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2-7 ついに勇者登場! ダイキ、フルパワー!

ダイキとネウロータの友情

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「ネウロータくん。この子の心を開くためには、キミが必要だ。キミに説得してもらいたい。キミの言葉なら、きっと彼女だって分かってくれるはずだ」
 
 ネウロータくんは、ボクの頼みをうつむきながら聞いている。

「どうして、そこまでしてくれるんだ? ぼくは、お前をバカにしていたんだぞ」

「それはそれ。ボクだって、聖人じゃないから頭にくることだってある。でも、誰かの命が理不尽に奪われるなんてさ、イヤじゃないか」

 消滅するなら、納得した上で消滅すべきだ。
 意外そうな顔をして、ネウロータくんは鼻で笑う。
「てっきり、『友だちだから』とか、安っぽい友情を謳うのだとばかり思っていたよ」

「言ったろ。ボクだって選ぶ権利はあるんだ。トシコさんとは、仲良くなれそうだけど」

「ハッキリ言うなぁ。あはは!」
 やっとボクたちは、本当に仲良くなれた気がする。

 けれど、彼はまだ心を全部さらしていない。彼が何を考えているのか、よく分からないのだ。でも。

「妹さんが相手なら、キミもどんな言葉が必要なのか、分かるはずだ」

 ネウロータくんはチサちゃんの方を向く。

「お前の玉座、すげえな」

「ダイキはそういう人。薄っぺらいセンチメンタルに踊らされたりはしない。考えた上で行動している」
 最上級の賛辞をもらって、ボクは照れる。

「おいキュラ! ぼくは、トシコさんと共に行く。お前はお前の道を行け!」
「どうしてだもん! ワタシだって、お兄ちゃんと一緒に行きたいもん!」


「お前に、一人前になってもらいたいからだ!」
 キュラちゃんは、黙り込む。
「お前はいつも、ぼくの後ろをついてきていた」


「それがわずらわしくなったのかもん?」
 卑屈な言葉を放つキュラちゃんに、ネウロータくんは首を振った。


「違う。ぼくだって、誰かを守っているのは誇らしかった」

「だったら、これからもずっと守って欲しいもん。お兄ちゃんの背中はワタシが守るもん」

 聞き分けのないキュラちゃんに、ネウロータくんも困惑している。 

「ヤバいね。ヤンデレだ」
 オンコが、難しい顔をした。

「悪い子じゃないだけ、タチが悪いな」

 エィハスの言うとおりだ。


 キュラちゃんは寂しいだけで、本心では他の魔王たちをいじめるつもりはない。
 お兄ちゃんに振り向いて欲しいだけ。

「だが、このままにはしておけないのである。ネウロータ殿の人生は、ネウロータ殿のものである」

 さすが老獪ゼーゼマン、まったくの正論である。
 それゆえに、今回の件は難しい。

 どのみち、キュラちゃんを傷つけてしまうから。
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