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1-2 変質したダンジョンを、殴りに行きます
セーフハウス購入
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昼前に街へ戻り、ギルドへ依頼達成と事情報告を済ませる。
シーデーがいてくれて助かった。
彼がいなかったら、岩を持ち帰れなかっただろう。
「わかりました。調査団を送り込んで、警戒しておきます。ご報告ありがとうございました」
「いや、大したことができんでスマン」
「とんでもありません! この報告を見逃していたら、若き冒険者が何もできずに食われるところだったんです」
必要以上に、受付嬢から感謝された。
「レベルの上昇が凄まじいですね。ランバートさん。さすが【早熟】持ち」
「なんだか、歳を取ると衰退しそうな名前のスキルだろ?」
「まさか! 【早熟】スキルは永劫スキルです!」
人よりレベルの上がりが早く、ずっと強くなるという。
「つまり、際限がないと?」
「はい。その【パッシブスキル】には、限界がありません」
パッシブとは、自身に生まれついて備わっているタイプだ。
「今後もごひいきに。では」
ギルドを離れて、収穫を確認した。
「想像以上に、安いアイテムばかりですなぁ」
売っても買い手のつかない装備品ばかりが、シーデーのアイテムボックスに集まっている。
「なんだが悪いな。廃品回収のようなマネをさせて」
「いえいえ。これでも、何かに使えるはずです。鉄なら溶かして新たに武器を作り直すか、我々フォートの部品にするなど」
そうか。そういう使い方もあるんだよな。
「保管場所は必要だな。不用品を買い取ってくれることも、少ないだろう」
「なら、考えがあるんです」
サピィは、商業ギルドへ向かった。ギルド長と話し合い、物件を調べている。
「実はこの街で、目ぼしい場所を発見しまして」
その場所は、コナツが運営する鍛冶場の裏だ。
「ここを拠点としてアイテムを保存しつつ、商売を始められないかと」
「なるほど、セーフハウスか」
シーデーのメンテナンスもある以上、ずっと宿屋では暮らせないのだろう。
幸い、その場所はすぐに買えた。
店に入り、さっそく内装を確認する。
「悪くないな」
「多少の修繕は必要でしょうけれど、許容範囲です」
サピィは、自分の分身を手から放った。「では、お掃除をお願いします」と、
使い魔スライムに、家全体の掃除をさせる。
スイーっとスライムが移動するだけで、ホコリが取れていく。
「あとは、品物だけだな。やはり、売るとしたらこれだよな?」
ジュエルを、テーブルの上に撒き散らした。
結構な量のジュエルが集まっている。
自分で使う分だけでも、相当な数があった。
「あなたも、売ってしまわれるのですか?」
「俺はもう十分だな。ジュエル付きを装備するだけでも強い。後は、俺自身が強くなればいいからな」
宝石を、俺が独占してもいい。しかし、どうせ持て余してしまう。
だとしたら、俺がジュエルを独り占めするのはあまりよろしくないようだ。
「売ろう。俺の装備を強化する分だけ残して、あとは他のハンターに使ってもらいたい」
ダンジョンは、俺だけが強くなっても仕方のない段階まできていた。手数は多いほうがいいだろう。
「そうだ。はじめから装備にはめ込んでしまえば、このゴミアイテムも使い所ができるな」
「それはいいアイデアです。ただ、ひとつ問題が」
「どうした」
「加工できる鍛冶屋に、知り合いがいません」
旅から旅へだったため、このように拠点を置くことができなかったという。
「それで、商業ギルドにコネクションだけ繋げたと」
「はい」
ならば、うってつけの相手がいる。
「あんたらに、会わせたいヤツがいる。ついてきてくれ」
