154 / 170
化け物たちとの遭遇編
初めての外泊デート
しおりを挟む
【アルバート家キッチン】
「ちょっとヨシュア。ソレはどういう事なんだい?」
ヒイロとの外泊とアリス、ヨシュア達のクエスト出発の話の全容がよく分からないカルーアは、彼に質問する
「コレが俺たちが借りた宿屋のKeyだ、コレを2人に貸してやるよ。今から2泊3日してくれば良いんじゃねーか?
代わりに俺たちは明日からエルドラ山脈へ1泊2日で、ハイミスリルの採取に向かう。もちろんエルデスとサーシャとコハラコ、それにリキュールも連れてだ。それなら気兼ねなく出掛けられるだろう?」
ヨシュアの提案の内容は…
アリスとヨシュアとエルデス、サーシャとコハラコ、それにリキュールの6人でエルドラ山脈に向かう
そのクエストから帰る日まで、カルーアとヒイロにプチ旅行を楽しんできたら良いだろ?と言う事だった
「ソレは名案だね!ね、ヒイロもそう思うよね!わー楽しみだね!早速、着替えの用意をしなきゃ!ヒイロも急いでよ!」
カルーア達三姉妹が半年前から、このアルバート工房で同居生活をする様になってから、義理とは言え三姉妹はほぼ毎日寝食を共にしていたので、カルーアはヒイロと2人で外泊などした事は無かった。ゆえに、その提案はカルーアをもの凄く楽しい気持ちにさせた
「良いのか?宿屋の部屋のKey借りてしまって?」
「もともとは~私たちの居候で~居住キャパを圧迫したことの解消の為に~借りた物ですから~遠慮なく使っていただきたいと~思いますよ~」
「決まりだな…じゃあ明日は朝食を食べたら出発するか…」
ヨシュアとエルデスは、この【ヘルメスの街】に移住する事に正直不安があったのだ。なにしろ、この街は人間側の街。魔族側である自分たちが、どの様な待遇を受けるのか?心配になるのも無理は無いだろう
しかし、アルバート家族は予想以上の高待遇で彼らに接してくれたのだ。その事に対してのお礼が含まれているのだ。しかし、そこに…
「待ってくださいませっ!それならばエリエスも連れて行ってください!お役に立ちますよ!」
風呂から上がって髪を乾かしていたエリエスが、自分もまた付いていく!と立候補した。聞くまでもなかったが、親愛なるアリスが恋人宣言しているヨシュアと1泊クエストに行くなんて黙っていられないのだろう。そんなエリエスの乙女心を察したサーシャ
「アリスお姉さまもモテモテですのね」
「モテモテですノ!」
「えっ!?どういう事ぉ?」
「お前よー、親の元に帰るんじゃなかったのかよっ!」
「ご報告と着替えを済ましたら、スグに戻ってきますわ!」
「わざわざ待ってなきゃイケねーのかよ!」
「少しくらい良いじゃないですか!」
アリスは自分を巡ってヨシュアとエリエスが対立している事に、全く気が付いていないようだ。仕方なくサーシャが折衷案を提示する
「前回の予想外の1泊追加で保存食や携行飲料が尽きてしまってますので、朝食の後にでも街に買い物に出掛けましょう!
