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化け物たちとの遭遇編
理解できないアリス
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【エルドラ山脈中腹】
「ひやうぅ!?スライムが…服を溶かして…身体を触って…入って来るの!!」
エルダースライムに飲み込まれたコハラコがピンチを迎えていた。困った事に、スライム系が苦手とする炎系の魔法を使える者が居ないのだ
たった5体のスライムが相手でしかないのだが…炎系の魔法やアイテムが無いだけで、本来かなりの上位パーティである彼女達も苦戦していた
「ひゃはぁぁ…ソコは出すとこなの!ソコから入ったら駄目なの……ママ…サーシャママぁ…」
既に取り込まれているコハラコは、打つ手がなくて軽くパニくっているようだ
「くっ、コハラコちゃん!」
アリスはコハラコを飲み込んでいるエルダースライムの中へ、自ら飛び込んで行った
「アリスお姉様っ!?」
炎系の魔法も技も持たないアリスが、コハラコを助ける為に飛び込んだのを目撃したエリエスは驚く
「えーいっ!」
アリスは獣人(ヴォイド)化して強化された腕力で、強引にコハラコをスライムの外へ放り投げた!
「氷結(アイスクル)!」スライムの中で氷結のスキルを使い、自分もろともスライムを半氷漬けにすると太い木を目がけて体当たりした
「とうっ!」
体当たりした衝撃で、スライムが一瞬動きを止めた隙をついて脱出するアリス
「森にうごめく闇の精霊たち…コハラコにチカラを貸して!…吸血姫(コハラコ)ビームっ!」
アリスの脱出を確認したコハラコは得意の目からビームを放ち、その熱量でスライムを焼く
ここ数日間のヨシュアとの訓練の中で、どっぷり闇属性である吸血姫なのだから、闇の精霊の加護を取り込んで強化する術を少しだが身につけていたようだ
「それですわっ!」
その倒し方を見たエリエスも、エクスカリバー・エリエスカスタムにロマーニャの精霊力で生成した火の精霊力を載せた剣戟を叩き込み、エルダースライムを討伐していった
「エルダースライムが~5体しか居なかっので~何とか~倒せましたね~」
エルデスの言うように、やはり魔法攻撃の無いパーティでは、いかにレベルが高くてもスライムは強敵に違いなかった
何とかエルダースライムを全滅させた彼女たちは、サーシャとヨシュアの合流を待った
【エルドラ山脈頂上の一軒家】
「それじゃハイラぁ、今回もお馬さん達のお守りをお願いするねぇ」
2人と合流した彼女たちは、前回と同様に中腹の襲われにくそうなポイントで認識阻害(ハードゥーン)を張り、中に馬2頭と狼(ハイラ)を入れ、水と食料(一日分)を置いて徒歩で頂上の一軒家に辿り着いた
「サーシャが脚を踏み入れた途端、とんでもなく恐ろしい視線に丸呑みされそうな恐怖を感じましたの!」
「俺でさえ、抵抗も出来ずに殺される!って思わされちまったぜ…アイツはやべぇぞ!」
合流して馬たちのケアをしてから、取り敢えずエルドラド王国跡の話は聞かずに一軒家を目指して辿り着いた彼女たちは、エルデスが用意してくれた紅茶を飲みながら、偵察に行った時の話を聞いたのだが…
「少なくともサーシャちゃんは、そのミオランダとか言う凄腕の少女剣士に認識されてしまっているのですね。なら、王国跡には2度と立ち入らない事ですね
にしても、私と良い勝負をしたヨシュアにまで、そこまでの恐怖心(プレッシャー)を与えるとは…とんでもない奴ですわ」
2人の話している時の表情から、ミオランダに観られているだけで2人が、どれだけ恐怖したのかをエリエスは読み取っていた
「良いですか~ヨシュア様も~2度と近付いてはイケませんよ~何かあったら~私の首も飛ぶんですからね~……ヨシュア様まで~そのミオランダという人に~認識されてなければ~良いのですけどね~」
