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4-4 運命の戦い! それぞれの世界線!

ククとヨアンの思い

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 ボクたちが、ヨアンさんを焚き付けていた。
 のほほんと、なんとなく魔王を目指していたつもりだったんだけど。

「ダイキさん、最後の勝負ですわ! 誇らしく戦いましょう!」
「うん、ボクも負けないよ」

 抜きつ抜かれつの、デッドヒートを繰り広げる。
 しかし、なかなかククちゃんやヨアンさんにボディタッチできない。
 バランスを崩しかねない微妙な差で、ヨアンさんはバイクを操る。

 
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ 


「クク様、たまにはこういうのもいいな!」

 バイクをかっ飛ばしながら、ヨアンはククに語りかけた。

「レースより、もっと落ち着いたドライブがいいですわ」

 ギュッと、ククが腰を抱く手に力を入れていくる。

「はは。それもそうか」

 思えば、ククとこうして二人でどこかへ行くなんてことは、めったにない。日光が苦手なククのため、ほぼ引きこもりに近かった。

「じゃあ今度は、海に近いところで走ろうぜ」
「約束ですよ」
「ああ。でもまずは」

 横の魔王コンビを見る。

「魔王退治からだな」

 ヨアンは、アクセルを全開にした。

「やっぱ強いな。全開で引き剥がしているってのに、すぐ追いついてきやがる」

 これまで、ヨアンは他の魔王ともレースをしたことがある。
 足元に転がっていた天使たちも、ヨアンにケンカを挑んできた者たちだ。
 何度も勝負を挑まれては、返り討ちにしてきた。
 負けた彼らから力を吸収して、ヨアンはさらに力を得ている。

 ここまで手応えのある相手と巡り会えたことは、今まで一度たりともない。

 恐れとともに、興奮もしてきた。彼らなら、自分の限界まで引き出してくれるのではないかと。

「わたくしは、ちゃんと玉座をやれているでしょうか、ヨアンお嬢様?」

 押され始めて弱気になっているのか、ククが尋ねてくる。

「やれているとかいないとかじゃない。私たちで、最高の魔王と玉座になるんだよ」
「……はい、そうですよね!」

 ククを困らせているのは、ヨアン自身の心が弱いからだ。
 だから、結果を出す。


~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~

 
 直線に入ったところで、ようやくボクたちは並んだ。

「最後の勝負だ。飛ばすぜ!」

 ここに来て、またもヨアンさんが加速した。加速用の魔力も、残り少ないはずなのに。どこで温存する余裕があったというのか。

 ヨアンさんたちにタッチできなければ、ボクたちは負けてしまう。

「見たかハメルカバーッ! テメエの力なんざ借りなくても、私はここまでできるんだ!」

 勝利を確信してか、ヨアンさんが勝ち誇る。

 ボクたちがつけ入るスキは、この油断しているときだ。


「ダイキ。わたしを向こうへ放り投げて」
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