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4-3 ラストダンジョンへ!

◯ックスしないと出られない部屋

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 エィハスと別れて、ボクたちはダンジョンを進んでいく。

 今までのダンジョンと比較して、落ち着かない。照明が終始ピンク色なのも、不安を誘う。

「アレ」の形をした意味深な像や、女性の裸体を模した石像などが並ぶ。入り口も、いかにもな形だったし。壁もイボイボなのだ。

「これは、【秘宝館】だね」
「ひほうかんって?」
「チサちゃんは、わからなくていいよ」

 コドモの教育に悪い。いつかは覚えないといけない知識なのは、確かだ。でもちょっと、チサちゃんにはまだ早いかなぁ。なんて教えてあげたらいいのか。

 しかも秘宝館なんて、結構アブノーマルだよ。性の知識が歪みかねない。

「壁にレバーのようなのがたくさん。ビクビクしてる」

 たしかに、何本ものレバーらしきものが、横一列に並んでいた。OH! よく見るとそのレバー、モザイクが掛かってるじゃん!

「チサちゃん、それは触っちゃダメだよ! バッチイからね!」
「……? 隠し扉のスイッチかも」
「ないない。それは、チサちゃんが触ってもOKなものじゃないよ。離れよう」

 そそり立つレバーをさけながら、ボクらは先を急ぐ。

「こんにちは」

 壁に持たれている何者かに、チサちゃんは話しかけた。

 返事はない。ただの……なんだこれ?

「等身大の人形人形だね」
「顔が、アヒルのおもちゃみたい」

 言われてみれば、よく似ている。

 しかし、これもヒワイな商品の類みたいだ。関わらないようにしよう。

「ダイキ、隠し扉の気配」

 チサちゃんが立ち止まった。

 壁に、赤いボタンがある。

 各通路を渡っても、他に道はない。階段らしきものも、見当たらなかった。ここがゴールらしい。

「開けてみようか?」
「うん。ワナかもしれないけど、そんな感じでもない」

 チサちゃんが言うには、ここにはボスらしき気配はないという。
 しかし、なんらかの試練をクリアするタイプかも、とのこと。

「行こう」

 どんなトラップがあるかはわからない。しかし、突破しなければ先はないんだ。

「押すね」
「うん」

 チサちゃんがボタンを押すと、壁がゴゴゴ、と音を立ててズレていった。

「なんだなんだ!?」

 壁がひとりでに動き、ボクとチサちゃんを取り囲む。

 隠し扉の向こうは、寝室だった。

 照明もピンク色のままだ。

 出口らしきものに書かれた文字を、チサちゃんが読み上げる。 


「◯ックスしないと出られない部屋、って書いてある」


 うわあ、頭の文字が消されている段階で、悪意しか感じないよ。

「ごきげんよう、チサ様、ダイキ様」
「ああ、セイさ……セイさん!?」

 ボス部屋を担当しているのは、セイさんだった。
 しかし、ボンテージ姿である。 
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