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1-4 「おさんぽ」という名の迷宮探索
第57話 オンコの正体
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「申し訳ありません姫様ぁ! お留守の間にヱルダー・リッチが我々の魂を糧に復活しまして、幽閉されていたのです!」
周りのドワーフも、大人子どもと言わず、オンコの前にひれ伏す。
「ゴマトマ鉱山を警護することができず、なすすめなく! ですがこうして姫様のお側に仕えられる日が再び来ようとは! 魂を抜かれ、腑抜けのまま死んでいくのかと諦めていたのです!」
「待ってよ爺や、大げさすぎなんだけど?」
「ですが、姫様の手を患わせてしまいました!」
二人のやりとりからすると、オンコはドワーフの中でも相当偉い人ってコトになる。
「ひょっとして、オンコってすっごいエラい人?」
「まあね。ゴマトマじゃあ、アタシの家が一番エラいかな?」
オンコがケロッと言う。
爺やという筋肉がオンコをかばうようにして立つ。
「こちらにおわすは、ドワーフ族の姫君、オンコ・ゴマトマ様でありますぞ!」
礼をわきまえろと言いたいんだろうけど、ねえ。
「あのさ、このチサちゃんは魔王だよ。あと、ダイキは玉座なんだけど? ついでに、アンタ達をすくったのもこの方たちだから」
爺やさんが、ボクたちとオンコを交互に見る。
「なんと、魔王サマの! これは失礼を。姫をお守りくださり、また我々も救ってくださって感謝いたします」
「アタシからもお礼を言わせて、ドワーフを解放してくれてありがと、ダイキ、それにみんな」
いつも活発なオンコが、珍しくしおらしくなった。
「いえ、何も知らされてなくて」
まさか、ドワーフが幽閉されているなんて思っていなかったし。
「なんと謙虚な。わかり申した。我々にできることは何なりと!」
「じゃあ、ダイキの装備を見てあげてね」
「お安いご用で! 助けていただいたお礼として、特別に無償でやらせていただきます」
ボクの装備を、なんとタダで見てくれるらしい。
「ホントにありがと、チサちゃんにダイキ。パーティのみんなも。よかったらお城に来てね。おもてなしするよ!」
オンコから、パーティに誘われた。
「今日はセイが食事を用意しているかも知れない。エィハスの店へお弁当のお礼もする。明日でいい?」
「それでいいよ。あと、荷物は爺やに任せな」
領地の中央にチサちゃんの城があり、ルセランドの街は城の東、ゴマトマ鉱山は城の北にある。
「いいでしょ、爺や」
「お安いご用で」
爺やさんの好意で、棺は彼らが持って行ってくれることに。
オンコも城へ状況を報告しに行くという。
「本当にいいのかな、持っていってもらって」
「いいと思う。それに、ダイキは手空きの状態でいた方がいい」
「どうしてさ?」
「ギルドを問い詰める必要がある。拳で」
周りのドワーフも、大人子どもと言わず、オンコの前にひれ伏す。
「ゴマトマ鉱山を警護することができず、なすすめなく! ですがこうして姫様のお側に仕えられる日が再び来ようとは! 魂を抜かれ、腑抜けのまま死んでいくのかと諦めていたのです!」
「待ってよ爺や、大げさすぎなんだけど?」
「ですが、姫様の手を患わせてしまいました!」
二人のやりとりからすると、オンコはドワーフの中でも相当偉い人ってコトになる。
「ひょっとして、オンコってすっごいエラい人?」
「まあね。ゴマトマじゃあ、アタシの家が一番エラいかな?」
オンコがケロッと言う。
爺やという筋肉がオンコをかばうようにして立つ。
「こちらにおわすは、ドワーフ族の姫君、オンコ・ゴマトマ様でありますぞ!」
礼をわきまえろと言いたいんだろうけど、ねえ。
「あのさ、このチサちゃんは魔王だよ。あと、ダイキは玉座なんだけど? ついでに、アンタ達をすくったのもこの方たちだから」
爺やさんが、ボクたちとオンコを交互に見る。
「なんと、魔王サマの! これは失礼を。姫をお守りくださり、また我々も救ってくださって感謝いたします」
「アタシからもお礼を言わせて、ドワーフを解放してくれてありがと、ダイキ、それにみんな」
いつも活発なオンコが、珍しくしおらしくなった。
「いえ、何も知らされてなくて」
まさか、ドワーフが幽閉されているなんて思っていなかったし。
「なんと謙虚な。わかり申した。我々にできることは何なりと!」
「じゃあ、ダイキの装備を見てあげてね」
「お安いご用で! 助けていただいたお礼として、特別に無償でやらせていただきます」
ボクの装備を、なんとタダで見てくれるらしい。
「ホントにありがと、チサちゃんにダイキ。パーティのみんなも。よかったらお城に来てね。おもてなしするよ!」
オンコから、パーティに誘われた。
「今日はセイが食事を用意しているかも知れない。エィハスの店へお弁当のお礼もする。明日でいい?」
「それでいいよ。あと、荷物は爺やに任せな」
領地の中央にチサちゃんの城があり、ルセランドの街は城の東、ゴマトマ鉱山は城の北にある。
「いいでしょ、爺や」
「お安いご用で」
爺やさんの好意で、棺は彼らが持って行ってくれることに。
オンコも城へ状況を報告しに行くという。
「本当にいいのかな、持っていってもらって」
「いいと思う。それに、ダイキは手空きの状態でいた方がいい」
「どうしてさ?」
「ギルドを問い詰める必要がある。拳で」
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