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1-2 変質したダンジョンを、殴りに行きます
ダンジョン攻略でオラつく!
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ブロードソードにエンチャントを施し、次々と殴っていく。
「あおら。あおら、あおらぁ!」
ゴブリンやゾンビ、スケルトンなどの敵をなぎ倒していった。
光状に漂う魔力の塊が、宝石へと変化する。
なるほど、最初は実体を持たないのか。
それを、魔族は直接体内へ取り込むと。人間の場合だと、宝石という形で手にできるのか。
サピィのいうフィーンド・ジュエルなる魔法石を、ブレスレットが吸い込む。
装備に宝石をはめ込むにも、コナツがいない。
今は、ブレスレットにしまっておく。
「おお、メイスだ。こっちは、弓か」
弱いモンスターでは、どれも安いアイテムしか出ない。
「アイテムボックスが、かさばってしまうな」
「それでしたら、私が買い取りましょう」
言って、サピィが不用品を自分のカバンに詰め込んだ。
「いいのか?」
「私、一応商業ギルドに顔が利きます。【アイテム転送】スキルも使えますので」
契約している武器屋にアイテムを直接転送して、売却ができるという。
商業ギルドにとっては、必須のスキルらしい。
サピィの副業は、商人だそうだ。
「おおそうか。助かる」
ならば、コナツ・フドーを紹介してやろう。
「いっそ、不要アイテムや装備不可能な品は、ドロップの時点で換金できるようにしましょう」
「そんなことができるのか?」
「魔族ですから、このくらいは」
ただしレアでもないので、値段はお察しとのことだ。
それでも、ありがたい。ドロップ品を換金するために、武器屋へ戻らないで済む。
「こういう捨てたものを、またモンスターが食って成長すると」
「はい」と、サピィはうなずく。
「小銭を落とす場合もございます。それは、冒険者が落としたり宝箱から漏れ出したりしたものを食べるのです」
「どうして、アイテムなんて食おうとするんだ?」
鉄や、木など有機物を取り込むならわかるが。
「人が扱う武器には、魔力が宿るからです」
モンスターは貪欲だ。魔力を帯びたものなら、なんでも食う。死体でなくても。
「まれに強力な武器を食べて、強化するモンスターもおりますね」
「なるほど。おらあ!」
数体のスケルトンを、エンチャント武器で一掃する。
第一階層フロアボスの、コングが立ち塞がった。初心者にとっての壁である。
こいつも弱そうだと思っていたら、シーデーが単身前に出た。手のひらを、コングに向けて伸ばす。
「サピエル嬢、ここはおまかせを」
シーデーの【指マシンガン】が、火を吹く。
蜂の巣になったコングが、仰向けに倒れる。
コングがアイテムとなって、その向こうに下り階段が現れた。
このダンジョンは、全部で三層からなっている。
下に降りていくほど、敵も強い。その分、いいアイテムが手に入る。このダンジョンをクリアすることが、初心者突破の条件だ。
腕試しにはいいが、俺たちのレベルでは物足りない。サピィの力がいかほどか知りたかったのだが、いくらなんでも敵が弱すぎる。
「二階へ進むぞ。このまま順調に奥へと……おう!?」
降りて早々に、ウェンディゴの太い腕が俺の背中を殴った。
俺は前へつんのめる。
「大丈夫ですか?」
サピィが杖から雷の矢を放ち、ウェンディゴを仕留めた。
「すまん、油断した」
二階層に入っただけで、魔物の数が激増している。
「スキルの見直しをするか。これがいいな」
見つけたのは、【ボルト・スキン】というスキルだ。電気の膜を身体に帯びて、攻撃してきた相手を感電させるのである。
「これだな。装備品にセットしておこう」
スキルは、身につけている防具に取り付けることも可能だ。威力は弱まるが、魔法のかけ忘れを防ぐ。
無防備な俺のスキを突いて、さっそくウェンディゴ別個体が。大きい腕を振り回して、俺にラリアットを仕掛ける。
いつでも来い! 感電死させてやるぜ!
