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4-2 今度は団体戦だ!
予選終了
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これで、全てが終わった。
大魔王ラヴクラホテップとの決着をかけた、ボクたちの戦いが。
「はあ、はあ」
持っていたより、緊張がすごい。
思えば、接戦だった。
第一試合では、わずかに勇者側にリードされていたし。
第二試合で巻き返せれば、と思っていた。
けれど、それでもイクミちゃんの猛攻がすさまじくて。
「結局、最後まで戦局を見極めていたのは、チサだけだったな」
「そうね。チサちゃんががんばってくれたから、他の魔王だって全力を出せたんだわ」
ネウロータくんとトシコさんは、冷静だ。
どんな結果になっても受け入れるだろう。
「クク様、ワタシたちは、勝てたんでしょうか?」
「もちろんですわ! ヨアンはがんばりましたもの! 報われるに決まっていますわ!」
そうはいうが、ヨアンさんを励ますククちゃんの目は笑っていない。
ホントに、どこまでの差なのか。
『では、結果発表でーす!』
魔王側の生き残りは、たったの四人だけだった。
チサちゃん、マミちゃん、ネウロータくん、そして、ヨアンさんである。
「くっ……」
「玉入れで、恐ろしい数の魔王が散りましたからねぇ。我々が生き残っただけでも奇跡です」
マミちゃんを、ケイスさんが励ます。
『続いて、勇者チームでーす! えっと、二人でーす!』
勇者側の生き残りは、イクミちゃんともうひとりの勇者だけだった。
ということは。
『ラヴクラホテップ討伐の挑戦権は、魔王側のものとなりました! この四人で、邪神ラヴクラホテップの根城へ向かってもらいまーす!』
「はあああ」
安堵が押し寄せてきた。ボクは膝から崩れ落ちる。
よかった。一時はどうなるかと思ったけれど……。
「あたしも、終盤の終盤まで、これが魔王側と勇者側のチーム戦だって、すっかり忘れていたわ」
「ダイキさんがいなければ、失念していたところでした。まあ、私が言ったところで、マミ様は直そうなどとは考えなかったでしょうけれど」
「あなたは口を挟まないで!」
「んほおおお!」
マミちゃんとケイスさんの、久々のドツキ漫才が見られた。
それだけで、日常に帰ってきたんだなと思える。
「イクミ……」
チサちゃんは、イクミちゃんを見つめた。
うつむきながら、イクミちゃんは唇をかみしめている。
この中で、誰よりもラヴクラホテップ打倒に燃えていた少女が、ここで脱落した。
「さすがだ。チサ・ス・ギル」
「……?」
ディエロゴに称賛されて、チサちゃんはキョトンとしている。
「あれだけの混戦の中、自分の仕事をこなした。お前は仲間を守りつつ、自分のポジションを確保していた。スタンドプレーばかりのイクミとは、大違いだった。お前が勝って、当然だ」
「わたしは、わたしは……」
「さらばだ」
ディエロゴに肩を抱かれながら、イクミちゃんが去っていく。
その背中は、悲しげだ。
しかし、そんなムードを、ロイリさんの気の抜けた声が台無しにした。
『なお、後日、敗者復活戦を行いまーす!』
大魔王ラヴクラホテップとの決着をかけた、ボクたちの戦いが。
「はあ、はあ」
持っていたより、緊張がすごい。
思えば、接戦だった。
第一試合では、わずかに勇者側にリードされていたし。
第二試合で巻き返せれば、と思っていた。
けれど、それでもイクミちゃんの猛攻がすさまじくて。
「結局、最後まで戦局を見極めていたのは、チサだけだったな」
「そうね。チサちゃんががんばってくれたから、他の魔王だって全力を出せたんだわ」
ネウロータくんとトシコさんは、冷静だ。
どんな結果になっても受け入れるだろう。
「クク様、ワタシたちは、勝てたんでしょうか?」
「もちろんですわ! ヨアンはがんばりましたもの! 報われるに決まっていますわ!」
そうはいうが、ヨアンさんを励ますククちゃんの目は笑っていない。
ホントに、どこまでの差なのか。
『では、結果発表でーす!』
魔王側の生き残りは、たったの四人だけだった。
チサちゃん、マミちゃん、ネウロータくん、そして、ヨアンさんである。
「くっ……」
「玉入れで、恐ろしい数の魔王が散りましたからねぇ。我々が生き残っただけでも奇跡です」
マミちゃんを、ケイスさんが励ます。
『続いて、勇者チームでーす! えっと、二人でーす!』
勇者側の生き残りは、イクミちゃんともうひとりの勇者だけだった。
ということは。
『ラヴクラホテップ討伐の挑戦権は、魔王側のものとなりました! この四人で、邪神ラヴクラホテップの根城へ向かってもらいまーす!』
「はあああ」
安堵が押し寄せてきた。ボクは膝から崩れ落ちる。
よかった。一時はどうなるかと思ったけれど……。
「あたしも、終盤の終盤まで、これが魔王側と勇者側のチーム戦だって、すっかり忘れていたわ」
「ダイキさんがいなければ、失念していたところでした。まあ、私が言ったところで、マミ様は直そうなどとは考えなかったでしょうけれど」
「あなたは口を挟まないで!」
「んほおおお!」
マミちゃんとケイスさんの、久々のドツキ漫才が見られた。
それだけで、日常に帰ってきたんだなと思える。
「イクミ……」
チサちゃんは、イクミちゃんを見つめた。
うつむきながら、イクミちゃんは唇をかみしめている。
この中で、誰よりもラヴクラホテップ打倒に燃えていた少女が、ここで脱落した。
「さすがだ。チサ・ス・ギル」
「……?」
ディエロゴに称賛されて、チサちゃんはキョトンとしている。
「あれだけの混戦の中、自分の仕事をこなした。お前は仲間を守りつつ、自分のポジションを確保していた。スタンドプレーばかりのイクミとは、大違いだった。お前が勝って、当然だ」
「わたしは、わたしは……」
「さらばだ」
ディエロゴに肩を抱かれながら、イクミちゃんが去っていく。
その背中は、悲しげだ。
しかし、そんなムードを、ロイリさんの気の抜けた声が台無しにした。
『なお、後日、敗者復活戦を行いまーす!』
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