ようこそ幼い嫁候補たち ③

龍之介21時

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日常編

バージンロード

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【翌朝】
「なるほど…これは、ちょっと僕には厳しい状況だね…」

「アドルはんが負けてしまうと…今朝の朝食はゲテモノ料理になってまうかも知れまへんな。絶対に買っておくれやす(笑)」

「ちょっとぉメリーズ、それって私(ワタクシ)の料理が激マズだとでも言いたいのですかっ!?」

聖騎士勇者隊の3人は、今朝の朝食当番を誰にするのか?を賭けてカードゲームで勝負していた。心理戦に強いメリーズは1抜けしており、ミャンジャムとアドルの一騎打ちになっていたのだが…

「やりました!勝利しましたわ♪」

「ふぅ、一手差で負けてしまったね。仕方ないな、僕が朝食を用意させてもらうよ。サラダとトーストで良いかな?目玉焼きと焼きハムのトマトソテーで良いよね?2人とも飲み物は…」

「コンコン!」
ゲームを終えて、朝食の準備が始まろうとしていた聖騎士勇者隊の部屋がknockされた

「はーい!どなたでっすか!…ミーコ様、とラデュードさん。どうかされましたか?」

聖騎士勇者隊のリーダーであるミャンジャムが元気にドアを開けると…立っていたのはミーコとラデュードの2人だった

「大切なお話があります…中に入ってもよろしいですか?」

「どーぞどーぞ」

ミャンジャムの後に続き部屋に入った2人

「ミーコ様たち、おはようございます。今朝はどのような用件ですか?2人ともコーヒーですが、飲まれませんか?」

「おはようございますえ」

「あら、良い匂いがしていますね。宜しければご馳走になりたいです」
 
「有難うございます」

アドルとメリーズもミーコが自ら足を運んできた事に少し驚いていたが…アドルは彼らの分もコーヒーを用意し始めた


「この報告はまず貴方たちに聞いて欲しくて、朝からお邪魔させていただきました。実は…」

……………………………………………

「(*˙꒫˙* )オォ!!良いじゃないですか、御婚約おめでとうございます!みんなの希望であるミーコ様のご結婚とあれば、国民も喜んでくれるでしょう。うーん、めでたいですね♪」
 

「お似合いですよ。おめでとうございます」
「めでたいどすな。お祝い申し上げます」

「(⑉・ ・⑉)3人とも有難うございます!」

ミャンジャムだけでなくアドルとメリーズも、ミーコたちの結婚を心から喜んでくれた

「それではミーコ様。宰相のロベルト様にもご報告に参りましょうか?」

「そうですね。それでは式の日取りが決まりましたらお知らせしますので、3人とも揃って出席してくださいね」

「もちろん参加させていただきますね♬」

ミーコたちは部屋を出ていった
2人の結婚を自分の事のように喜んでいるミャンジャム。そんな彼女を和やかに見つめるアドル…そんな2人を見比べるメリーズ

「アドルはん。よろしいですか?」

「何だいメリーズ?」

メリーズは調理場に入り、コーヒーを飲んでいるミャンジャムには聞こえないようにアドルの耳に口を近づけ、小さな声で「2人で話したい事があるんよ」
と言い彼を武器倉庫へと連れ出した。アドルはミャンジャムに「2人で少し出掛けてくる」と言い部屋を出た。彼女は朝食の後片付けをする為に残ってくれた



【会議室】
「そうですか!それは国民たちにとっても良い知らせとなりましょうな!それでは早速、式の段取りを考えさせましょう」

宰相のロベルトもミーコたちの結婚に賛成してくれた。やはり、あれだけの悲劇が起きたマリニウムの国民としては、良い知らせは何であれ精神的な支えになるだろう

ロベルトもそれは良く知っている。なので巫女である彼女たちの結婚式は多少無理してでも豪華なものにし、国民にも還元する計画を立てることにしたのだが…

「口を挟んで申し訳ありません。それと、本人を前にして失礼をお許しください…ミーコ様は古代人の血を引く由緒ある御方。冒険者あがりの男と結婚なされるより、貴族の中から立派な人を選ばる方が国の為にもなりませんか?」