ウェンディゴは俺に触れる直前、電流を流されて絶命した。
「すごい威力だな。装備に常備させるだけで大幅にパワーが半減するのに」
その後も、ボルト・スキンは活躍することに。
リザードの足払いすら、意に介さない。いつもは転がされて、大ダメージを受けるのに。
いかに、近距離スキルをおろそかにしていたかがわかる。
どれだけクリムに頼りっぱなしだったか、俺は思い知らされた。
これなら、ミノタウロス戦でも期待できそうである。
第二階層のボスは、レイスだ。
幽体であり、普通の物理攻撃は通用しない。普通のならば。
「こいつはどうかな? おらあ!」
炎魔法をエンチャントしたブロードソードの一撃で、レイスを撃破する。
「やりましたね」
まあ、弱点だらけの敵だから、うまくいったのだろう。
とはいえ、勝ててよかった。
ようやく、ミノタウロスの待つ地下三階まで進んだ。
「ただ、気になるな」
「どうかなさいましたか?」
「気のせいかも知れないが、初級ダンジョンにしては、魔物が強くなっている」
一階は相変わらずの弱さだったが、二階からの敵は格が違う。
わずかにピンチを迎えたことも多くなった。といってもケガをする程度だが。
「オーガ亜種より、確実に強いだろうな」
「あおら。あおら、あおらぁ!」
ゴブリンやゾンビ、スケルトンなどの敵をなぎ倒していった。
光状に漂う魔力の塊が、宝石へと変化する。
なるほど、最初は実体を持たないのか。
それを、魔族は直接体内へ取り込むと。人間の場合だと、宝石という形で手にできるのか。
サピィのいうフィーンド・ジュエルなる魔法石を、ブレスレットが吸い込む。
装備に宝石をはめ込むにも、コナツがいない。
今は、ブレスレットにしまっておく。
「おお、メイスだ。こっちは、弓か」
弱いモンスターでは、どれも安いアイテムしか出ない。
「アイテムボックスが、かさばってしまうな」
「それでしたら、私が買い取りましょう」
言って、サピィが不用品を自分のカバンに詰め込んだ。
「いいのか?」
「私、一応商業ギルドに顔が利きます。【アイテム転送】スキルも使えますので」
契約している武器屋にアイテムを直接転送して、売却ができるという。
商業ギルドにとっては、必須のスキルらしい。
サピィの副業は、商人だそうだ。
「おおそうか。助かる」
ならば、コナツ・フドーを紹介してやろう。
「いっそ、不要アイテムや装備不可能な品は、ドロップの時点で換金できるようにしましょう」
「そんなことができるのか?」
「魔族ですから、このくらいは」
ただしレアでもないので、値段はお察しとのことだ。
それでも、ありがたい。ドロップ品を換金するために、武器屋へ戻らないで済む。
「こういう捨てたものを、またモンスターが食って成長すると」
「はい」と、サピィはうなずく。
「小銭を落とす場合もございます。それは、冒険者が落としたり宝箱から漏れ出したりしたものを食べるのです」
「どうして、アイテムなんて食おうとするんだ?」
鉄や、木など有機物を取り込むならわかるが。
「人が扱う武器には、魔力が宿るからです」
モンスターは貪欲だ。魔力を帯びたものなら、なんでも食う。死体でなくても。
「まれに強力な武器を食べて、強化するモンスターもおりますね」
「なるほど。おらあ!」
数体のスケルトンを、エンチャント武器で一掃する。
第一階層フロアボスの、コングが立ち塞がった。初心者にとっての壁である。
こいつも弱そうだと思っていたら、シーデーが単身前に出た。手のひらを、コングに向けて伸ばす。
「サピエル嬢、ここはおまかせを」
シーデーの【指マシンガン】が、火を吹く。
蜂の巣になったコングが、仰向けに倒れる。
コングがアイテムとなって、その向こうに下り階段が現れた。
このダンジョンは、全部で三層からなっている。
下に降りていくほど、敵も強い。その分、いいアイテムが手に入る。このダンジョンをクリアすることが、初心者突破の条件だ。
腕試しにはいいが、俺たちのレベルでは物足りない。サピィの力がいかほどか知りたかったのだが、いくらなんでも敵が弱すぎる。
「二階へ進むぞ。このまま順調に奥へと……おう!?」
降りて早々に、ウェンディゴの太い腕が俺の背中を殴った。
俺は前へつんのめる。
「大丈夫ですか?」
サピィが杖から雷の矢を放ち、ウェンディゴを仕留めた。
「すまん、油断した」
二階層に入っただけで、魔物の数が激増している。
「スキルの見直しをするか。これがいいな」
見つけたのは、【ボルト・スキン】というスキルだ。電気の膜を身体に帯びて、攻撃してきた相手を感電させるのである。
「これだな。装備品にセットしておこう」
スキルは、身につけている防具に取り付けることも可能だ。威力は弱まるが、魔法のかけ忘れを防ぐ。
無防備な俺のスキを突いて、さっそくウェンディゴ別個体が。大きい腕を振り回して、俺にラリアットを仕掛ける。
いつでも来い! 感電死させてやるぜ!
ウェンディゴは俺に触れる直前、電流を流されて絶命した。
「すごい威力だな。装備に常備させるだけで大幅にパワーが半減するのに」
その後も、ボルト・スキンは活躍することに。
リザードの足払いすら、意に介さない。いつもは転がされて、大ダメージを受けるのに。
いかに、近距離スキルをおろそかにしていたかがわかる。
どれだけクリムに頼りっぱなしだったか、俺は思い知らされた。
これなら、ミノタウロス戦でも期待できそうである。
第二階層のボスは、レイスだ。
幽体であり、普通の物理攻撃は通用しない。普通のならば。
「こいつはどうかな? おらあ!」
炎魔法をエンチャントしたブロードソードの一撃で、レイスを撃破する。
「やりましたね」
まあ、弱点だらけの敵だから、うまくいったのだろう。
とはいえ、勝ててよかった。
ようやく、ミノタウロスの待つ地下三階まで進んだ。
「ただ、気になるな」
「どうかなさいましたか?」
「気のせいかも知れないが、初級ダンジョンにしては、魔物が強くなっている」
一階は相変わらずの弱さだったが、二階からの敵は格が違う。
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