ヨシュアの保護者エルデスも、そんな相手から無事に帰ってきてくれた事で心底、安心しているようだ
「ひと息付けましたし、晩ご飯の用意を致しますの。その後にお風呂を済ませたら明日の採掘に備えて、今日は早く寝ましょうなの」
「寝ましょうなの!」
……………………………………………
晩ご飯を済ませた6人
エルダースライムに丸呑みされて、まだ身体がベタベタするコハラコと共にサーシャはお風呂場に向かった
エルデスが食器洗いを始めたので、アリスもソレを手伝いに向かった。その間ヨシュアがエリエスに、ミオランダから受けたプレッシャーの程を細かく伝えていた
(なんだぁ、心配するほど仲が悪い訳でもないんだねぇ…)
打ち合わせするヨシュアとエリエスは、歴戦の戦士同士が真剣に打ち合わせをしている様な表情だったので、一安心して食器を洗いに行ったアリスだったが…
「なんだと、てめえっ!」
「坊やは控えてなさいな!」
食器洗いから戻ると、結局ヨシュアとエリエスは揉めに揉めていた
「もぉ~結局ケンカしてるぅ!なんでぇ、そんなに仲が悪いのよぉ?」
仲良くしてくれない2人にアリスが問い掛ける。2人の意見を聞いて考えてはみたのだが…答えを見いだせないアリスはベッドに寝転がった
「だったら3人で仲良くぅ、お風呂に入れば良いんじゃなぁいぃ?」
「なんで超人類と一緒になんだよ!」
「こんな坊やに、アリスお姉様の裸体を拝ませるなんてイケませんわ!」
(わかんないなぁ…アタシと仲良くしたいのならぁ…3人でお風呂に入れば良いんじゃないかなぁ…)
元々オープンな性格のアリスは、誰かと一緒に入浴して裸を見られても言うほど恥ずかしがりはしない(赤の他人に見られるのは当然、嫌なのだが…)
それと同様に揉めているのは、2人のドチラがアリスと同じベッドで寝るか?だった。この一軒家にはダブルサイズのベッドが2つあるので、サーシャとコハラコがひとつのダブルベッドを使うのは確定だ
残りひとつをアリスとドチラかが、もうひとつのベッドを使い、残った2人が床に布団を敷いて寝るか?が論点になっていた
「ママ…おっパイ大きいノ!」
「コハラコ、頑張ったって聞きましたの。偉いですよ、頑張ったね!」
2人、特にコハラコがサーシャにジャれていたので長めになってしまった入浴を終えて、ようやく出てきた
「ねぇ…結局どっちがアタシと一緒に入るのぉ?」
「俺に決まってるだろ!」
「坊やには早いですって!」
相変わらず2人は譲る気もなく揉め続けていた。その様子を横目にエルデスは、自分の分ともう1人の為の布団を敷いた
「私はお先に~眠らせてもらいますね~」
待っていても答えが出るのに時間が掛かりそうだったので、布団を敷き終えたエルデスは先に眠りにつくのだった
「明日も早いんだからァ、早く寝たいよぉ…」
「俺様がアリスと寝るんだよっ!」
「お姉様にエッチな悪戯はさせませんわ!」
エルドラ山脈の山頂のログハウス内から、アリスと一緒に寝る役を譲らない2人の声がしばらく響いていた
続く
「ひやうぅ!?スライムが…服を溶かして…身体を触って…入って来るの!!」
エルダースライムに飲み込まれたコハラコがピンチを迎えていた。困った事に、スライム系が苦手とする炎系の魔法を使える者が居ないのだ
たった5体のスライムが相手でしかないのだが…炎系の魔法やアイテムが無いだけで、本来かなりの上位パーティである彼女達も苦戦していた
「ひゃはぁぁ…ソコは出すとこなの!ソコから入ったら駄目なの……ママ…サーシャママぁ…」
既に取り込まれているコハラコは、打つ手がなくて軽くパニくっているようだ
「くっ、コハラコちゃん!」
アリスはコハラコを飲み込んでいるエルダースライムの中へ、自ら飛び込んで行った
「アリスお姉様っ!?」
炎系の魔法も技も持たないアリスが、コハラコを助ける為に飛び込んだのを目撃したエリエスは驚く
「えーいっ!」
アリスは獣人(ヴォイド)化して強化された腕力で、強引にコハラコをスライムの外へ放り投げた!
