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2-7 ついに勇者登場! ダイキ、フルパワー!
白鯨イドの子孫たち
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「この度は、我が妹キュラ・ショガクと弟ネウロータ・ショガクのために心血を注いでくださって、ありがとうございます」
セイさんにとって、ネウロータくんが弟で、キュラちゃんが妹だって?
「そうか。セイは『セイレーン』。海の魔物。スキュラも海の魔物」
海のモンスター同士だから、血が繋がっていたのか。
「じゃあ、ネウロータくんは?」
「トリトン族です。みんな、白鯨イドの子孫です。ちなみにドレンはヒドラ族で同じ海洋生物ですが、両親が違います。血が濃すぎると、魔王と玉座の間にはなれませんので」
ドレンって、海に住むドラゴンだったんだね。
「セイさん、前にネウロータくんを呼び捨てにしかけていましたよね?」
「よく覚えていらっしゃいましたね、ダイキ様。ウカツでした。弟とはいえ、魔王を呼び捨てなど」
セイさんが、深く頭を下げる。
「お姉ちゃんまで邪魔するのかもん! だったら、家族でも容赦しないもん!」
キュラちゃんは、セイさん相手でも怯まない。
「そうですか、では、あなたのせいで、兄であるネウロータが落第してもよくて?」
「くう!?」
もし、キュラちゃんが他の魔王候補を襲って海のカードを奪っていたなら、ネウロータくんが大魔王に責められる。
たとえそれが、ネウロータくんのためだとしても。
そうなれば、魔王の資格剥奪は目に見えていた。
「あなたは偉大なる大魔王、ロイリ・ス・ギルの意向に背きました。重大なルール違反です。あなたはLOとして生きることさえ許されません。よって、排除致します」
セイさんの砲身が、キュラちゃんに向けられる。
「待ってください!」
ボクは、キュラちゃんの前に出た。
「道を空けてください。キュラに制裁を与えられません」
「いいえ。どきません」
ボクだけじゃない。
チサちゃんも、ボクの玉座から降りず、セイさんの攻撃を食い止めようとしてくれている。
「この子は、必死だったんだと思います。お兄さんがボクに負けて、海のカードを取り返そうとした。許される行為ではないと、確かに思います」
「だったら」
「でも、まだ分別もつかない子どもじゃないですか!」
ボクが反論すると、セイさんは首を振る。
「何をおっしゃいます。彼女たちはあなたより数倍も歳を重ねています。物事の善悪くらい、心得ておくべき」
そうだった。見た目で判断してはいけない。
キュラちゃんは小さいと言えど、一〇〇〇歳は超えているんだった。
「お分かりになりましたら、そこをどいてください」
「どきません。ボクは、キュラちゃんは話せば分かってくれるはずだと思っています」
ボクは、ネウロータくんの元へ。
セイさんにとって、ネウロータくんが弟で、キュラちゃんが妹だって?
「そうか。セイは『セイレーン』。海の魔物。スキュラも海の魔物」
海のモンスター同士だから、血が繋がっていたのか。
「じゃあ、ネウロータくんは?」
「トリトン族です。みんな、白鯨イドの子孫です。ちなみにドレンはヒドラ族で同じ海洋生物ですが、両親が違います。血が濃すぎると、魔王と玉座の間にはなれませんので」
ドレンって、海に住むドラゴンだったんだね。
「セイさん、前にネウロータくんを呼び捨てにしかけていましたよね?」
「よく覚えていらっしゃいましたね、ダイキ様。ウカツでした。弟とはいえ、魔王を呼び捨てなど」
セイさんが、深く頭を下げる。
「お姉ちゃんまで邪魔するのかもん! だったら、家族でも容赦しないもん!」
キュラちゃんは、セイさん相手でも怯まない。
「そうですか、では、あなたのせいで、兄であるネウロータが落第してもよくて?」
「くう!?」
もし、キュラちゃんが他の魔王候補を襲って海のカードを奪っていたなら、ネウロータくんが大魔王に責められる。
たとえそれが、ネウロータくんのためだとしても。
そうなれば、魔王の資格剥奪は目に見えていた。
「あなたは偉大なる大魔王、ロイリ・ス・ギルの意向に背きました。重大なルール違反です。あなたはLOとして生きることさえ許されません。よって、排除致します」
セイさんの砲身が、キュラちゃんに向けられる。
「待ってください!」
ボクは、キュラちゃんの前に出た。
「道を空けてください。キュラに制裁を与えられません」
「いいえ。どきません」
ボクだけじゃない。
チサちゃんも、ボクの玉座から降りず、セイさんの攻撃を食い止めようとしてくれている。
「この子は、必死だったんだと思います。お兄さんがボクに負けて、海のカードを取り返そうとした。許される行為ではないと、確かに思います」
「だったら」
「でも、まだ分別もつかない子どもじゃないですか!」
ボクが反論すると、セイさんは首を振る。
「何をおっしゃいます。彼女たちはあなたより数倍も歳を重ねています。物事の善悪くらい、心得ておくべき」
そうだった。見た目で判断してはいけない。
キュラちゃんは小さいと言えど、一〇〇〇歳は超えているんだった。
「お分かりになりましたら、そこをどいてください」
「どきません。ボクは、キュラちゃんは話せば分かってくれるはずだと思っています」
ボクは、ネウロータくんの元へ。
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