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日常編
2人の本音
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【イシス城 夜の中庭】
ケチュアは夕方からオルガスに剣の稽古をつけてもらっていた。元貴族の非力なお嬢様に、今更ながら剣の稽古をするのはどうか?と周囲もオルガスも思っていたが…
「私(ワタクシ)、リキュールに守られるだけの非力な女でいるのは耐えられないのです。お願いしますっ!」
「……分かりました!」
あまりに真剣なケチュアの頼みに、若い騎士団の指導役であるオルガスは心を打たれ、素人同然のケチュアに対し真剣に稽古を付けてくれていた
「バキンっ!…あうっ!?」
「す、すみません!強く当ててしまいました。大丈夫ですか?」
「ふふ、このくらいなんて事ありませんわ。続けてお願いします!いつかリキュールを守れるくらいになってみせますわ♪」
ケチュアの本気を見たオルガスの剣がケチュアを吹き飛ばした。必死な相手に加減し過ぎるも良くない!と判断したからなのだが…あまりの力量差に彼の攻撃を受けきられなかったようだ
「頑張ってますわね♪」
魔法の指導の為に彼女の稽古を見られないリキュールから「見守ってあげて欲しい」と頼まれていたチェイムが、ケチュアのひたむきさに微笑んでいた
「まだ、やれますか?」
「全然平気ですわ…お願いします!」
ケチュアはリキュールの魔法使いとしてのズバ抜けた強さを知っているので、彼女よりも強くなりたい!っというのは流石に無理だろうとは理解しているのだが…リキュールが魔法を詠唱する為の時間稼ぎくらいは役に立てるようにと頑張っていた。が……
【リキュールとケチュアの部屋】
その日の日課を果たし、食事とシャワーを済ませた2人は今夜も1つしかない大型のベッドの上で、今日あった事を話し合うのが日課になっていた
「お待たせしましたわリキュール。サーベルタイガーの親子に食事とおやすみさい。を言ってきましたわ」
「(´ー`*)ウンウン。ケチュアは本当に優しいよね♪」
リキュールはケチュアの事が大好きだ。そんな彼女がやりたい事をやっている姿をただ眺めているだけで、生まれてから彼女に会うまで悩み続けていた自分の心が洗われている気がしていたので、終始笑顔で対応していたのだが…
「ねぇリキュール……貴女、私(ワタクシ)をただ、か弱いお人形さんみたいな女だと思っていませんか?」
「Σ(・∀・)エッ…ナニを言ってるのさケチュア…私はそんな風に思った事は無いよ。何かあったのかい?」
精神面でケチュアに助けられてばかりのリキュールは、ケチュアをか弱い女。などと1度も感じた事は無いのだが、ケチュアからすれば何かを成す時にいつもいつもリキュールの強い魔法が決め手となっている事に、引け目を感じているようだ
「私(ワタクシ)は……確かに今はまだ見習い剣士レベルですが、いつか貴女の背中を守れるくらいには強くなろうと励んでいますのよ」
「う、うん。知っているよ…ケチュアは凄く頑張っているよね?」
リキュールは普通にケチュアを褒めたつもりではあるのだが、助けられてばかりいるケチュアからすれば「無理しなくても私を頼ればいいんだよ」と、言われている気がしてならないようだ
「そうじゃありませんの!」
「Σ(・.・)びく!」
ケチュアは元貴族のお嬢様。夜に大声を出すようなイメージも無かったし、荒々しく肩を掴んで顔を近づけて熱く語ってくる事も全く予想していなかったリキュールは、イキナリ顔を近づけられて少し驚かされた
「ど、どうしたのさケチュア…私はキミをか弱い女だなんて見てないよ。どうしてそんなに焦っているのさ?」
リキュールは固体化してからこそは、まだ1ヶ月程しか生きてはいないが…生命体として形を成してからは400年弱の長さを生きている
見方を変えれば、ケチュアの祖父母ですらリキュールからすればお子ちゃまと言えなくもない。それゆえか?何を話しても常にニコニコ顔で対応されているケチュアからは、年下のか弱い女の子を相手にする様な扱いを受けている気が時々していたようだ
