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第二部 幼女魔王VSおねショタ魔王! 2-1 いざ、二層へ!

羊ちゃんとカード交換会

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 試合が終わり、ボクたちは元のリビングに戻った。
 リビングに展開したジオラマも、すっかり元通りに片付いている。

「かーっ! まいった。さすがはウワサのオサナイ・ダイキはんでんなぁ! 大したもんですわっ!」

 さっきまでの殺意剥き出し状態とは打って変わり、クモ戦車は気のいいオッサンと化す。こちらが本来の彼なのだろう。実に親しみやすい。人によっては馴れ馴れしいと思うかも知れないけど、ボクは人当たりのいい彼に好感が持てる。

「すごいね、チサたんは。やっぱりまだ勝てないかー」
 羊の魔王ちゃんも、まったく悔しがっていない。始めから勝負にならないと思ったのだろう。

「まだまだこれから。二人は、もっともっと強くなる」
「ありがとう。チサたん」
「でも、ダイキはそれよりもっと強くなるけど」

 最上級のノロケをチサちゃんが披露したところで、カードの交換会が始まった。

 羊ちゃんの領土から、ボクたちは毛皮と羊のお肉をもらう。まだ夏だが、今のうちに対策しておけば冬に備えられる。

「チサちゃん、スイカがあるよ。スイカをもらおう」

 ボクたちからは、鉄鉱石、ポージュース、作物はオレンジとカボチャをあげた。

「これが飲みたかったんや。うまい! よろしいわー」
 感動の声を発しながら、クモはポージュースを飲み干す。

「気に入っていただけて、こちらもうれしいです」
「あんたらの愛の結晶ちゅうわけやな?」

 そう言われると、なんだかポージュースがいかがわしいものに見えてくる。

「せやけどええんか? 出血大サービスやがな。これでやっていけるんか?」
「いいんですよ。ボクたちにはから揚げがあるから」

 温泉もあるのだが、伏せておこう。さすがに手を見せすぎだ。

「確かに、ワテらもニワトリはおるけど、あんたんところのから揚げはマネできへんねん」

 ウチには、スペシャルなシェフがいるからね。

「ばいばいチサちゃん、また遊んでね」
「ほな。ダイキはん。また会う日まで」



 羊ちゃんと戦車クモが、帰って行く。
 ボクたちは、手を振りながら見送った。



「楽しかったね、チサちゃん」
「ダイキも、戦闘を拒まなくなってきた。いい動きをしている」
「チサちゃんを守ることに限定して、黒龍拳は使うことにしたんだ」

 まだ、自分から攻撃にいったりする気はないけど。

「頼もしい。ダイキ」
 チサちゃんが、ボクに抱きついてきた。
 
 チサちゃんの玉座になってから、数ヶ月が経つ。
 相変わらず、ボクたちの管理する世界には、よそから魔王がやって来ては撃退する日々が続いていた。


 マミちゃんも定期的に遊びに来る。




 こんな平穏な日がずっと続けばいいのに。



 そう思っていたのだが、魔王の宿命は容赦なく、ボクらのスローライフに何かと干渉してくるのだ。
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