「氷結(アイスクル)!」スライムの中で氷結のスキルを使い、自分もろともスライムを半氷漬けにすると太い木を目がけて体当たりした
「とうっ!」
体当たりした衝撃で、スライムが一瞬動きを止めた隙をついて脱出するアリス
「森にうごめく闇の精霊たち…コハラコにチカラを貸して!…吸血姫(コハラコ)ビームっ!」
アリスの脱出を確認したコハラコは得意の目からビームを放ち、その熱量でスライムを焼く
ここ数日間のヨシュアとの訓練の中で、どっぷり闇属性である吸血姫なのだから、闇の精霊の加護を取り込んで強化する術を少しだが身につけていたようだ
「それですわっ!」
その倒し方を見たエリエスも、エクスカリバー・エリエスカスタムにロマーニャの精霊力で生成した火の精霊力を載せた剣戟を叩き込み、エルダースライムを討伐していった
「エルダースライムが~5体しか居なかっので~何とか~倒せましたね~」
エルデスの言うように、やはり魔法攻撃の無いパーティでは、いかにレベルが高くてもスライムは強敵に違いなかった
何とかエルダースライムを全滅させた彼女たちは、サーシャとヨシュアの合流を待った
【エルドラ山脈頂上の一軒家】
「それじゃハイラぁ、今回もお馬さん達のお守りをお願いするねぇ」
2人と合流した彼女たちは、前回と同様に中腹の襲われにくそうなポイントで認識阻害(ハードゥーン)を張り、中に馬2頭と狼(ハイラ)を入れ、水と食料(一日分)を置いて徒歩で頂上の一軒家に辿り着いた
「サーシャが脚を踏み入れた途端、とんでもなく恐ろしい視線に丸呑みされそうな恐怖を感じましたの!」
「俺でさえ、抵抗も出来ずに殺される!って思わされちまったぜ…アイツはやべぇぞ!」
合流して馬たちのケアをしてから、取り敢えずエルドラド王国跡の話は聞かずに一軒家を目指して辿り着いた彼女たちは、エルデスが用意してくれた紅茶を飲みながら、偵察に行った時の話を聞いたのだが…
「少なくともサーシャちゃんは、そのミオランダとか言う凄腕の少女剣士に認識されてしまっているのですね。なら、王国跡には2度と立ち入らない事ですね
にしても、私と良い勝負をしたヨシュアにまで、そこまでの恐怖心(プレッシャー)を与えるとは…とんでもない奴ですわ」
2人の話している時の表情から、ミオランダに観られているだけで2人が、どれだけ恐怖したのかをエリエスは読み取っていた
「良いですか~ヨシュア様も~2度と近付いてはイケませんよ~何かあったら~私の首も飛ぶんですからね~……ヨシュア様まで~そのミオランダという人に~認識されてなければ~良いのですけどね~」
ヨシュアの保護者エルデスも、そんな相手から無事に帰ってきてくれた事で心底、安心しているようだ
「ひと息付けましたし、晩ご飯の用意を致しますの。その後にお風呂を済ませたら明日の採掘に備えて、今日は早く寝ましょうなの」
「寝ましょうなの!」
……………………………………………
晩ご飯を済ませた6人
エルダースライムに丸呑みされて、まだ身体がベタベタするコハラコと共にサーシャはお風呂場に向かった
エルデスが食器洗いを始めたので、アリスもソレを手伝いに向かった。その間ヨシュアがエリエスに、ミオランダから受けたプレッシャーの程を細かく伝えていた
(なんだぁ、心配するほど仲が悪い訳でもないんだねぇ…)
打ち合わせするヨシュアとエリエスは、歴戦の戦士同士が真剣に打ち合わせをしている様な表情だったので、一安心して食器を洗いに行ったアリスだったが…
「なんだと、てめえっ!」
「坊やは控えてなさいな!」
食器洗いから戻ると、結局ヨシュアとエリエスは揉めに揉めていた
「もぉ~結局ケンカしてるぅ!なんでぇ、そんなに仲が悪いのよぉ?」
仲良くしてくれない2人にアリスが問い掛ける。2人の意見を聞いて考えてはみたのだが…答えを見いだせないアリスはベッドに寝転がった
「だったら3人で仲良くぅ、お風呂に入れば良いんじゃなぁいぃ?」
「なんで超人類と一緒になんだよ!」
「こんな坊やに、アリスお姉様の裸体を拝ませるなんてイケませんわ!」
(わかんないなぁ…アタシと仲良くしたいのならぁ…3人でお風呂に入れば良いんじゃないかなぁ…)
元々オープンな性格のアリスは、誰かと一緒に入浴して裸を見られても言うほど恥ずかしがりはしない(赤の他人に見られるのは当然、嫌なのだが…)
それと同様に揉めているのは、2人のドチラがアリスと同じベッドで寝るか?だった。この一軒家にはダブルサイズのベッドが2つあるので、サーシャとコハラコがひとつのダブルベッドを使うのは確定だ
残りひとつをアリスとドチラかが、もうひとつのベッドを使い、残った2人が床に布団を敷いて寝るか?が論点になっていた
「ママ…おっパイ大きいノ!」
「コハラコ、頑張ったって聞きましたの。偉いですよ、頑張ったね!」
2人、特にコハラコがサーシャにジャれていたので長めになってしまった入浴を終えて、ようやく出てきた
「ねぇ…結局どっちがアタシと一緒に入るのぉ?」
「俺に決まってるだろ!」
「坊やには早いですって!」
相変わらず2人は譲る気もなく揉め続けていた。その様子を横目にエルデスは、自分の分ともう1人の為の布団を敷いた
「私はお先に~眠らせてもらいますね~」
待っていても答えが出るのに時間が掛かりそうだったので、布団を敷き終えたエルデスは先に眠りにつくのだった
「明日も早いんだからァ、早く寝たいよぉ…」
「俺様がアリスと寝るんだよっ!」
「お姉様にエッチな悪戯はさせませんわ!」
エルドラ山脈の山頂のログハウス内から、アリスと一緒に寝る役を譲らない2人の声がしばらく響いていた
続く
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