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2-2 おねショタ魔王と激突する。

料理、開始!

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「ちょっと待って、チサちゃん、聞いてもいいかな?」
「どうぞ」
「ひょっとして、生魚全般ダメな魔王?」

 まともな魚介は、エビくらいである。それ以外は、全て加工食品だった。

 ボクの問いかけに、チサちゃんは首を振る。

 よかった。企画自体がダメになるところだった。

「お刺身も、食べたことがある」

 焼き魚だって、川魚ならよく食卓に出てくる。だから、苦手という感じではない。

「でも、ホントに、これだけでいいの、チサちゃん?」
「うん。これが食べてみたい。どれも食べたことがあるけど、これだけは見たこともない」
「は、はい」

 仕方なく、ボクは缶詰をチョイスした。
 ツナだとマグロなので、ネウロータくんとかぶってしまう。
 よって、イワシにする。

「お前……マジか?」
 ネウロータくんも、チサちゃんの選んだ食材が特殊すぎて、呆然としていた。

「ありえない。これだけ新鮮な食材があるのに、見向きもしないなんて」

「今は時間がないから、味付けをしている余裕はない。素早く作るには、既に味のついてある食材がいいと判断した」

 すごいなチサちゃんは。
 勝負を持ちかけられた時点で、そこまで考えるなんて。
 本音は、早く食べたいんだろうね。

「許可しよう。マミ・ニム、合図をくれ!」
 ネウロータくんが、マミちゃんに号令するよう頼んだ。

「では、始めなさい!」
 マミちゃんが手を振り下ろし、料理対決が始まった。

 ボクは炊飯器にといだお米を投入する。
 直後、イワシ缶を開けてドボドボ入れた。

 トシコさんは、サザエとハマグリを炭火で焼いている。

「マミさん!」
「はい、冷蔵庫前アナの小羊ちゃん!」
 マミちゃんが実況、小羊ちゃんが冷蔵庫前レポーターを担当する。昔、こんな番組があったなと、少年時代を思い出す。

「ネウロータ選手による、マグロの解体ショーが始まっています!」

 見事な剣さばきで、ネウロータくんはマグロをスパスパと切り揃えていた。ああいうのがスキなんだね。

「へーえ、見事ですね! 会場内からも歓声が上がっていますよ!」

 あちらの喧噪に見とれることもなく、ボクは次の料理に取りかかった。

 カニカマを細かく刻んで、溶かした薄力粉と合わせる。

「そのお料理は、何ですか?」
 小羊ちゃんに、マイクを向けられた。

「カニクリームコロッケにします」
「カニカマで、ですか?」
「はい。カニカマでクリームコロッケを」

 これは、チサちゃんのリクエストだ。

 ボクには、子どもたちの好みなんて分からない。

 よって、チサちゃんの食べたいものを聞いて、作ることにしたのだ。
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