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2-3 贋作の製造元を、殴りに行きます
あぶり出し
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老人は、サドラーと取引していた後だったという。
トラックに果実と、護衛のトレントが擬態した木を一本持っていくそうだ。
「姫様は、粗悪品でもそこそこ買ってくださるから好きだぁ。取りすぎにも気を使ってくださる『あとは皆さんで食べてください』って、ワシたちの分も取っていかねえ」
「そんな貴重品を、バクバク食べていいのか? トウコなんて見境ないぞ」
「あれでもワケアリなんよ」
なんでも、型落ち品だとか。
「ウマいだけで、魔力の回復効果はねえんだ。それでも甘いんだが、酸味が出ちまってる。身体に害はねえんだが」
ジュースにもポーションにもできず、家族で消費するしかない品はどうしても出るらしい。
「お貴族様は、ぜいたくなんだよなぁ」と、老人がぼやいた。
サドラー王女のヒルデは、商売人としてもできた人物らしいな。
「魔女のことは知らないっていっていたわね。この手紙にも、心当たりはない?」
老人は、フェリシアから手紙を受け取った。しかし、首をかしげるばかり。
何もわからないか。
「あなた方にも、手紙とかはないのかしら?」
「フルーツの作り方と管理方法以外は、なんも」
老人は、書類棚を指差す。あそこに、製造法や管理の仕方が載っているらしい。
「サピィ姫、ギルドと話し合いがつきました。各ギルドと連携して、こちらに護衛をつけてくださるそうです」
また、俺たちが破壊したようなダンジョンが他にもある可能性を指摘した。
手早くハンターを派遣し、改造されたダンジョンがあるなら速やかに撃退するようにも伝えたという。
「なにからなにまで、ありがてぇ。それにしても、やけにこの辺も物騒になってきたなぁ。今まではこんなことなかったのに」
老人たち一家が、身を震わせる。
「ヤツラは今まで、フルーツには関心を示さなんだ。それがどうして襲ってくるようになんか」
呪われた武器が関与しているのだろう。
製造工場を知ってしまった以上、また襲ってくるかも知れない。
シーデーには感謝だ。
「一息で食えるかな? あーん」
トウコが、ひときわデカいマッシブフルーツをかじった。
「あーやっぱムリだ!」
丸呑みしようと思ったようだが、半分をかじるだけで精一杯である。
「汁が飛ぶぅ!」
フルーツの汁が、俺の顔にまで飛んできた。
部屋じゅうに、フルーツの汁が飛び散る。大惨事だ。
シーデーが、洗剤スプレーを部屋にふりかけて、各部を拭き取る。
「あっ、スケッチに汁が!」
銃の設計図にまで、フルーツの汁が染み込んでしまう。
「うわあ、やっちまった! ごめんよーっ!」
トウコがハンカチを出して、設計図に付いた汁を拭こうとした。
「待ってください」
サピィは、スケッチをトウコから優しく取り上げて、凝視する。
「トウコさん、ナイスです?」
「んーっ?」
「文字が浮き出てきましたよ!」
よく見ると、薬室のない空白の部分から、文字が浮かんできたではないか。
「メッセージか。これは設計図というより、ただの手紙だったんだな?」
「特殊な塗料を使っていたようですね。マギ・マンサーでも気づけなかったはずです」
手紙の内容は以下の通り。
『バカな弟子へ
ここに来られたってことは、ようやく仲間を見つけたようだね。
そうだ。一人でなんでも解決しようなんて思っちゃいけない。
あたしは合理主義だから、一人で何でも片付けようなんて考えないのさ。
だから、あんたを育てて、一人前の女君主にした。
でもそれは、一人で生きていく力を与えるためじゃない。
どんなに強くたって、一人では限界がある。それを教えたかった。
「一人では生きていけない」って気づくためには、強い力が必要なのさ。
あたしは、それだけの力を手に入れた。
しかし、世界は変わらなかった』
手紙の内容は、かつてあった人類と魔王たちとの戦いの様子へと変わる。
