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4-4 運命の戦い! それぞれの世界線!

ディエロゴの正体

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「チサちゃん、危ないよ!」
「大丈夫。ダイキなら任せられる」

 チサちゃんは、ボクを信頼しきっているようだ。

「わかった。行くよ!」

 ボクは、チサちゃんを抱え上げた。

「せーの!」

 ふわっと、チサちゃんが宙を舞う。
 ヨアンさんとククちゃんが、驚きの表情を見せる。
 その間に、ボクは減速した。反対側の車線へ向かう。
 チサちゃんの手が、ククちゃんの背に触れた。
 ボクは、反対車線に並走してチサちゃんを受け止める。

 その直後、ボクとヨアンさんのバイクはゴールラインを割った。

 ゆっくりと減速して、ボクたちはバイクを止める。
 同時に、ヨアンさんたちもバイクを停車した。

「あー。負けましたぁ」

 地べたに寝転がって、ヨアンさんがため息をつく。話し方も、いつもの調子に戻っていた。

「決戦はおそらくイクミさんでしょう。その前に、我々の魔力をお分けします。ヨアン様」
「はい。それっ」

 ククちゃんとヨアンさんが、テーブルとコーヒーのセットを用意する。イクミちゃんとの戦いの前に、ブレイクタイムにしようとなる。

「本気モードになったら、勝てると思ったんですが」

 とはいえ、ボクはこのヨアンさんの方がいいな。

「ダイキさんとは、一度本気で戦いたかったのです」

 ヨアンさんが、ククちゃんを抱き上げた。

「ボクと?」
「はい。これまでの玉座とは、まったく印象の違う方でしたので」

 そうだったのか。みんなから言われるなぁ。

「すごい試合でした。もう悔いはありません」
「はい。ごちそうさまでした」

 ククちゃんも、チサちゃんと握手をする。

「楽しかったですわ」
「本気になったら、なんでも楽しい」
「そうですわね。この楽しさを、あのイクミさんも気づければいいんですが」
「なんとかする」

 チサちゃんは、決意を新たにしたようだ。

「ダイキさん、どうかイクミさんに勝ってくだだい。あと、邪神ラヴクラホテップにも」
「我がライバルのチサ、ダイキさん、ごきげんよう」

 ヨアンさんとククちゃんが、手を振る。

「ありがとうございます。行ってきます」

 ボクは、別れを告げ、最後の扉を開く。



 赤茶色い扉の先には、イクミちゃんが立っていた。
 隣には、ディエロゴもいる。相変わらず全身がヨロイ姿で、素顔が見えない。

「やっぱり、あんたが最後の相手だって思ってたよ」
「さすが、我が別の世界線だけある」

 イクミちゃんとディエロゴが、もったいぶった口調で語る。

「別の世界線って?」
「まだ、わからない。ワタシは別の世界線にいるチサ・ス・ギル」
「キミが、チサちゃんだって!?」
「そう。ワタシは『チサが勇者だった可能性の世界線』からきたチサ。そして……」

 ディエロゴが、カブトを脱ぐ。

「え、ボク!?」


 そこにいたのは、ボクとまったく同じ顔をした男がいた。


「オレは、別世界線のダイキ・オサナイだ」
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