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1-3 ボクの知っている砂遊びと違う!

第39話 マミちゃん帰宅

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 二人は互いの領地を取り合っている身だ。
 いつかは、全力で戦わないといけない気がする。


 ケイスさんが微笑む。
「あなたとて、同じことなのですよ」
 ケイスさんに指摘され、ボクはハッとなった。

 チサちゃんがマミちゃんの領地に乗り込むことだってあり得る。
 チサちゃんは好戦的な性格じゃないから、すっかり失念していた。

「今は、良き理解者として接しております。戦闘の時期が来たときにでも考えましょうか」

「そうですね」

 来るかどうか分からない未来を想像していても、今は仕方がない。
 ボクはバカバカしい想像を頭から取り払う。

 楽しい宴だった。

「今日は楽しかったわ! 今度はこっちに遊びに来なさいな!」
「ありがと。お邪魔する」
「せっかく念願の玉座を手に入れたんでしょ? お外にも容易に出られるようになるわ!」
「うん。実際に出てみたけど、楽しい」

 にこやかに会話を交わす二人。

「皆様、本日はごちそうさまでした。主に代わってお礼をいたします」

「お気になさらず。またいらしてください」
 ケイスさんが、セイさんに礼を言う。

「ダイキさん、あなたもお元気で」
「ありがとうございます。今日は面白かったですよ。また次の機会に」
「ぜひとも、そのときはお手合わせ願いたいですね」
「それはご勘弁を」

 ケイスさんはニコリとほほえみ、「それでは」と自分の国へと帰っていった。

 とはいえ、気になるワードが。

 玉座が手に入ったから、外に出られるだって?

 あれは、どういう意味なんだろう?

 二人が帰ったあと、お茶の時間をもらった。セイさんに質問するためだ。

「外に出られないくらい、マナが枯渇していたんですね」
「不自由でしたよ。魔王は油断すると、しょっちゅうガス欠になりますから」

 外に出ることすら、注意を払わなければならない。
 玉座って本当に重要な役割だったみたいである。

「人間以外も、玉座っているんですね?」
「はい。現地住民はモンスターも含まれますから。ただ、強いだけでは無理で」

「質、でしたよね」

「コマの中に、赤いドラゴンがいたでしょ? 彼も、チサ様の玉座候補でした。膨大なマナを持っていましたから。ですが、チサ様との相性が悪くて」

 玉座としては落第したらしい。

「あのレッドドラゴンは根っからの出不精ですから。好奇心旺盛でアグレッシブなチサ様とは相容れず」

 たしかに、ゲーム中もあまり働いていなかったな。
 降りかかる火の粉を払っていた程度の印象を受ける。

「そのドラゴンは、今どこに?」

「宝物庫を守っています。もっとも、襲ってくる魔物なんておりませんので、寝ていますね」

 いわゆる、自宅警備員と呼べばいいか。

「近いウチに紹介いたしましょう。冒険の準備で、宝物庫へ寄るでしょうし」
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