帰ったら早めの昼食を食べてから出発しますの。そうすればエリエスさんも十分間に合うハズですの」
「ハズですの!」
とりあえずコハラコはサーシャの言葉の終わりの方だけでも、復唱するのが楽しいようだ
「ちっ、しゃーねーな。わーったよ」
「シャワーと着替えを済ませたら急いで来ますので、お待ちくださいね」
今回は自分がアリスと仲を深めるクエストに出来ると考えていたアリスの恋人宣言をしているヨシュアは、今回もエリエスが来ることに不満を隠せないようだ
反対にエリエスは、連続してアリスと仲を深める機会を得られたのが嬉しくて仕方ないようだ
「うんうん、どうやら話はまとまったみたいだね。ヒイロ、手荷物は揃ったかい?じゃあ出掛けようか♪♬」
アリスを巡るライバルがヒートアップしているのを余所目に、カルーアはヒイロとの初めての外泊デートでウキウキが止まらないのが見え見えだったが、本人は全く気にしていない
「お姉さんもヒイロさんも居ないクエストに出掛けなくてはイケないなんて…」
代わりにリキュールは、興味の対象ヒイロとカルーアの両方と別行動のクエストに不満気な顔をしていた
「リキュールさ~ん、2人の居ないところでスキルアップしておくのも~凄~く大切な事ですよ~」
「うっ……そうですね。経験不足なのは事実ですから…今回ばかりは皆さんに同行して鍛錬してきます」
「はっはっは!キミにはまだ男と男女の仲を育くむのは早いよ!まずは人生経験を積まないとね。ね、ヒイロ?」
「済まないなリキュール…だが、ここぞという場面で実力を出し切るのは難しい事なんだ。その時の為に修練は積んでも積んでも、やり過ぎって事はないからな。頑張ってこいよ。活躍報告を楽しみにしているからな!」
「まぁヒイロさんが、そう言うのでしたら…」
カルーアの姿、能力、ステータスをコピーして十分なチカラがあると言っても、実戦経験はスッカラカンなリキュール
上手くヒイロに誘導された事もあって、今回はやむなく了承する事にしたようだ
「ところでヨシュア君、エルデスさん。このKeyのホテルは何処にあるんですか?」
「それは~このアルバート家とは真逆の~街の東側の~商業エリアの向こうの~自然公園の脇のホテルですわ~」
「えっ!?ソコって高いんじゃ?」
「ヨシュア様を~チンケな宿に泊める訳にはいきませんから~必要経費なんです~」
「ありがとうヨシュア、エルデス!さぁヒイロ。もう出発しよう!わたし楽しみで仕方ないんだよ!」
カルーアは飛び切りの笑顔を見せている。人目が無ければヒイロにKissしてるとこだろう
「はいはい。分かりましたよ、お姉さん。私が帰るまでヒイロさんと楽しんできて下さいね。私もスグにヒイロさんの横に立ちますからね」
「ふふん。精々頑張るんだよ!」
「すまんなミル。留守番を頼んだぞ」
「は、はい…任せて…ください…」
元々ミルは、アルバート家族が総出で出掛けた場合の為の留守番役としてこの家に雇われていたので、コレが普通と言えばそうなのだが…想い人のサーシャとまた別々の場所なんだ。という気持ちはあったが、ソレを口にできる勇気は無かった
カルーアはみんなに挨拶を済ますとヒイロの腕を取り、腕組みしながらアルバート工房を後にした。ヒイロの横に立ち、彼の顔を見上げながら笑顔で歩いて行くカルーアは、初めての外泊デートに期待を膨らませていた
続く
「ちょっとヨシュア。ソレはどういう事なんだい?」
ヒイロとの外泊とアリス、ヨシュア達のクエスト出発の話の全容がよく分からないカルーアは、彼に質問する
「コレが俺たちが借りた宿屋のKeyだ、コレを2人に貸してやるよ。今から2泊3日してくれば良いんじゃねーか?
代わりに俺たちは明日からエルドラ山脈へ1泊2日で、ハイミスリルの採取に向かう。もちろんエルデスとサーシャとコハラコ、それにリキュールも連れてだ。それなら気兼ねなく出掛けられるだろう?」
ヨシュアの提案の内容は…
アリスとヨシュアとエルデス、サーシャとコハラコ、それにリキュールの6人でエルドラ山脈に向かう
そのクエストから帰る日まで、カルーアとヒイロにプチ旅行を楽しんできたら良いだろ?と言う事だった
「ソレは名案だね!ね、ヒイロもそう思うよね!わー楽しみだね!早速、着替えの用意をしなきゃ!ヒイロも急いでよ!」
カルーア達三姉妹が半年前から、このアルバート工房で同居生活をする様になってから、義理とは言え三姉妹はほぼ毎日寝食を共にしていたので、カルーアはヒイロと2人で外泊などした事は無かった。ゆえに、その提案はカルーアをもの凄く楽しい気持ちにさせた
「良いのか?宿屋の部屋のKey借りてしまって?」
「もともとは~私たちの居候で~居住キャパを圧迫したことの解消の為に~借りた物ですから~遠慮なく使っていただきたいと~思いますよ~」
「決まりだな…じゃあ明日は朝食を食べたら出発するか…」
ヨシュアとエルデスは、この【ヘルメスの街】に移住する事に正直不安があったのだ。なにしろ、この街は人間側の街。魔族側である自分たちが、どの様な待遇を受けるのか?心配になるのも無理は無いだろう
しかし、アルバート家族は予想以上の高待遇で彼らに接してくれたのだ。その事に対してのお礼が含まれているのだ。しかし、そこに…
「待ってくださいませっ!それならばエリエスも連れて行ってください!お役に立ちますよ!」
風呂から上がって髪を乾かしていたエリエスが、自分もまた付いていく!と立候補した。聞くまでもなかったが、親愛なるアリスが恋人宣言しているヨシュアと1泊クエストに行くなんて黙っていられないのだろう。そんなエリエスの乙女心を察したサーシャ
「アリスお姉さまもモテモテですのね」
「モテモテですノ!」
「えっ!?どういう事ぉ?」
「お前よー、親の元に帰るんじゃなかったのかよっ!」
「ご報告と着替えを済ましたら、スグに戻ってきますわ!」
「わざわざ待ってなきゃイケねーのかよ!」
「少しくらい良いじゃないですか!」
アリスは自分を巡ってヨシュアとエリエスが対立している事に、全く気が付いていないようだ。仕方なくサーシャが折衷案を提示する
「前回の予想外の1泊追加で保存食や携行飲料が尽きてしまってますので、朝食の後にでも街に買い物に出掛けましょう!