俺は、サピィたちをコナツの元へ連れてきた。
「裏の鍛冶屋さんですね」
「ここの店長と知り合いなんだ。すまん、コナツを呼んでくれ」
弟子に声をかけて、コナツを連れてきてもらう。
「なんだよランバート。えらいベッピンさんを連れてよぉ。とうとう所帯を持つのか」
鉄を叩くのをやめて、コナツは屈託のない笑顔を見せる。
コナツから茶化されて、俺とサピィは目を丸くした。
「違う違う。装備品の扱いで、頼みがあってきたんだ」
「おう。武器防具なら、このコナツ・フドーに任せろってんだ」
その名を聞いて、サピィがしゃがみ込む。コナツの顔をじーっと見つめ続けた。
「あなたはひょっとして、『星を鍛えし者』の、コナツ・フドーさんですか?」
「おっ、懐かしい言い方をしてくるじゃないのぉ」
まるで子どものように、コナツが照れ始める。
「これまで多くのマジックアイテムを作り上げた、ベテラン鍛冶屋ですよ。世界に落ちてきた星を鍛えて、刀を作り上げたという伝説まであります」
「おお。オレの名が別大陸でも轟いているとは。ありがたいねえ」
「そんなあなたが、どうしてこんな小さい街に」
「師匠から追放されたんだ。才能を嫉妬されてよ。それで、もうアイツらに手は貸さねえって決めたんだ」
それで、師匠の影響が少ないこの大陸で打ち始めたそうな。流れ着いた先で同じドワーフの奥さんと知り合えたから、今は復讐など考えていないという。
「私も、正体を明かすべきですね。お仕事は大丈夫ですか?」
「ちょうど、修繕の受付が済んだな。店は弟子に任せていい」
「では、我々の店へ参りましょう」
サピィが店を出ようとしたところで、俺は待ったをかける。
「時間が惜しい。コナツ、悪いが店に穴をあけるぜ」
「なんだって?」
コナツに耳打ちして、俺は事情を説明した。
「なるほど。裏に店を建てたと。だったら話が早いな。オレがやってやらあ。うりゃ!」
店主自らが、店に穴を開ける。ついでに、サピィのセーフハウスも。
嫁さんには、あとで俺が謝っておこう。
シーデーがいてくれて助かった。
彼がいなかったら、岩を持ち帰れなかっただろう。
「わかりました。調査団を送り込んで、警戒しておきます。ご報告ありがとうございました」
「いや、大したことができんでスマン」
「とんでもありません! この報告を見逃していたら、若き冒険者が何もできずに食われるところだったんです」
必要以上に、受付嬢から感謝された。
「レベルの上昇が凄まじいですね。ランバートさん。さすが【早熟】持ち」
「なんだか、歳を取ると衰退しそうな名前のスキルだろ?」
「まさか! 【早熟】スキルは永劫スキルです!」
人よりレベルの上がりが早く、ずっと強くなるという。
「つまり、際限がないと?」
「はい。その【パッシブスキル】には、限界がありません」
パッシブとは、自身に生まれついて備わっているタイプだ。
「今後もごひいきに。では」
ギルドを離れて、収穫を確認した。
「想像以上に、安いアイテムばかりですなぁ」
売っても買い手のつかない装備品ばかりが、シーデーのアイテムボックスに集まっている。
「なんだが悪いな。廃品回収のようなマネをさせて」
「いえいえ。これでも、何かに使えるはずです。鉄なら溶かして新たに武器を作り直すか、我々フォートの部品にするなど」
そうか。そういう使い方もあるんだよな。
「保管場所は必要だな。不用品を買い取ってくれることも、少ないだろう」
「なら、考えがあるんです」
サピィは、商業ギルドへ向かった。ギルド長と話し合い、物件を調べている。
「実はこの街で、目ぼしい場所を発見しまして」
その場所は、コナツが運営する鍛冶場の裏だ。
「ここを拠点としてアイテムを保存しつつ、商売を始められないかと」
「なるほど、セーフハウスか」