恐らく貴族や役人の中には、常にミーコの傍に居るラデュードと彼女が結ばれる予感をしていた者も居たのだろう。その日が来る前に政略結婚をさせようと企んでいてもおかしくはなかった

「私は…極秘裏にラッセル公爵のクーデター情報を入手していました。しかし、あの日までは国に尽くしていた彼が反逆を企てているなどと、事前に伝えたところで混乱を招くだけなのは理解していました
ですから私は密かに1人でヘルメスの街を訪れ、名高い【聖騎士勇者隊】の皆様に御助力を願おうと考えました…ですが!その道中は危険極まりないモノでした。その間、旅の道中で知り合った彼が生命を賭けて、私を守り続けてくれたのです」

「そんな事がおありでしたか…」
「たった1人でミーコ様の身を…」
「それは大きな誉れですな」
 
「そんな彼の心強さに私は惹かれ、愛を感じ始めました。彼とならどんな困難が立ちはだかっても乗り越えられると確信しています。私には他の者では駄目なのです!どうか御理解ください!」

「パチパチパチ(拍手)」

クーデター阻止を成功させたミーコの道のりに、ラデュードが貢献していたという話を聞かされた者たちは一斉に拍手を送った

「ミーコ様おめでとうございます!」
「ラデュード殿お幸せに!」

会議室にいた他の臣下たちも、2人の結婚には満場一致で賛成の態度を示した



【武器倉庫】
「で、話って何だいメリーズ?」

「私は周りくどいのは苦手どすからストレートに言わせてもらいますけどね…アドルはんはミャンジャムと結婚せぇへんの?」

「(º ロ º๑)エッ…僕がミャンと?」

「何白々しい態度取ってんのよ…アドルはんとミャンがたまに私に隠れて、夜な夜な合体してる仲だって事は知ってるんよ♪2人とももうハタチ超えてるんやし、ミーコ様の結婚に便乗させてもろたらええんちゃうの?聖騎士様の初モノをもらったんやろ?男やったら責任取らなあかんよ」
 

メリーズはいつまでもミャンジャムに告白とかせずに、かなり良い仲で満足しているアドルのケツを押した

「そ、そうだね…僕もミャンジャムを幸せにしたいと思ってるし…彼女が僕の告白を受け入れてくれたら…ミーコ様たちの結婚式に便乗させてもらえないか?相談してみるよ。ありがとうメリーズ!」

「大したことやあらへん。数少ない私が気を許した2人やから、幸せになって欲しいだけやからね」

「あ、あのさ…メリーズは結婚したい。とかいう願望ってないのかい?」

「そうね…アドルはんやヒイロさんみたいな良い男が、フリーで居たんなら…真剣に考えるかもしれまへんなぁ(笑)」

本心なのか?誤魔化されたのか?アドルにはどちらかは分からなかったが、メリーズが見してくれたことの無い柔らかい微笑みをしてくれた事を見逃さなかったアドル



【数日後】
「扉に注目ください、新郎新婦のご入場です!」

「ミーコ様おめでとうございます!」
「ラデュードさん、おめでとう!」
「ミャンジャム様おめでとうございます」
「アドル様おめでとうございます!」

「こんなに沢山の方から祝福を受けて、私は幸せ者です!ラデュードと手を取り合い、今後もマリニウムの復興に生涯を捧げたいと思います!ね、ラデュード?」

「おう!全身全霊でミーコの手助けをさせてもらうよ」

ようやく城の中庭のガレキ撤去作業が完了したので、速い段取りで2組の結婚式が執り行われていた

結婚式は自由参加になっており国民は【巫女のミーコ】【聖騎士のミャンジャム】の花嫁姿をひと目見ようと大勢の人で賑わっていた

彼らの結婚式が国民たちの明るい話題となり、活気を取り戻すキッカケになったようだ。今後のマリニウムは国民中心の政治が行われ、数年後から活気のある地域として復興していく事だろう



続く
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