「前に…貴女は数百年前から生まれていたと、その身体になってからは日が浅い。と言われてましたけど…貴女からすれば私(ワタクシ)なんて女どころかガキンチョに見えるかもしれませんけど…それでも私(ワタクシ)は立派なレディなのですよ!」
「………あー。なるほど、そういう事なのか…」
ようやくリキュールは、ケチュアが何に対してそこまで焦っているのか?を理解した。強さでも人生経験でも負けていて、リキュールの心の中では小さな小さな子供扱いされているのでは?と不安になっているのだと理解した
「わ、ワタクシは…もう半人前ではないのですよ…」
ケチュアは何とかリキュールと対等でありたいと必死だった
「そうなんだね。私と横並びで居る!と証明したいんだね……うん、分かるよその気持ち。私だって、ただ長生きしていて、生まれつきカルーア姉さんの能力をコピーしたから強いだけ!…なんて思われたくはないからね…ふむ…そうだね。ケチュアの本気のレディっていうのを魅せてもらっちゃおうかな?」
全てを理解したリキュールは、どこか達観した様な…ケチュアの本気を試そうとしている様な…そんな迫力をたたえた目をしている
「えっ!?あの……ポスッ」
今度はリキュールがケチュアの肩を掴み彼女をベッドに寝かせ、その上に馬乗りになり彼女を見下ろした
「な、なんですの?」
強い意志を秘めたリキュールの眼光にたじろぐケチュア
「そんな邪魔な衣服は脱ぎ捨てて、生まれた時の姿でお互い語り合おうじゃないか!ね、ケチュア…」
ケチュアの不安を取り除くには、裸同士で正直な想いをぶつけ合うのが最良の手だと確信したリキュールは、自ら服を脱ぎ下着姿になると押し倒した彼女の下着を脱がし始めた
「え!?な、ナニをなさるんですか?」
「わたし達は2人とも1人前だということを証明し合うのさ。それでケチュアは満足するんでしょ?」
リキュールのおしりの肉が、ケチュアの下腹部にピタリと接触した。2人の本音でぶつかり合う熱い夜が始まろうとしていた!
続く
ケチュアは夕方からオルガスに剣の稽古をつけてもらっていた。元貴族の非力なお嬢様に、今更ながら剣の稽古をするのはどうか?と周囲もオルガスも思っていたが…
「私(ワタクシ)、リキュールに守られるだけの非力な女でいるのは耐えられないのです。お願いしますっ!」
「……分かりました!」
あまりに真剣なケチュアの頼みに、若い騎士団の指導役であるオルガスは心を打たれ、素人同然のケチュアに対し真剣に稽古を付けてくれていた
「バキンっ!…あうっ!?」
「す、すみません!強く当ててしまいました。大丈夫ですか?」
「ふふ、このくらいなんて事ありませんわ。続けてお願いします!いつかリキュールを守れるくらいになってみせますわ♪」
ケチュアの本気を見たオルガスの剣がケチュアを吹き飛ばした。必死な相手に加減し過ぎるも良くない!と判断したからなのだが…あまりの力量差に彼の攻撃を受けきられなかったようだ
「頑張ってますわね♪」
魔法の指導の為に彼女の稽古を見られないリキュールから「見守ってあげて欲しい」と頼まれていたチェイムが、ケチュアのひたむきさに微笑んでいた
「まだ、やれますか?」
「全然平気ですわ…お願いします!」
ケチュアはリキュールの魔法使いとしてのズバ抜けた強さを知っているので、彼女よりも強くなりたい!っというのは流石に無理だろうとは理解しているのだが…リキュールが魔法を詠唱する為の時間稼ぎくらいは役に立てるようにと頑張っていた。が……
【リキュールとケチュアの部屋】
その日の日課を果たし、食事とシャワーを済ませた2人は今夜も1つしかない大型のベッドの上で、今日あった事を話し合うのが日課になっていた
「お待たせしましたわリキュール。サーベルタイガーの親子に食事とおやすみさい。を言ってきましたわ」
「(´ー`*)ウンウン。ケチュアは本当に優しいよね♪」
