転生特撮ヲタ、異世界でダークエルフの霊にそそのかされてパワードスーツの開発をして、世界を救うことに。俺は特撮フィギュアが作りたいだけなのに。

椎名 富比路

文字の大きさ
39 / 42
第三章 魔王、本格始動

第39話 魔王撃退……

しおりを挟む
 魔王の胸部装甲が熱を持ち始めた。今にも、爆発しそうな勢いである。

「な、なんだこのパワーは!?」
「自分で言うたんやんけ。ウォリハルカニウムは絶妙なバランス調整が必要やと!」
「ぬう!?」

 装備を脱ぎ捨てようにも、熱で身体にへばりついてしまっていた。

「ワレの仕掛けた宝玉で死んでまえ、魔王!」
「ごおおおおっ!」

 とうとう、魔王の全身に亀裂が。

 叫ぶことすら許されず、魔王は大爆発を起こす。

 オレは再び、シールドを展開した。王都へ爆風が入り込まないように、空へと流す。

 それでも、防ぎきれない。戦闘中だったジーンも遠くへ吹っ飛び、海に落ちてしまった。王都の建物にも、甚大な被害が及んでいる。

 ウォリハルカニウム……すさまじいパワーだった。

「魔王とはいえ、これだけの魔力を制御しようってんだからね」

 土煙が晴れ、ニョンゴが語りかけてくる。

「ムリがあったな。過ぎた力は、自分を滅ぼすのだとよくわかったぜ」

 パパッと、ニョンゴに付いた砂ホコリを払う。

「魔王は死んだ。あとはお前だけや。どっちが強いんか、決めようやないか」

 まだ、やらなければいけないことがあった。タキを倒さないと。

「お前……タキだよな?」

 もはや、ボロボロじゃないか。本当にタキかと思うほど、ズタズタになっていた。

「なんで」
「自分の持っているウォリハルカニウムを、魔王のものに転送して暴走させたんだ。そのせいで魔王を破壊した。しかし、宝玉が自分の身体と密着しすぎていたんだよ」

 ニョンゴは、そう解説する。

 だがおそらく、それだけではない。マーゴットを守ったせいだろう。マーゴットはほとんど無事だが、タキの方はヨロイがほぼ溶け落ちていた。息も切らしている。

「タキ、もうやめにしないか? 王都の被害も大きい。お前のところの部隊もほぼ壊滅している。退いてくれないか?」

 こちらも、スーツのダメージがデカい。できれば、このまま撤退したいのだが。

「やかましい! ワシは最強になるために、魔界の将軍を出し抜き、魔王を倒した。こんなになっても、気力は充実しとるんや。お前を倒して、今日からワシが最強になるんや」
「その前に、死んじまうぞ」
「ええねん。ワシは今、おもくそ生を実感しとる。予想していた展開とは違うが、これでええんや」

 最低限の回復魔法だけ施して、タキが立ち上がる。

「どないしてん? お前も来いや。決着を付け――」

 タキの腹が、貫かれた。

「な、魔王!?」

 倒したはずの魔王の影が、実体を持ってタキの背後にいたのである。

「宝玉を媒介にして、スーツに無理やり魂を移したんだ!」
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。 そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。 【第二章】 原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。 原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。

異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。 そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。 【カクヨムにも投稿してます】

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

処理中です...