帰ったら早めの昼食を食べてから出発しますの。そうすればエリエスさんも十分間に合うハズですの」
「ハズですの!」
とりあえずコハラコはサーシャの言葉の終わりの方だけでも、復唱するのが楽しいようだ
「ちっ、しゃーねーな。わーったよ」
「シャワーと着替えを済ませたら急いで来ますので、お待ちくださいね」
今回は自分がアリスと仲を深めるクエストに出来ると考えていたアリスの恋人宣言をしているヨシュアは、今回もエリエスが来ることに不満を隠せないようだ
反対にエリエスは、連続してアリスと仲を深める機会を得られたのが嬉しくて仕方ないようだ
「うんうん、どうやら話はまとまったみたいだね。ヒイロ、手荷物は揃ったかい?じゃあ出掛けようか♪♬」
アリスを巡るライバルがヒートアップしているのを余所目に、カルーアはヒイロとの初めての外泊デートでウキウキが止まらないのが見え見えだったが、本人は全く気にしていない
「お姉さんもヒイロさんも居ないクエストに出掛けなくてはイケないなんて…」
代わりにリキュールは、興味の対象ヒイロとカルーアの両方と別行動のクエストに不満気な顔をしていた
「リキュールさ~ん、2人の居ないところでスキルアップしておくのも~凄~く大切な事ですよ~」
「うっ……そうですね。経験不足なのは事実ですから…今回ばかりは皆さんに同行して鍛錬してきます」
「はっはっは!キミにはまだ男と男女の仲を育くむのは早いよ!まずは人生経験を積まないとね。ね、ヒイロ?」
「済まないなリキュール…だが、ここぞという場面で実力を出し切るのは難しい事なんだ。その時の為に修練は積んでも積んでも、やり過ぎって事はないからな。頑張ってこいよ。活躍報告を楽しみにしているからな!」
「まぁヒイロさんが、そう言うのでしたら…」
カルーアの姿、能力、ステータスをコピーして十分なチカラがあると言っても、実戦経験はスッカラカンなリキュール
上手くヒイロに誘導された事もあって、今回はやむなく了承する事にしたようだ
「ところでヨシュア君、エルデスさん。このKeyのホテルは何処にあるんですか?」
「それは~このアルバート家とは真逆の~街の東側の~商業エリアの向こうの~自然公園の脇のホテルですわ~」
「えっ!?ソコって高いんじゃ?」
「ヨシュア様を~チンケな宿に泊める訳にはいきませんから~必要経費なんです~」
「ありがとうヨシュア、エルデス!さぁヒイロ。もう出発しよう!わたし楽しみで仕方ないんだよ!」
カルーアは飛び切りの笑顔を見せている。人目が無ければヒイロにKissしてるとこだろう
「はいはい。分かりましたよ、お姉さん。私が帰るまでヒイロさんと楽しんできて下さいね。私もスグにヒイロさんの横に立ちますからね」
「ふふん。精々頑張るんだよ!」
「すまんなミル。留守番を頼んだぞ」
「は、はい…任せて…ください…」
元々ミルは、アルバート家族が総出で出掛けた場合の為の留守番役としてこの家に雇われていたので、コレが普通と言えばそうなのだが…想い人のサーシャとまた別々の場所なんだ。という気持ちはあったが、ソレを口にできる勇気は無かった
カルーアはみんなに挨拶を済ますとヒイロの腕を取り、腕組みしながらアルバート工房を後にした。ヒイロの横に立ち、彼の顔を見上げながら笑顔で歩いて行くカルーアは、初めての外泊デートに期待を膨らませていた
続く
20
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる


