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2-4 街作りミッション。回転寿司屋さんを建てよう。

ダイキの前職

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「向こうの世界で、ダイキさんは何を?」



「フードライターです」


「まあ、美味しいお店とか回れて、うらやましいわ」

「いいえ、全然。社会面担当でした。アレルギー対策や食育、こども食堂の取材など、色々」

 舌が肥えていなかったせいである。
 ボクは大食漢だが、下戸で貧乏舌なのだ。
 なんでもおいしくいただけるのは、ありがたいけど。

「それで、お子さん向けの料理にお詳しかったのね」

「大層な物ではなくて。配属も、子どもに好かれていたという理由だけですし」

「立派だわ。子どもを大切になさっていらして」

 ありがとうございます、と返す。

「ネウロータくんの統治は、どんな感じですか?」

「あの子、言動はあんなだけど、周りをちゃんと見て人員配置しているわ。だらけ癖さえなければ、いい王様になるかも」

 咳払いをして、ボクは問いかける。

「えっと。聞きにくいんですけど、玉座って、王様と結婚するんですよね?」

「はい。私も最近知ったんだけれど」

「つまり、その。ネウロータくんのお嫁さんになるワケじゃないですか」

「……ああ、そういうこと?」

 どうやら、言わなくても察してくれたようだ。

「全然イヤじゃないわよ」
「それは分かります。ですから」

 なんで質問すればいいのだろう? 女性に聞くのは失礼だよなぁ。

「私も、夫婦らしいことなんて、まだしていないけれど、いずれはね」

 ボクの意図を察したのか、答えてくれた。

「いずれは、ですか?」
「うーん。今は想像すらできないけれど、ネウロータくんが興味を持ったら」
「そうですか」

 あんまりイメージできないなぁ。


 チサちゃんたちの様子はというと、もうすっかり打ち解けているようだ。本気で戦う方が、いいスキンシップになるみたい。

「でも、今は考えられないかな」
「どうしてです?」

 ボクが聞くと、トシコさんがボクの耳に口を近づけた。

「ここだけの話なんだけど。実はネウロータくん、私以外に玉座候補がいたみたいなの」



「本当ですか?」

 ネウロータくんは、浮気するタイプには見えないけど。

「私には気づかれてないと思っているみたいなのよね。時々、海を見つめて黄昏れていることがあるの」

 トシコさんが話しかけたら、我に返るらしいんだけど。

「本当はちゃんと、事情を聞きたい。私だって、色々なモノを捨てて玉座になるって決めたんだから。でも、ネウロータくんが話してくれるのを待つつもり」

 よいしょ、と、トシコさんが立ち上がる。 

「二人とも、ゴハンにしましょうか」

 トシコさんの一声で、トレーニングは終了した。
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