シーデーのメンテナンスもある以上、ずっと宿屋では暮らせないのだろう。
幸い、その場所はすぐに買えた。
店に入り、さっそく内装を確認する。
「悪くないな」
「多少の修繕は必要でしょうけれど、許容範囲です」
サピィは、自分の分身を手から放った。「では、お掃除をお願いします」と、
使い魔スライムに、家全体の掃除をさせる。
スイーっとスライムが移動するだけで、ホコリが取れていく。
「あとは、品物だけだな。やはり、売るとしたらこれだよな?」
ジュエルを、テーブルの上に撒き散らした。
結構な量のジュエルが集まっている。
自分で使う分だけでも、相当な数があった。
「あなたも、売ってしまわれるのですか?」
「俺はもう十分だな。ジュエル付きを装備するだけでも強い。後は、俺自身が強くなればいいからな」
宝石を、俺が独占してもいい。しかし、どうせ持て余してしまう。
だとしたら、俺がジュエルを独り占めするのはあまりよろしくないようだ。
「売ろう。俺の装備を強化する分だけ残して、あとは他のハンターに使ってもらいたい」
ダンジョンは、俺だけが強くなっても仕方のない段階まできていた。手数は多いほうがいいだろう。
「そうだ。はじめから装備にはめ込んでしまえば、このゴミアイテムも使い所ができるな」
「それはいいアイデアです。ただ、ひとつ問題が」
「どうした」
「加工できる鍛冶屋に、知り合いがいません」
旅から旅へだったため、このように拠点を置くことができなかったという。
「それで、商業ギルドにコネクションだけ繋げたと」
「はい」
ならば、うってつけの相手がいる。
「あんたらに、会わせたいヤツがいる。ついてきてくれ」
俺は、サピィたちをコナツの元へ連れてきた。
「裏の鍛冶屋さんですね」
「ここの店長と知り合いなんだ。すまん、コナツを呼んでくれ」
弟子に声をかけて、コナツを連れてきてもらう。
「なんだよランバート。えらいベッピンさんを連れてよぉ。とうとう所帯を持つのか」
鉄を叩くのをやめて、コナツは屈託のない笑顔を見せる。
コナツから茶化されて、俺とサピィは目を丸くした。
「違う違う。装備品の扱いで、頼みがあってきたんだ」
「おう。武器防具なら、このコナツ・フドーに任せろってんだ」
その名を聞いて、サピィがしゃがみ込む。コナツの顔をじーっと見つめ続けた。
「あなたはひょっとして、『星を鍛えし者』の、コナツ・フドーさんですか?」
「おっ、懐かしい言い方をしてくるじゃないのぉ」
まるで子どものように、コナツが照れ始める。
「これまで多くのマジックアイテムを作り上げた、ベテラン鍛冶屋ですよ。世界に落ちてきた星を鍛えて、刀を作り上げたという伝説まであります」
「おお。オレの名が別大陸でも轟いているとは。ありがたいねえ」
「そんなあなたが、どうしてこんな小さい街に」
「師匠から追放されたんだ。才能を嫉妬されてよ。それで、もうアイツらに手は貸さねえって決めたんだ」
それで、師匠の影響が少ないこの大陸で打ち始めたそうな。流れ着いた先で同じドワーフの奥さんと知り合えたから、今は復讐など考えていないという。
「私も、正体を明かすべきですね。お仕事は大丈夫ですか?」
「ちょうど、修繕の受付が済んだな。店は弟子に任せていい」
「では、我々の店へ参りましょう」
サピィが店を出ようとしたところで、俺は待ったをかける。
「時間が惜しい。コナツ、悪いが店に穴をあけるぜ」
「なんだって?」
コナツに耳打ちして、俺は事情を説明した。
「なるほど。裏に店を建てたと。だったら話が早いな。オレがやってやらあ。うりゃ!」
店主自らが、店に穴を開ける。ついでに、サピィのセーフハウスも。
嫁さんには、あとで俺が謝っておこう。
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