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1-4 「おさんぽ」という名の迷宮探索

第52話 スケルトン襲来

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「大丈夫。わたしがついてる」

 チサちゃんが、杖を二度、スピンコックした。
 スケルトンを二体同時に始末する。

 ボクには、チサちゃんが一度に火球を二発撃ち込んだように見えた。

「この程度では、私たちは止められん!」
 ブロードソードを振り回し、エィハスが残りのスケルトンを破壊する。

 ボクもスコップをスイングして、ガイコツを蹴散らす。

 ガイコツは簡単に砕けた。

「意外と強いぞ、このスコップ」
 もっと苦戦すると思っていたけど。

「偃月刀が、強いんじゃない。ダイキが強くなっている」

 なんでだろう。どう動き、何をすればいいかが分かる。
 敵のスキや陣形の乱れなどが、瞬時に読み取れた。
 戦闘経験なんて皆無なのに。

「チサちゃん、身体が勝手に動いてくれるんだけど?」
「スキル【黒龍拳】の効果と、ドレンのくれた装備の恩恵。そうやってダイキに戦い方を教えてくれている」

 そうなのか。ドレンに感謝しないと。

 オンコはと言うと、壊れたスケルトンからカラフルな宝石を拾っていた。奇妙な模様の描かれた小さなビンへポイポイ入れていく。

「それは?」
「死霊を動かすタイプの魔石だよ。これを拾うか壊さないと、アンデッドは無限に湧いてくるんだ」

 アンデット対策のために、オンコは魔石をビンにインしていった。

「ダイキ後ろ!」と、オンコの声が。
「え? うわ、なんだ!?」

 後ろから、火球で撃たれた。
 だが、魔獣の革が守ってくれたおかげで、焦げ一つない。

「ほほう、素晴らしい防御力である」
 ゼーゼマンが、ボクの装備に感心を示す。


 ボクの背後に、魔法使いタイプのスケルトンが三匹いた。
 火球は、ヤツらの仕業だろう。

「道を空けてくれ、遠方の魔法使いを叩く!」
「OK」

 エィハスの指示に従い、ボクは偃月刀をぶん回して、強引に道を作っていく。

 おびただしい数のガイコツをボクが叩き潰し、後方の魔法使いガイコツにエィハスが取り憑いた。

 三体のスケルトンが、エィハスの剣によって真っ二つに。

「数が多いな。キリがない」
 疲労の色こそ見えないが、エィハスはウンザリしている模様だ。

「エィハス、洞窟の向こうに敵反応。近いよ!」

 魔力石が光の筋を描き、最奥部を示している。
 アンデッドを操るため、魔力石にはこのような仕掛けがあるという。

 だが、スケルトンが道を塞ぐ。

「任せて」
 チサちゃんが、モンスターの群れに向かって杖の先を突き出す。

 火球をタコヒモで結び、炎の竜巻を作り上げた。

 炎でできた竜巻に飲まれ、スケルトンたちが灰になっていく。

「行こう」
 敵のいなくなった道を、チサちゃんが突き進む。 
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