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第二部 幼女魔王VSおねショタ魔王! 2-1 いざ、二層へ!

新しい階層へ

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「ダイキは、海を手に入れたい?」
「手に入るなら、そうだねー」

 これまで戦ってきた魔王軍は、海を手に入れてなかった。
 マミちゃんですら、持っていないらしい。

「ダイキは、新しいエリアが開放されても、うれしくない?」
 チサちゃんが、さみしげな表情を浮かべた。

「ああ、ごめん。そういうわけじゃなくてさ」
 ボクは詫びて、意見を訂正する。

「なにも、チサちゃんの都市開発に反対なわけじゃない。その分さ、チサちゃんが危ない目に遭うのが怖いんだ」

 新しいエリアを手にしようと思えば、他の魔王とも戦わなければならない。魔王だって、もっと強くなる。

 ボクは、そっちが心配だ。

「チサちゃんは、怖くないの?」
「うん。怖い。けど、結局いつかは乗り越えなくちゃいけない」

 チサちゃんの決意はホンモノだ。

 かといって、大ケガをさせたくないし。

 
 どうにか、穏便に済ませられないかな。


「そうもいかないのです。ダイキ様」


「うわっ、セイさん」


 ボクたちの前に、チサちゃんの秘書であるセイさんが現れた。
 
 出てくるのはいいけど、ボクの心の中を読まないで欲しいなぁ。

「実は、緊急事態でして」
 セイさんも、ボクに紙をよこしてくる。


 魔界ってメールが発達していないんだね。全部紙なんだよな。



「二層進出……」



 ボクがそう愚痴っている中、チサちゃんは紙を握りしめる。



「チサちゃん、二層ってなに?」


「ご説明致します。ダイキ様」

 セイさんが言うには、この世界には、幾階もの階層があるらしい。
 いわゆるランクといおうか、ゲームで言うと「一面、二面」といったステージが用意されている。

 自分たちの拠点を維持して充実させることが第一関門である。そこから更に、別の世界へ飛び出すのが第二関門らしい。

「階層って、どれくらいあるんです?」

「今のところ、全部で七階層と言われています。その全てにある条件を満たした者だけが、大魔王を継げる、と言われています」

 各階層に行くためには、条件が必要だ。 各階層に行くためには、条件が必要だ。今のエリアを維持することが二層に行く条件だったらしい。

「二層進出、おめでとうございます、チサ様」

「ありがとう、セイ、ダイキも」

 セイさんの祝福に、チサちゃんが喜ぶ。


「次の階層に行けなかったら、ボクたちどうなっていたの?」



「……LOになる」

 LOとは、Lost Ownershipの略で、「魔王のなり損ない」となったモンスターだ。

「これまで倒したLOは、一層にある地震の領土の維持もできなかった。おそらく、対立はこれまで以上に激化する」

 どうやらボクたちは、海を手に入れないとモンスターにまで墜ちてしまうらしい。

「中には、以前の戦いで他の階層から脱落し、ずっと低層に居座り続けているモンスターもいます。ダイキ様が戦ったLOは、トップクラスばかりでして」

 ボクって、くじ運が悪いのかなぁ。

「第三層へ行く条件は、海のカードを手に入れること」
「よしっ、海を持っている魔王と戦ってみよう」
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