ようこそ幼い嫁候補たち ②

龍之介21時

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化け物たちとの遭遇編

カルーアのヤキモチ

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【アルバート家キッチン】
三姉妹たちが帰ったので稽古をやめて室内に戻ったヨシュアたち。ミルが用意してくれた飲食物を消化しながら、ハイミスリル採掘の時の報告がなされた

まずはアリスから、山脈の頂上裏手に生えていること。次にエリエスから一軒家で襲ってきたメイジリッチーの件

…………………………

「半幽半霊体(アストラバディ)か…親から話には聞いていたけどよ、本当に会得してた奴が居やがったんだな…」

「しかも~そんなヤバそうな人に襲われるなんて~なんて~ついていないのかしら~」

元魔王のもとで暮らしていたヨシュアとエルデスも、噂には聞いていた程度のようだ。そして、カルーアから12人の超人類を撃破した獣神とソレを招き入れたミオランダ。彼女にカルーア自身が狙われた説明をした

「カルーア姉さんばかり先頭の中心になってるような気がします。心配になるよね、ね、ヒイロ?」
 

「はあ……また、カルーアなのか…」

リキュールに言われて、その事に気が付いたヒイロは深くため息をついた

「でも…ほとんど姉妹と一緒だから…別に…カルーアさんが狙われた…とも言えないの…ではないですか?」

ミルが申し訳ない程度に口を挟んだ
ソレをヨシュアが否定する

「それはそうだがよ…マルバァス戦で臥龍族から一緒に戦おうと誘われたのは、カルーアだろう?加えて言うならイシス防衛戦だったか?あの時も中心的役割の位置にカルーアが居たんだよな?」

「うん、そうだね。母さんの事もあったし…」

相槌をするカルーア

「更に最近一緒に行った古代遺跡でも、目を付けられたのはカルーアだろ。そして、エルドラドの…その半幽半霊体(アストラバディ)野郎が神官長で、ミオランダ戦士長からも目を付けられたのもカルーアだからな…って、おい!聞いてるのかよ!?」

珍しく語っているヨシュアだが、彼の話をちゃんと聞いていたのか?カルーアはヒイロを見つめていた

「そんな危険な目に、いつもカルーアばかりが選ばれて…俺は、気が気じゃないよ」

特に大きな戦いとなると中心人物、もしくはその付近に位置してしまうカルーアを心配しているヒイロだが…

「その気遣いは嬉しいんだけどさ…なんで、リキュールがヒイロの横でベッタリしてるのさ!」

「いや、これはだな…リキュールが妙に懐いてきてだな…」

「お姉さんが心を許したヒイロに、凄く興味が湧いたのです♪」

「と、言うことらしいんだ…」

帰ってから説明した話からも、今回もまたカルーアが1番危ない目にあったことは誰もが理解していた

(今わたしがヒイロの横で甘えたいのは、分かっているだろうにさ、なんだよ、もう!)

「仲良くするな!とは言わないさ。けどさ、必死に生き延びて生還できた時くらい、わたしを横に置いて甘やかしてくれても良いんじゃないかな?」
 

「確かになー、流石に俺でもそう思うわ」
「ヒイロさん~TPOは~考えた方が~良いと思いますね~」
「カルーアお姉様が可哀想ですの!」

ヨシュア、エルデス、サーシャからツッコミを受けてヒイロは考えた

「そうだな。なぁカルーア、少し外を散歩しないか?もちろん2人でだ」

「うん…良いよ…」

「..........................行ってらっしゃい」

みんなの前だと、まだ彼女が恥ずかしがるだろうと気を遣うヒイロ。その彼の気持ちを汲んだのか?2人を見送るリキュール

「あの…すいませんけど、シャワー借りても良いかな?ボク、汗でベタベタなんだ…」

「コハラコもお湯浴びしたいの!サーシャも入るの!」

「そうですね。とりあえず3人で汗を流しましょうか?その後でアリスお姉様、エリエスさんも使ってくださいですの」

ヨシュアにしごかれたカナタンとコハラコは、滝のように汗をかいたので話を聞いてる間に乾き始め、服が肌に密着し始めシースルーみたいに透けて肌が見え始めていた

「ゴキッ!!」

「痛ってぇなエルデス、何しやがんだ!」

「ヨシュアくんには~まだまだ目の毒ですからね~ジロジロ見てはイケませんよ~」

「ジロジロ見てねーよ!」

まるでエルデスは年の離れた姉のように、ヨシュアに対して過保護とも取れるような接し方をしている



【馬小屋の裏手】
ヒイロはだいぶ日が沈んできてるなか、カルーアを連れ出して話をしている

「気が回らなくて悪かった…何故だか今日は、妙に懐かれてしまってな…」

「もう良いよ…留守にしてる間、妹みたいなリキュールを頼むよ。ってお願いしたのは、わたしなんだしさ…あっ!?」

正直ヒイロはド叱られる覚悟をしていたが、自分を気遣い怒りを抑えてくれているカルーアの優しさに感激したので、無言で彼女を優しく抱きしめた

「やっぱりお前は良い女だな。俺が本当に好きなのはカルーアだけだよ」

「本当に?……じゃあさ、他の女の子にはあまり優しくしないで、わたしだけを甘やかしてくれる?」

カルーアを大好きな気持ちに嘘は無いヒイロ。とは言え、サーシャとの距離感もあるし、リキュールや他の女と上手く距離感を開けられるかは自信が無いようだ

「……それは、その…」

「……はぁ、もう!ヒイロは仕方ない人だね。わたしの方から鎖で繋いでおかないと駄目みたいだね!【ハイエルフのカルーアの尻に敷かれている、アルバート工房のヒイロ】って街中に広める必要があるみたいだね!……ぶくく(笑)」

「それは、ちょっと嫌だなぁ…」

「ヒイロに拒否権なんかないんだよ!」

カルーアが主導権を取る!という付き合いの形で、一応の話は付いた。そしてカルーアはヒイロの前に立ち、少し見上げる感じで静かに目を閉じた

「ほら、約束のシルシをおくれよ」
 

「お安い御用さ♪(*´³`*) ㄘゅ」

ヒイロは膝を折り、カルーアと同じ目線まで下げると彼女の後頭部をソッと掴んでキスをした

「…ん。帰宅した時わたしに優しく出来なかった罰として!…今夜は…ヒイロの部屋で2人きりで…たっぷり甘やかして…欲しいかな(笑)」

人馴れし始めた。とは言え、まだまだこういうセリフを口にするのは恥ずかしいカルーア

「良しっ!任せとけっ!」

「こういう事にだけは返事は速くてハッキリ言うんだから…もう!ヒイロってばさ!」


お互いの感情を確かめ合っていた2人。を、玄関の脇から見詰めるリキュール。更に彼女を遠目に見ているサーシャ

(カルーアお姉さまとリキュールちゃんの間で、何か起きなければ良いのですけど…)

成長型超人類としての妹リキュールの存在が、2人の絆に波紋を立てる日が近い!と予感するサーシャだった



続く
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