リキュールはケチュアの事が大好きだ。そんな彼女がやりたい事をやっている姿をただ眺めているだけで、生まれてから彼女に会うまで悩み続けていた自分の心が洗われている気がしていたので、終始笑顔で対応していたのだが…
「ねぇリキュール……貴女、私(ワタクシ)をただ、か弱いお人形さんみたいな女だと思っていませんか?」
「Σ(・∀・)エッ…ナニを言ってるのさケチュア…私はそんな風に思った事は無いよ。何かあったのかい?」
精神面でケチュアに助けられてばかりのリキュールは、ケチュアをか弱い女。などと1度も感じた事は無いのだが、ケチュアからすれば何かを成す時にいつもいつもリキュールの強い魔法が決め手となっている事に、引け目を感じているようだ
「私(ワタクシ)は……確かに今はまだ見習い剣士レベルですが、いつか貴女の背中を守れるくらいには強くなろうと励んでいますのよ」
「う、うん。知っているよ…ケチュアは凄く頑張っているよね?」
リキュールは普通にケチュアを褒めたつもりではあるのだが、助けられてばかりいるケチュアからすれば「無理しなくても私を頼ればいいんだよ」と、言われている気がしてならないようだ
「そうじゃありませんの!」
「Σ(・.・)びく!」
ケチュアは元貴族のお嬢様。夜に大声を出すようなイメージも無かったし、荒々しく肩を掴んで顔を近づけて熱く語ってくる事も全く予想していなかったリキュールは、イキナリ顔を近づけられて少し驚かされた
「ど、どうしたのさケチュア…私はキミをか弱い女だなんて見てないよ。どうしてそんなに焦っているのさ?」
リキュールは固体化してからこそは、まだ1ヶ月程しか生きてはいないが…生命体として形を成してからは400年弱の長さを生きている
見方を変えれば、ケチュアの祖父母ですらリキュールからすればお子ちゃまと言えなくもない。それゆえか?何を話しても常にニコニコ顔で対応されているケチュアからは、年下のか弱い女の子を相手にする様な扱いを受けている気が時々していたようだ
「前に…貴女は数百年前から生まれていたと、その身体になってからは日が浅い。と言われてましたけど…貴女からすれば私(ワタクシ)なんて女どころかガキンチョに見えるかもしれませんけど…それでも私(ワタクシ)は立派なレディなのですよ!」
「………あー。なるほど、そういう事なのか…」
ようやくリキュールは、ケチュアが何に対してそこまで焦っているのか?を理解した。強さでも人生経験でも負けていて、リキュールの心の中では小さな小さな子供扱いされているのでは?と不安になっているのだと理解した
「わ、ワタクシは…もう半人前ではないのですよ…」
ケチュアは何とかリキュールと対等でありたいと必死だった
「そうなんだね。私と横並びで居る!と証明したいんだね……うん、分かるよその気持ち。私だって、ただ長生きしていて、生まれつきカルーア姉さんの能力をコピーしたから強いだけ!…なんて思われたくはないからね…ふむ…そうだね。ケチュアの本気のレディっていうのを魅せてもらっちゃおうかな?」
全てを理解したリキュールは、どこか達観した様な…ケチュアの本気を試そうとしている様な…そんな迫力をたたえた目をしている
「えっ!?あの……ポスッ」
今度はリキュールがケチュアの肩を掴み彼女をベッドに寝かせ、その上に馬乗りになり彼女を見下ろした
「な、なんですの?」
強い意志を秘めたリキュールの眼光にたじろぐケチュア
「そんな邪魔な衣服は脱ぎ捨てて、生まれた時の姿でお互い語り合おうじゃないか!ね、ケチュア…」
ケチュアの不安を取り除くには、裸同士で正直な想いをぶつけ合うのが最良の手だと確信したリキュールは、自ら服を脱ぎ下着姿になると押し倒した彼女の下着を脱がし始めた
「え!?な、ナニをなさるんですか?」
「わたし達は2人とも1人前だということを証明し合うのさ。それでケチュアは満足するんでしょ?」
リキュールのおしりの肉が、ケチュアの下腹部にピタリと接触した。2人の本音でぶつかり合う熱い夜が始まろうとしていた!
続く
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