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第七章 世界樹 VS 黒の世界樹
第44話 闇の世界樹の特性
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天使と魔王たちは、ボクのお酒で意気投合したみたい。
ボクたちが「闇の世界樹」を退治している間、ケンカをしないことを約束してくれた。
「この時期のみと言わず、いつでも我が城に参られよ! 歓迎しようぞ魔王殿!」
「そうであるか! 我々も、海鮮でお出迎えするのである!」
急に仲良くなりすぎじゃない?
でもまあ、これで地上はひとまず安心かな。
「よろしく頼む、コーキ殿。闇の世界樹には、我々天使も困っていたところぞ。なんせ、こちらの攻撃が通用せぬ」
「海へ一撃を食らわせるだけでは、ダメなんですか?」
「うむ。特殊な結界が張っておってな」
物理的な攻撃も魔法も、すべて術式障壁で弾き飛ばしてしまうらしい。天使族が直接、世界樹に切りかかったこともあるそうだ。しかし、まるで効果がなかったという。
「向こうから襲ってくることはないのだ。ただ闇の世界樹は、ダークサイドのクトーニアンを大量に産み落として、送り込んでくるのだ」
魔王によると、世界樹自体が攻撃をしてくる気配はないらしい。しかし、攻撃しようとするとクトーニアンが襲ってくるという。
単純に一回攻撃したら、三倍は跳ね返ってくるそうだ。なんて、めんどくさい。
「それで、ボクに声をかけてくれたんですね?」
「うむ。お主なら、平和的に解決してくれそうだったのだ。頼めるか?」
「やってみます」
とはいうものの、どうやって闇の世界樹なんておとなしくさせればいいのやら。
「あなたは、過激派のリーダーを倒しています。なので、邪魔は入らないと思うのです」
ハィラさんのいうことは、信じていいみたい。
あのミイラは、闇の世界樹を盾に自分の思想を周りに押し付けていたそうだ。
「闇の世界樹だって、自分の居場所がほしいだけかもしれないね。その思想を悪用されただけで」
「その発想は、ありませんでした」
これは、案外大変かもしれない。
天使たちに任せていたら、本当に世界は焦土になっていたことだろう。初期のアプレンテスどころか、世界すべてが荒野になっていたかもしれない。
「わかりました。対話を試みます」
「対話とな?」
「はい」
闇の世界樹と話し合ってみて、交渉可能な相手かどうか、確かめる。
「それでダメなら?」
「……あきらめて攻撃しましょう」
ボクが言うと、パロンが手を握ってきた。
「コーキ、ワタシもついていこう。なんたって、キミの作り主だからね。キミのよりどころになって、キミの精神が闇の世界樹に汚染されないように見守るよ」
「ありがとう、パロン」
ボクも手を握り返す。
こうしてボクたちは、本格的な対話作戦を開始した。
ボクたちが「闇の世界樹」を退治している間、ケンカをしないことを約束してくれた。
「この時期のみと言わず、いつでも我が城に参られよ! 歓迎しようぞ魔王殿!」
「そうであるか! 我々も、海鮮でお出迎えするのである!」
急に仲良くなりすぎじゃない?
でもまあ、これで地上はひとまず安心かな。
「よろしく頼む、コーキ殿。闇の世界樹には、我々天使も困っていたところぞ。なんせ、こちらの攻撃が通用せぬ」
「海へ一撃を食らわせるだけでは、ダメなんですか?」
「うむ。特殊な結界が張っておってな」
物理的な攻撃も魔法も、すべて術式障壁で弾き飛ばしてしまうらしい。天使族が直接、世界樹に切りかかったこともあるそうだ。しかし、まるで効果がなかったという。
「向こうから襲ってくることはないのだ。ただ闇の世界樹は、ダークサイドのクトーニアンを大量に産み落として、送り込んでくるのだ」
魔王によると、世界樹自体が攻撃をしてくる気配はないらしい。しかし、攻撃しようとするとクトーニアンが襲ってくるという。
単純に一回攻撃したら、三倍は跳ね返ってくるそうだ。なんて、めんどくさい。
「それで、ボクに声をかけてくれたんですね?」
「うむ。お主なら、平和的に解決してくれそうだったのだ。頼めるか?」
「やってみます」
とはいうものの、どうやって闇の世界樹なんておとなしくさせればいいのやら。
「あなたは、過激派のリーダーを倒しています。なので、邪魔は入らないと思うのです」
ハィラさんのいうことは、信じていいみたい。
あのミイラは、闇の世界樹を盾に自分の思想を周りに押し付けていたそうだ。
「闇の世界樹だって、自分の居場所がほしいだけかもしれないね。その思想を悪用されただけで」
「その発想は、ありませんでした」
これは、案外大変かもしれない。
天使たちに任せていたら、本当に世界は焦土になっていたことだろう。初期のアプレンテスどころか、世界すべてが荒野になっていたかもしれない。
「わかりました。対話を試みます」
「対話とな?」
「はい」
闇の世界樹と話し合ってみて、交渉可能な相手かどうか、確かめる。
「それでダメなら?」
「……あきらめて攻撃しましょう」
ボクが言うと、パロンが手を握ってきた。
「コーキ、ワタシもついていこう。なんたって、キミの作り主だからね。キミのよりどころになって、キミの精神が闇の世界樹に汚染されないように見守るよ」
「ありがとう、パロン」
ボクも手を握り返す。
こうしてボクたちは、本格的な対話作戦を開始した。
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