転生特撮ヲタ、異世界でダークエルフの霊にそそのかされてパワードスーツの開発をして、世界を救うことに。俺は特撮フィギュアが作りたいだけなのに。

椎名 富比路

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第三章 魔王、本格始動

第40話 ラストバトル! さらばジェンシャン・ナイト!

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 腹を貫かれたタキは、かろうじて生きているようだ。マーゴットに抱きかかえてもらっている。

「おい、タキ大丈夫かよ!?」

 タキは答えない。その代わり、空を指差す。魔王を撃てと言っているのか?

「モモチ、今は魔王討伐が先だよ!」

 どうやら、魔王は実体がない。残留思念の状態となっている。

 魔王の胸部にある宝玉が点滅し、魔王の声が。

「おのれ、人間ども。下等生物の分際で、我がものにならぬというなら、全て滅ぼしてくれる!」

 エネルギー体となった魔王が、天へと舞い上がっていった。深夜の空を、昼のように照らす。

 王都の窓から、人々が何事かと身を乗り出していた。しかし、おぞましい魔王の姿を見て、すぐに自室へと引っ込む。

「世界は、今日をもって終わりを告げる! 全人類、および魔界でさえも!」

 空を登りきった魔王の肉体が、膨れ上がる。

「魔王のやつ、自分の思い通りにならない世界を破壊する気だ! 宝玉の力で自分をさらに燃焼させ、世界の中心に飛び込むつもりなんだ!」

 そうなれば、王都どころかこの星もろとも吹っ飛んでしまう。

「させるか!」

 ライコネンには、妻のレクシーがいるんだ。この世界を壊させるものか。

 オレは、シールドのランチャーを構えた。

「ニョンゴ、二発目は撃てそうか?」
「待ってました。一応、チャージしておいたんだ。でもパワー不足だよ」

 構うもんか。この世界を守れるなら!

 飛行モードのバイクを起動させ、オレは上昇した。降下してくる魔王に向かって。

「体当りする気かい!」
「アホかモモチっ! 離れろやっ!」

 ニョンゴに続き、タキの声も聞こえてきた。

 しかし、オレは耳を貸さない。スーツを上昇させて、魔王へと近づいていく。

 タダで、死ぬかよ!

「ランチャーのパワーは、充填したままだな?」
「ああ。でもこんな至近距離で撃ったら!」

 オレは、バラバラになってしまうだろう。

「スーツのパワーも、オマケしてやる。ミスリル製だ! ぶちかますぜえええええっ!」

 シールドを反転させ、オレはランチャーを展開した。

 魔王との距離は、ゼロだ。

「くたばれ、魔王!」

 オレは、ニョンゴをランチャーから引っこ抜く。

「モモチ?」

 パワードスーツを脱ぎ、魔王へと直接ブチかました。オートモードになったアワードスーツが、魔王を掴む。これで魔王は、ランチャーから逃げられない。

「なにを」
「こうするんだ!」

 ランチャーのトリガーだけを引いて、バイクを反転させた。オレはシールドの装甲板だけを防壁にして、バイクで降下していく。

 上空が一瞬だけ、昼間の明るさになった。魔王が、ランチャーとスーツの爆発に巻き込まれたのだろう。

「うおおおおおお死ぬ死ぬ死ぬっ!」
「スーツがないだから、当然じゃないか!」

 数秒もしないうちに、地面へ激突しそうだ。

 しかし、落下したのはバイクだけ。

 オレは、赤いドラゴンに抱きかかえられた。

「むちゃくちゃですわ。あなたたちは」
「あはは……」

 魔王の姿は、もうない。

 どうやら、勝てたようだ。
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