54 / 302
1-4 「おさんぽ」という名の迷宮探索
第54話 レベルとは?
しおりを挟む
「聞いてもいい? この世界のレベルって、どんな感じなの?」
「人間で平均レベルは一〇。レベル二〇もあれば超人クラス。だから、レベル四〇以上もあるダイキは驚かれた」
チサちゃんが、この世界のレベル要素を解説してくれた。
「じゃあ、目の前にいるのは凶悪な化物なんだね?」
「国が動くレベル」
さすが、元魔王候補だけある。
『我が野望を阻む者には、たとえ魔王と言えど容赦せぬ!』
喋る度にいちいちポーズを取るのが、またウザい。
「お前はここで浄化する。覚悟を」
『ぬかせ半人前の魔王が! 仲間共々地獄へ送ってくれる!』
祭壇から降りて、ヱッチは手をかざす。
骨の手の中心が紫色に光り、死霊が湧き出てきた。
「精霊よ、邪気を振り払うのである。ふうっ!」
片手に持った本を開き、ゼーゼマンはボクたちの周辺に障壁を張った。
死霊は障壁にぶつかると、弾け飛んだ。
まるで誘蛾灯のようである。
『なんの。防いでいるだけでは我は倒せぬぞ!』
確かに、突破口はない。
「聖剣さえあれば。しかし、ドワーフが解禁されていないとなると、作るのは難しい」
さしものエィハスも、弱音を吐く。
「ボクが行ってみる!」
スコップを持って、ボク結界から出た。
「無茶だって。ダイキが死んじゃったら、チサちゃんが」
「大丈夫だ、オンコ。ボクの装備が一番マシみたいだから。チサちゃんはみんなを守っていてくれ」
障壁を抜けて、ボクはヱッチと一対一になる。
「ダイキ、信じてる」
チサちゃんも、手を貸そうとしない。
ボクの意図を汲んでくれているのだ。
「もぐもぐ」
今、お弁当食べるの?
それだけ信頼してくれているんだろうけど。
本当にボクは強いのか、このモンスターで試す。
『余裕だな、魔王チサ・ス・ギルよ。配下に全てを託すなど』
「お前なんかわたしが出るまでもない。それに、わたしが攻撃するとご褒美になるだけ」
『おのれ、我が性癖をことごとく!』
チサちゃんは、こういう感性は本当に鋭い。
相手の性癖を見破る力に長けている。
その証拠に、ヱッチに飛びかからんとしているオンコを、片手で押さえ込んでいた。
敵からすると、オンコが攻撃しても「女の子に虐げられる」ご褒美になるからだそう。
『しかして魔王、むさい男だけに任せて我を倒せるとでも?』
「ダイキは強い。全部任せられる」
『ほざけ、小娘が! この男を倒したら、お主を乗っ取ってくれる』
ヱッチが、大仰なポーズを取る。
「やってみないと分からない。そりゃ!」
闇雲に、ボクはスコップを振り回した。
『ぐう!』
刃が腕や腰に当たり、ヱッチが苦悶の声を上げる。
「人間で平均レベルは一〇。レベル二〇もあれば超人クラス。だから、レベル四〇以上もあるダイキは驚かれた」
チサちゃんが、この世界のレベル要素を解説してくれた。
「じゃあ、目の前にいるのは凶悪な化物なんだね?」
「国が動くレベル」
さすが、元魔王候補だけある。
『我が野望を阻む者には、たとえ魔王と言えど容赦せぬ!』
喋る度にいちいちポーズを取るのが、またウザい。
「お前はここで浄化する。覚悟を」
『ぬかせ半人前の魔王が! 仲間共々地獄へ送ってくれる!』
祭壇から降りて、ヱッチは手をかざす。
骨の手の中心が紫色に光り、死霊が湧き出てきた。
「精霊よ、邪気を振り払うのである。ふうっ!」
片手に持った本を開き、ゼーゼマンはボクたちの周辺に障壁を張った。
死霊は障壁にぶつかると、弾け飛んだ。
まるで誘蛾灯のようである。
『なんの。防いでいるだけでは我は倒せぬぞ!』
確かに、突破口はない。
「聖剣さえあれば。しかし、ドワーフが解禁されていないとなると、作るのは難しい」
さしものエィハスも、弱音を吐く。
「ボクが行ってみる!」
スコップを持って、ボク結界から出た。
「無茶だって。ダイキが死んじゃったら、チサちゃんが」
「大丈夫だ、オンコ。ボクの装備が一番マシみたいだから。チサちゃんはみんなを守っていてくれ」
障壁を抜けて、ボクはヱッチと一対一になる。
「ダイキ、信じてる」
チサちゃんも、手を貸そうとしない。
ボクの意図を汲んでくれているのだ。
「もぐもぐ」
今、お弁当食べるの?
それだけ信頼してくれているんだろうけど。
本当にボクは強いのか、このモンスターで試す。
『余裕だな、魔王チサ・ス・ギルよ。配下に全てを託すなど』
「お前なんかわたしが出るまでもない。それに、わたしが攻撃するとご褒美になるだけ」
『おのれ、我が性癖をことごとく!』
チサちゃんは、こういう感性は本当に鋭い。
相手の性癖を見破る力に長けている。
その証拠に、ヱッチに飛びかからんとしているオンコを、片手で押さえ込んでいた。
敵からすると、オンコが攻撃しても「女の子に虐げられる」ご褒美になるからだそう。
『しかして魔王、むさい男だけに任せて我を倒せるとでも?』
「ダイキは強い。全部任せられる」
『ほざけ、小娘が! この男を倒したら、お主を乗っ取ってくれる』
ヱッチが、大仰なポーズを取る。
「やってみないと分からない。そりゃ!」
闇雲に、ボクはスコップを振り回した。
『ぐう!』
刃が腕や腰に当たり、ヱッチが苦悶の声を上げる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
98
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる