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4-3 ラストダンジョンへ!

力を合わせないと、抜けられないダンジョン

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 周りを見回すと、誰もいなくなっていた。

「マミちゃん、ケイスさん!?」

 右を見ても、誰もいない。

「ネウロータくんトシコさん!?」

 左を見ても、同様だった。

「クク、ヨアン!」

 チサちゃんが呼びかける。でも、応答がない。

「はぐれちゃったね。どうしよう?」
「ダイキ、大丈夫。進んでいけば、いつかは会える」

 ボクの不安をかき消すように、チサちゃんはあっけらかんと語った。

 うまくいくといいけれど。

「ダイキと二人きりって、久しぶり」
「そうだね。ずっと、バタバタしていたからね」

 思えば、ボクたち二人の間には、いつも仲間がいた。
 いてくれたんだ。
 ワイワイ、ガヤガヤと、いつもにぎやかで。
 でも、ちっとも煩わしいなんて思ったことはない。

 誰もいないと思うと、ぽっかり胸に穴が空いたみたいになっている。

 静かな反面、すごくさみしい。

「いつも側にいてくれた人たちがいないって思うと、さみしいね」
「ダイキ、わたしがついてる。大丈夫」

 ボクを安心させてくれているのか。チサちゃんの心遣いが、うれしい。

「うん。チサちゃん、一緒に行こう」

 久しぶりに、チサちゃんを着ぐるみの前に乗せる。
 これが、本来の玉座スタイルだ。

 しかし、玉座が消えてしまった。ボクたちをつなぐはずの、玉座が。

「あ、あれ!?」

 危うく、チサちゃんを落とすところだった。すんでのところで、チサちゃんを抱きかかえる。

「ふう、危なかった」
「ここからは、二人であるきなさいってことみたい」
「うん。手をつないで歩こう」

 チサちゃんの小さい手をつなぎ、ボクたちは進んでいく。

 石レンガ造りの、長い廊下に出た。

「おお、ギロチンのトラップ」

 ギロチンの振り子が、ボクたちの行く手を遮る。

「床は、回転ノコギリの罠があるね」

 回転ノコギリが、床一面に張り巡らされていた。

「ここは、ボクに任せて!」

 チサちゃんを抱きかかえて、ボクは慎重に進む。

「ダッシュ移動で、一歩ずつ」

 少しずつだが、ダッシュ移動で的確に突き進んでいった。

 上にはギロチン、床はノコギリが待つ最終ポイントへ。

 ここを抜けたら、ボス部屋だ。

「タイミングを見計らって、それ!」

 どうにか脱出する。

「次は、消える床だな」

 巨大な穴に、小さな床が消えては現れていた。

 ランダムに消えては現れる床が、次のポイントだ。

 穴の下は見えない。

「ここはわたしに任せて」

 チサちゃんが、ボクの身体に触れる。

 すると、ボクの身体が縮んだ。

 チサちゃんが、小さくなったボクを肩に乗せる。

 バツグンの記憶力で、チサちゃんは消える床フロアを難なくクリアした。

 なるほど。フロアによってボクとチサちゃんが入れ替わって抜けるダンジョンなんだな。
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