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第二章 後輩ウザかわいさが、とどまるところを知らない(自称
ウザい後輩と、ジェットコースター
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アンズ会長の姿が見えたので、クルミはいつものネコをかぶる。
「おかえりなさいませ、姉さん」
「ただいま~。楽しかったぁ」
アンズ会長は、ご満悦の様子だ。
「想像以上にきついぞ、リクト。平気か? 具合悪くなったら、言えよ」
「お気遣いどうも。俺は平気だ。待っててくれ」
誠太郎は「やれやれ」と腰に手を当てる。
「クルミちゃんの前で、いい顔しようなんて思うことないんだからな」
「誰が。俺は自分が乗りたいから、乗るだけだぜ」
「だといいけどな」
先頭のシートに座り、俺とクルミはセーフティをつけられる。
「下のベンチで待ってるからな。無理するなよ」
「おう」
ガクン、とコースターが動き出す。
もうそれだけで、心臓が跳ね上がりそうになった。
「ホントに平気なんスか? 今からでも泣き叫べば、止めてくれるかもッスよ?」
「誰が泣き叫ぶか! お前の方こそ、俺についてこなくても良かったんだぜ」
強がっているが、手汗がスゴイ。
「何をおっしゃいますやら! 先輩がギャーギャーわめく瞬間をこんな特等席で堪能できる機会なんて、もう絶対にないッス。ぜひとも鑑賞させていただきたいッスね!」
「意地の悪いやつだな。安全装置を持つ手が震えてるじゃねえか」
罵り合っている間にも、景色が変わっていく。もうすぐこの細い道を、急スピードで駆け下りるのだ。
「ほらほら、もう空しか見えねえぞ。あと数秒で落っこちる!」
「待って待って。言わないでほしいッス。せっかく先輩をおちょくって忘れようとしていたのに! 先輩あたしの気を紛らわすためにもっと情けない顔見せて!」
「ガチで性格悪いなお前! 必死すぎ! お前なんて奈落に落ちちまえ! 落ちろ落ちろ落ちる落ちるぅ!」
俺たちの足は、宙に浮いた。
「あぎゃああああああああ!」
「ひああああああ!」
もう悲鳴しか口から出ない。
景色を楽しむ余裕さえなく、ひたすら轟音と揺れに翻弄される。
「ふううううううああああああ!」
浮遊感とともに、視界が反転した。
「ほっほっほ~っ!」
放心しきったクルミは、半笑いになっている。
「あばばばばば!」
蛇のようにクネクネしたコースへ突入した。
もうどこが地上なのか分からない。
「いいいいいつまで続くんだよこれ!」
クネクネがどこまでも続く。
目が回っているのかマシンが回っているのか。
ようやく、地獄が終わった。
クルミを見ると、同じように青ざめている。
髪のセットは乱れ、立てそうにない。
「手を貸そうか?」
「お願いするッス」
そう言いつつ、俺の方も足がふらついた。限界だったのだろう。階段を降りるときに足を滑らせた。
「うわ!」
足を踏み外し、転倒しそうになる。
「クルミ!」
俺はとっさに、クルミを抱き寄せた。
なんとか、クルミだけでもケガをさせないようにしないと。必死だった。
「むぐう!」
俺は、どうにか受け身を取る。
頭も打っていない。
だが、妙に柔らかい感触が、顔を覆っている。
「ふわあ」
俺の頭の上から、クルミの声がした。
「無事か?」
モゴモゴと話しづらい中、クルミに声をかける。
「しゃべらないでッス! くすぐったいッス!」
悲鳴にも似た声で、クルミが抵抗した。
それにしても、重い。いったい、顔に何が載って。
「ぷはあ!」
ひとりでに、顔に載っていた物体がふわりと浮く。
クルミの胸が。
「あ、あ」
さっきまで青かったクルミの顔が、段々と熱を帯びてくる。
「ちょっと大丈夫、クルミ?」
「ひゃああああ!」
ヘッドバットを食らわせ、クルミは俺から離れた。
俺の視界は、ジェットコースターに乗ったときより、生死をさまよっている。
「リクト、無事か?」
アンズ会長たちが、俺たちに駆け寄った。
「うう、悪い」
体調がまだ優れない。
クルミの方も、胸を抑えてへたり込む。
「もうちょっと休んでから、お昼にしよっか」
「賛成だ。俺はベンチで休んでるから、二人はもうちょっと楽しんでこいよ」
這うように、俺はベンチへと腰掛ける。
「いいの? クルミも一緒にどう?」
アンズ会長に呼びかけられたが、クルミは首をふるだけで答えた。
「おーいリクト、ほらよ」
「ありがたい。サンキュ」
「オレらはさっき飲んだから、気にすんな」
誠太郎から、ペットボトルの茶をもらう。飲みきりサイズというありがたさだ。
「はい、これはクルミちゃんの分」
クルミのは紅茶である。
「すいません。立て替えます」
「いいって、お茶くらいごちそうするからさ。今日はありがとうね、クルミちゃん」
こういうさりげない気配りができるからこそ、誠太郎は周りから信頼が厚い。
「昼のジュースは俺が出す。それで勘弁」
「じゃあ特製ジュースでももらおっかな。じゃあ」
無理やり誠太郎はアンズ会長の手を引き、俺たちに手を振った。
「さっきは、悪かった」
胸を触ってしまったことを、詫びる。
「気にしてないッス。それより酔いの方が堪えてるッス」
あそこまで目が回るとは思っていなかった。
