転生特撮ヲタ、異世界でダークエルフの霊にそそのかされてパワードスーツの開発をして、世界を救うことに。俺は特撮フィギュアが作りたいだけなのに。

椎名 富比路

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第三章 魔王、本格始動

第26話 闇の科学者と再戦

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 オレも、内容を見せてもらう。

 ドワーフが採掘場にしている山に、凶悪なモンスターが大量発生したらしい。冒険者たちで食い止めているが、どうやら魔王軍が率いているという。

「行ってくる」
「気をつけていけよ!」

 試作品のシールド形ジェットに乗って、ラショーが鍛えてくれた新生の刀で現場へ。

「これ、案外快適だな!」

 まるで、八〇年代のアニメみたいな冒険だ。あれも、機動の凧を使って移動をしていた。

「寝そべりならが移動できるってのがいいね!」

 それもあるが、ユニットにニョンゴをセットできるのが大きい。ニョンゴの稼働時間も、大幅に上がるのでは?

 前の戦闘でも思った。いくらニョンゴが無敵だからといって、長時間稼働しているとどうしても動作が鈍るのだ。
 ミサイルの制御などを担当してもらっているのだが、長い時間をかけると制度が悪くなる。
 やはり、適度にパワーを維持する方法が急務だろう。この充電式シールドが、突破口になれば。

 ラショーに作ってもらっているのは、あくまでも試作品だ。実際に使用するのは、別の金属が必要である。

「とはいえ、貴重な金属なんだろ? オレなんかがもらっていいのか?」
「キミにもらってほしいんだ。大事に保管できるのは、今の時代dだとおそらくキミだけだろう。そう、ラショーは判断したんだ」

 敵の手に渡るくらいなら、ってわけか。

「着いたよ!」

 一面が岩に覆われた灰色の山脈にて、冒険者が魔物と戦っている。

「って、あれは!」

 率先して、冒険者を蹴散らしている人物がいた。
 自称「闇の科学者」タキだ。例のアフロ野郎である。
 洞窟に入るというのに、革靴に焦げ茶色のスーツという出で立ちである。

「おう。待っとったでシェリダン! ここまで来んかい!」

 配下を引き連れて、タキが洞窟の内部へと入っていく。

「待て!」

 後を追おうとしたが、周りが負傷者だらけだ。しかも、敵に囲まれている。

「クソが! ディスク・アックスを、くらえ!」

 オレは、ラショーに作ってもらった新兵器をお見舞いした。ディスク上の斧を、魔物たちにフリスビーのように投げつける。

 こんな場所で光線やミサイルを撃てば、洞窟が崩れる可能性がある。建物の中で敵に囲まれたとき用に、開発した。シールド型飛行ユニットを開発していた際の、派生型である。

 魔物たちの首や胴体をハネて、ディスクが戻ってきた。

「いいね! さすがドワーフだ。軽量な上に、切れ味も抜群だよ」
「ああ。もうワンセット作ってもいいくらいだ」

 冒険者たちにポーションを配り、避難してもらう。

「あとはオレに任せろ。危なくなったら、逃げるんだ」

 そう冒険者たちに告げて、オレはタキを追った。

 タキが配置したオーク共を蹴散らしながら、先へと進む。

 そのオークでさえ、土着のトカゲに飲み込まれていた。どんだけデカイんだ? 一〇メートルくらいはある。

「あれはドレイクだよ。正面から戦うのは危険だ」

 くそ、タキは……光学迷彩だと? スーツに姿を消せるマントを、忍ばせていたらしい。

「ドレイクがこっちを見ているぞ!」
「捕まえる気だ」

 丸太のような舌が、オレを拘束しようと迫る。

「クソ!」

 刀で受け流す。光線を使えば楽に倒せるだろうが、鉱山だからな。
 どんな化学反応が起きるか。

 相手だって、条件は同じだろう。
 ブレスを吐いてこない辺り、向こうも本能でわかっているんだ。
 そうやって、力だけ強く進化したのだろう。

「やべえ、すばしっこいぞ!」

 ものすごいスピードで、体当たりを仕掛けてきた。こんな狭い道なのに、どうしてこうも余裕で突進できるのか。

「こうなったら!」

 オレは、タキの逃げた方角へ飛ぶ。

「威力を最小にして、くらえ!」

 タキの足に向けて、光線銃を発した。

「うわ、アホが!」

 銃撃をかわしながら、タキが飛び上がる。やはり、こちらの攻撃は通じないか。

 しかし、それでいい。

「アカン。迷彩が!?」

 オレが狙ったのは、タキの光学迷彩だ。
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