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第二部 幼女魔王VSおねショタ魔王! 2-1 いざ、二層へ!
羊の魔王戦
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ボクとチサちゃんの前に、広大な岩山が広がっている。
城壁を守るボクは、偃月刀を片手に辺りを見渡した。ボクの身体を包むのは、紫色をしたクマの着ぐるみだ。
「ダイキ、敵が城に直接攻め込んできた!」
着ぐるみの前面、折りたたみ式玉座から、チサ・ス・ギルちゃんが指示を出す。
「分かったチサちゃん。迎え撃つ」
偃月刀を握りしめ、敵の襲来を待つ。
「やー。かくごー」
羊の着ぐるみを着たちっこい魔王が、「わーい」と叫びながら向かってきた。荷台式の戦車に乗りながら。ピョコピョコと手を天に突き出して、かわいらしい。
「ダイキ、アレはサテュロスの魔王。見た目は可愛いけどすばしっこい。気をつけて」
「承知したよ」
彼女の玉座は、戦車を引っ張っているクモだ。牛のように大きい。六つある目はサーチライトのようになっていて、全ての足が砲台になっていた。ファンシーな魔王に対して、玉座はメカメカしい。
玉座の実力はホンモノで、ボクたちの率いる兵隊は、相手の猛攻を止められなかった。必要最低限の警備を突破し、最短距離でこちらへ詰め寄る。
ボクたちの軍勢は、残った羊軍の足止めに追われていた。
まともに戦えるのは、お互いの大将のみ。
「あんたがうわさの、オサナイ・ダイキやな?」
「そうですね。こんにちは」
「最近ブイブイいわせてるみたいやけど、ワテらが来たからには、快進撃もそれまでや! あんたらの持ってる物資カード、ネコソギもらいまっせ!」
関西弁で、クモ戦車がタンカを切る。
「お連れの羊さん、かわいいですね」
「同じ着ぐるみの玉座になんか言われとうない!」
戦車は怒るが、羊魔王ちゃんは「えへへー」とまんざらでもない様子だ。
「とーお」
着ぐるみ魔王が、ジャンプして戦車から降りる。空中で一回転し、華麗に地上へ着地した。ドヤ顔まで決めて。
「ダイキ、降りて戦う。戦車はお願い」
「よし」
チサちゃんを降ろし、ボクたちは二手に分かれた。
ボクから離れたチサちゃんが、魔法の杖を持って羊魔王を迎え撃つ。
羊ちゃんの魔王が、「ぶるるん」といいながら土を蹴った。猛牛よろしく、チサちゃんに突進していく。
相手が連続して繰り出す俊足のタックルを、チサちゃんが何度も華麗に避けた。
「逃がさへんで!」
六本の足すべてが、チサちゃんに照準を合わせる。
そうはいくか。ボクはチサちゃんの前に立ち、偃月刀を身体の前で回転させた。
「そんな攻撃で防げるかいな!」
クモ戦車が、魔法の銃弾を放つ。
「黒龍拳、発動っ!」
ボク自身の力は弱い。
でも、黒龍の力を解放すれば、魔力の弾丸なんて!
ほんの少しのスキマなく、ボクは魔力弾をすべて跳ね返す。
「なんやと、全部ハジキ飛ばしおった!」
驚きのあまり、クモ戦車は攻撃の手を緩めた。
そのスキに、ボクはクモの背後に迫り、急所へ一撃を見舞う。
クモ戦車は気絶し、戦線から退場した。
残るは、羊の魔王だけ。
様子を見ると、チサちゃんはVサインを決めている。
対照的に、羊の魔王ちゃんはアフロヘアになって目を回していた。
こちらもチサちゃんが片付けてしまったようである。
城壁を守るボクは、偃月刀を片手に辺りを見渡した。ボクの身体を包むのは、紫色をしたクマの着ぐるみだ。
「ダイキ、敵が城に直接攻め込んできた!」
着ぐるみの前面、折りたたみ式玉座から、チサ・ス・ギルちゃんが指示を出す。
「分かったチサちゃん。迎え撃つ」
偃月刀を握りしめ、敵の襲来を待つ。
「やー。かくごー」
羊の着ぐるみを着たちっこい魔王が、「わーい」と叫びながら向かってきた。荷台式の戦車に乗りながら。ピョコピョコと手を天に突き出して、かわいらしい。
「ダイキ、アレはサテュロスの魔王。見た目は可愛いけどすばしっこい。気をつけて」
「承知したよ」
彼女の玉座は、戦車を引っ張っているクモだ。牛のように大きい。六つある目はサーチライトのようになっていて、全ての足が砲台になっていた。ファンシーな魔王に対して、玉座はメカメカしい。
玉座の実力はホンモノで、ボクたちの率いる兵隊は、相手の猛攻を止められなかった。必要最低限の警備を突破し、最短距離でこちらへ詰め寄る。
ボクたちの軍勢は、残った羊軍の足止めに追われていた。
まともに戦えるのは、お互いの大将のみ。
「あんたがうわさの、オサナイ・ダイキやな?」
「そうですね。こんにちは」
「最近ブイブイいわせてるみたいやけど、ワテらが来たからには、快進撃もそれまでや! あんたらの持ってる物資カード、ネコソギもらいまっせ!」
関西弁で、クモ戦車がタンカを切る。
「お連れの羊さん、かわいいですね」
「同じ着ぐるみの玉座になんか言われとうない!」
戦車は怒るが、羊魔王ちゃんは「えへへー」とまんざらでもない様子だ。
「とーお」
着ぐるみ魔王が、ジャンプして戦車から降りる。空中で一回転し、華麗に地上へ着地した。ドヤ顔まで決めて。
「ダイキ、降りて戦う。戦車はお願い」
「よし」
チサちゃんを降ろし、ボクたちは二手に分かれた。
ボクから離れたチサちゃんが、魔法の杖を持って羊魔王を迎え撃つ。
羊ちゃんの魔王が、「ぶるるん」といいながら土を蹴った。猛牛よろしく、チサちゃんに突進していく。
相手が連続して繰り出す俊足のタックルを、チサちゃんが何度も華麗に避けた。
「逃がさへんで!」
六本の足すべてが、チサちゃんに照準を合わせる。
そうはいくか。ボクはチサちゃんの前に立ち、偃月刀を身体の前で回転させた。
「そんな攻撃で防げるかいな!」
クモ戦車が、魔法の銃弾を放つ。
「黒龍拳、発動っ!」
ボク自身の力は弱い。
でも、黒龍の力を解放すれば、魔力の弾丸なんて!
ほんの少しのスキマなく、ボクは魔力弾をすべて跳ね返す。
「なんやと、全部ハジキ飛ばしおった!」
驚きのあまり、クモ戦車は攻撃の手を緩めた。
そのスキに、ボクはクモの背後に迫り、急所へ一撃を見舞う。
クモ戦車は気絶し、戦線から退場した。
残るは、羊の魔王だけ。
様子を見ると、チサちゃんはVサインを決めている。
対照的に、羊の魔王ちゃんはアフロヘアになって目を回していた。
こちらもチサちゃんが片付けてしまったようである。
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