相手は格闘大会に出ても、ブッチギリで優勝候補と呼ばれて当然な強さだ。イキナリ襲われたカルーアに勝機はあるのか?
続く
サーシャは必死になってカルーアを探していたが…彼女を見付けられなかった
「はぁはぁ…どうして見付からないんですの?離れてから1分と差が無いはずですのに…」
焦るサーシャ。その背後に忍び寄る影…
……………………………………………
カルーアはミオランダと名乗る少女と向き合っていた
「キミは何をしに、わたしに会いに来たんだい?わたしの方には、キミと会わなければならない理由が思い当たらないんだけど?」
「ふはは。忘れているのか…無理もないか…かれこれ400年以上の月日が過ぎているしな…教えてあげるのは簡単だけど…お互いがどれだけ成長したか?を見てから考えさせてもらう!」
そう言うとミオランダは両手を天に向けて掲げた。まるで祈りをささげるように…すると、彼女の両手の平の上に黒い剣が姿を現した
「久しぶりだな…共に戦おう!」
(現れた剣に対して戦う、と言った。誰と戦うつもりなのか…それはモチロン、わたしの事だよね!)
ミオランダは自分と戦う気でいる。そう確信したカルーアは魔力を高め始めた
(彼女からはタダならぬ強さを感じる!悪い予感しかしないな…久しぶりに【妖精の指輪】を使おう)
カルーアは、初めてアドルに会った日に、今は亡き妖精のリリアから詫びに。と、もらった妖精の指輪を久しぶりに使う気だ
右手で黒い剣を持っているミオランダは、空いている左手のひらをカルーアに向けた
「カルーアだったね。貴女が本気で戦うに値する相手だと認められたら、私の知る全てを話す。それで良いかな?」
「キミのその言い方だと、わたしに選択権が有るようには思えないね。嫌だ、と言ってもヤル気なんだろう?」
堂々とカルーアに言い放つ彼女と、激しい戦いになる予感がしてならないカルーア。彼女は緊張で妖精の指輪を握る手に汗をかいている
「確かに!それはそうだ…最悪、再会直後に今生の別れになるかも知れないね。じゃあ、行かせてもらうよ!」
彼女が素早く剣を振り下ろすと、強い衝撃波がカルーア目掛けて飛んできた!
「バキャアン!」
カルーアは【浮遊飛行(レベテート)】で素早く避ける。空き家にぶつかった衝撃波は、ぶつかった空き家を大きく破壊した!
「なんて威力だよ!直撃されたら、わたしの身体がグチャグチャになっちゃうじゃないか!」
魔法使い系であるカルーアは、戦士系に近寄られる事は死を意味する!彼女と距離を取りながら、反撃する機会を伺(うかが)っていた
【メイジリッチーの老人】
サーシャの背後から声を掛けてきたのは…昨日倒したハズの【半幽半霊体(アストラルバディ)】の身体を持つ老人だった
「貴方…まだ生きてましたの?」
「ワシ様の肉体側は破壊されましたが、幽体側はまだ消滅していません。もう少しの間、コチラの世界に居られます!…時期にお別れになりますけどね!なーはっはっは!」
老人は昨日の恐ろしい雰囲気とはガラッと違い、陽気でよく喋る老人だった
「貴女は、昨日ワシ様が一時的に支配下に置いたあのハイエルフを探しているのでしょう?いえね、昨日の非礼の詫びに彼女と会う手伝いをさせて頂こうと思い、馳せ参じた次第でありますよ!」
驚いたことに老人は昨日、一方的に攻撃してきておきながら、今日は真逆なことに協力しようと言うのだ
「昨日、貴方からされたことを思うと信じるのは難しいですの……けれど、貴方に協力を頼んででもカルーアお姉さまを見付けたいですの!」
本当なら信用出来るはずも無いのだが、エリスア様から授かった高い魔力による魔法探知でもカルーアを見付けられないサーシャは、藁(わら)をも掴む想いでお願いした
「ハイエルフはこの集落に居ますが、ここには居ません!」
「どういう事ですの?」
「場所的にはココなのですが…時間的に別の世界に居るようです。いわゆる過去というヤツですよ。ご案内しましょう!……Lady。お手を拝借しまーす!」
【半幽半霊体(アストラルバディ)】の老人は、サーシャの手を掴むと空間に溶け込む様に、別の世界へとサーシャと共に姿を消した
「どうしたの!ナゼ反撃してこない?……貴女はまだ覚醒してから日が浅いのですか?」
カルーアが近くに居ることを理解しているミオランダは、敢えて聞こえるような大きな声で語っていた
「【雷光暴龍(ジャムルテスラ)】!」
空き家と空き家の間から姿を見せたカルーアは、雷撃系の上級魔法を彼女に向けて放った!
「やるじゃないか!はあぁぁぁっ!」
10体以上の雷龍に襲われるミオランダ。しかし、彼女は突風のような速度で動くと…カルーアが放った雷龍を全て叩き斬っていた!
(彼女の剣戟!?…いや、違うか!?彼女の持つ剣が風を纏(まと)っているのか?…あっ!?)
ミオランダはカルーアが放った雷龍を全て処理すると、また衝撃波で攻撃してきた
「バッゴォォォン!」
カルーアが彼女の衝撃波を避けるたび、周りの空き家が崩壊していく!
「何とか、あの魔法を当てるしかないか!」
ミオランダは適当に攻撃していた訳ではなかった
「くっ!?追い詰められた!まさか、誘導されてたのかい?」
「くくく……400年以上も再会を待ち望んでいたのに、もう終わりそうじゃないか!…非常に残念です!」
今度はかなり近い位置から撃たれた衝撃波が、袋小路に追い詰められたカルーアに迫っていた
「さぁ、まだ手の内が見せてご覧なさい!」
「くっ…好き勝手に攻撃しておいて、好き勝手なことを言ってくれるじゃないか!」
高いレベルでの、一対一の戦闘経験の無いカルーア。しかも相手は格闘大会に出ても、ブッチギリで優勝候補と呼ばれて当然な強さだ。イキナリ襲われたカルーアに勝機はあるのか?
続く
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