当時の文明がどれだけ高かったか。
それをすべて、異界から来た魔王が破壊してしまったことも。
トラックに果実と、護衛のトレントが擬態した木を一本持っていくそうだ。
「姫様は、粗悪品でもそこそこ買ってくださるから好きだぁ。取りすぎにも気を使ってくださる『あとは皆さんで食べてください』って、ワシたちの分も取っていかねえ」
「そんな貴重品を、バクバク食べていいのか? トウコなんて見境ないぞ」
「あれでもワケアリなんよ」
なんでも、型落ち品だとか。
「ウマいだけで、魔力の回復効果はねえんだ。それでも甘いんだが、酸味が出ちまってる。身体に害はねえんだが」
ジュースにもポーションにもできず、家族で消費するしかない品はどうしても出るらしい。
「お貴族様は、ぜいたくなんだよなぁ」と、老人がぼやいた。
サドラー王女のヒルデは、商売人としてもできた人物らしいな。
「魔女のことは知らないっていっていたわね。この手紙にも、心当たりはない?」
老人は、フェリシアから手紙を受け取った。しかし、首をかしげるばかり。
何もわからないか。
「あなた方にも、手紙とかはないのかしら?」
「フルーツの作り方と管理方法以外は、なんも」
老人は、書類棚を指差す。あそこに、製造法や管理の仕方が載っているらしい。
「サピィ姫、ギルドと話し合いがつきました。各ギルドと連携して、こちらに護衛をつけてくださるそうです」
また、俺たちが破壊したようなダンジョンが他にもある可能性を指摘した。
手早くハンターを派遣し、改造されたダンジョンがあるなら速やかに撃退するようにも伝えたという。
「なにからなにまで、ありがてぇ。それにしても、やけにこの辺も物騒になってきたなぁ。今まではこんなことなかったのに」
老人たち一家が、身を震わせる。
「ヤツラは今まで、フルーツには関心を示さなんだ。それがどうして襲ってくるようになんか」
呪われた武器が関与しているのだろう。
製造工場を知ってしまった以上、また襲ってくるかも知れない。
シーデーには感謝だ。
「一息で食えるかな? あーん」
トウコが、ひときわデカいマッシブフルーツをかじった。
「あーやっぱムリだ!」
丸呑みしようと思ったようだが、半分をかじるだけで精一杯である。
「汁が飛ぶぅ!」
フルーツの汁が、俺の顔にまで飛んできた。
部屋じゅうに、フルーツの汁が飛び散る。大惨事だ。
シーデーが、洗剤スプレーを部屋にふりかけて、各部を拭き取る。
「あっ、スケッチに汁が!」
銃の設計図にまで、フルーツの汁が染み込んでしまう。
「うわあ、やっちまった! ごめんよーっ!」
トウコがハンカチを出して、設計図に付いた汁を拭こうとした。
「待ってください」
サピィは、スケッチをトウコから優しく取り上げて、凝視する。
「トウコさん、ナイスです?」
「んーっ?」
「文字が浮き出てきましたよ!」
よく見ると、薬室のない空白の部分から、文字が浮かんできたではないか。
「メッセージか。これは設計図というより、ただの手紙だったんだな?」
「特殊な塗料を使っていたようですね。マギ・マンサーでも気づけなかったはずです」
手紙の内容は以下の通り。
『バカな弟子へ
ここに来られたってことは、ようやく仲間を見つけたようだね。
そうだ。一人でなんでも解決しようなんて思っちゃいけない。
あたしは合理主義だから、一人で何でも片付けようなんて考えないのさ。
だから、あんたを育てて、一人前の女君主にした。
でもそれは、一人で生きていく力を与えるためじゃない。
どんなに強くたって、一人では限界がある。それを教えたかった。
「一人では生きていけない」って気づくためには、強い力が必要なのさ。
あたしは、それだけの力を手に入れた。
しかし、世界は変わらなかった』
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当時の文明がどれだけ高かったか。
それをすべて、異界から来た魔王が破壊してしまったことも。
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