「いい人ッス、大杉先輩。姉さんが惚れたのも、分かるッスね」
「最高の友達だ」
「姉さんから、大杉先輩の悪口って聞いたことないッスよ」
まあ、悪口を言うなら付き合わないよな。
「おかえりなさいませ、姉さん」
「ただいま~。楽しかったぁ」
アンズ会長は、ご満悦の様子だ。
「想像以上にきついぞ、リクト。平気か? 具合悪くなったら、言えよ」
「お気遣いどうも。俺は平気だ。待っててくれ」
誠太郎は「やれやれ」と腰に手を当てる。
「クルミちゃんの前で、いい顔しようなんて思うことないんだからな」
「誰が。俺は自分が乗りたいから、乗るだけだぜ」
「だといいけどな」
先頭のシートに座り、俺とクルミはセーフティをつけられる。
「下のベンチで待ってるからな。無理するなよ」
「おう」
ガクン、とコースターが動き出す。
もうそれだけで、心臓が跳ね上がりそうになった。
「ホントに平気なんスか? 今からでも泣き叫べば、止めてくれるかもッスよ?」
「誰が泣き叫ぶか! お前の方こそ、俺についてこなくても良かったんだぜ」
強がっているが、手汗がスゴイ。
「何をおっしゃいますやら! 先輩がギャーギャーわめく瞬間をこんな特等席で堪能できる機会なんて、もう絶対にないッス。ぜひとも鑑賞させていただきたいッスね!」
「意地の悪いやつだな。安全装置を持つ手が震えてるじゃねえか」
罵り合っている間にも、景色が変わっていく。もうすぐこの細い道を、急スピードで駆け下りるのだ。
「ほらほら、もう空しか見えねえぞ。あと数秒で落っこちる!」
「待って待って。言わないでほしいッス。せっかく先輩をおちょくって忘れようとしていたのに! 先輩あたしの気を紛らわすためにもっと情けない顔見せて!」
「ガチで性格悪いなお前! 必死すぎ! お前なんて奈落に落ちちまえ! 落ちろ落ちろ落ちる落ちるぅ!」
俺たちの足は、宙に浮いた。
「あぎゃああああああああ!」
「ひああああああ!」
もう悲鳴しか口から出ない。
景色を楽しむ余裕さえなく、ひたすら轟音と揺れに翻弄される。
「ふううううううああああああ!」
浮遊感とともに、視界が反転した。
「ほっほっほ~っ!」
放心しきったクルミは、半笑いになっている。
「あばばばばば!」
蛇のようにクネクネしたコースへ突入した。
もうどこが地上なのか分からない。
「いいいいいつまで続くんだよこれ!」
クネクネがどこまでも続く。
目が回っているのかマシンが回っているのか。
ようやく、地獄が終わった。
クルミを見ると、同じように青ざめている。
髪のセットは乱れ、立てそうにない。
「手を貸そうか?」
「お願いするッス」
そう言いつつ、俺の方も足がふらついた。限界だったのだろう。階段を降りるときに足を滑らせた。
「うわ!」
足を踏み外し、転倒しそうになる。
「クルミ!」
俺はとっさに、クルミを抱き寄せた。
なんとか、クルミだけでもケガをさせないようにしないと。必死だった。
「むぐう!」
俺は、どうにか受け身を取る。
頭も打っていない。
だが、妙に柔らかい感触が、顔を覆っている。
「ふわあ」
俺の頭の上から、クルミの声がした。
「無事か?」
モゴモゴと話しづらい中、クルミに声をかける。
「しゃべらないでッス! くすぐったいッス!」
悲鳴にも似た声で、クルミが抵抗した。
それにしても、重い。いったい、顔に何が載って。
「ぷはあ!」
ひとりでに、顔に載っていた物体がふわりと浮く。
クルミの胸が。
「あ、あ」
さっきまで青かったクルミの顔が、段々と熱を帯びてくる。
「ちょっと大丈夫、クルミ?」
「ひゃああああ!」
ヘッドバットを食らわせ、クルミは俺から離れた。
俺の視界は、ジェットコースターに乗ったときより、生死をさまよっている。
「リクト、無事か?」
アンズ会長たちが、俺たちに駆け寄った。
「うう、悪い」
体調がまだ優れない。
クルミの方も、胸を抑えてへたり込む。
「もうちょっと休んでから、お昼にしよっか」
「賛成だ。俺はベンチで休んでるから、二人はもうちょっと楽しんでこいよ」
這うように、俺はベンチへと腰掛ける。
「いいの? クルミも一緒にどう?」
アンズ会長に呼びかけられたが、クルミは首をふるだけで答えた。
「おーいリクト、ほらよ」
「ありがたい。サンキュ」
「オレらはさっき飲んだから、気にすんな」
誠太郎から、ペットボトルの茶をもらう。飲みきりサイズというありがたさだ。
「はい、これはクルミちゃんの分」
クルミのは紅茶である。
「すいません。立て替えます」
「いいって、お茶くらいごちそうするからさ。今日はありがとうね、クルミちゃん」
こういうさりげない気配りができるからこそ、誠太郎は周りから信頼が厚い。
「昼のジュースは俺が出す。それで勘弁」
「じゃあ特製ジュースでももらおっかな。じゃあ」
無理やり誠太郎はアンズ会長の手を引き、俺たちに手を振った。
「さっきは、悪かった」
胸を触ってしまったことを、詫びる。
「気にしてないッス。それより酔いの方が堪えてるッス」
あそこまで目が回るとは思っていなかった。
「いい人ッス、大杉先輩。姉さんが惚れたのも、分かるッスね」
「最高の友達だ」
「姉さんから、大杉先輩の悪口って聞いたことないッスよ」
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