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第三章 魔王、本格始動
第41話 タキの最期?
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魔王は倒した。
「それにしても、よく『パワードスーツに魔王を閉じ込める』なんて作戦を思いついたね?」
そう。オレは実体を持たない魔王を、ジェンシャン・ナイトのスーツに封印したのである。
そこにランチャーをぶっ放し、内部で確実に命中させた。
「ああでもしないと、逃げられると思った」
魔王の攻撃による、街の被害も避けたかったのだ。宝玉を用いた爆発の影響は、凄まじい。
あのまま攻撃していれば、確実に街へと被害が及んでいただろう。
そうなれば、レクシーのいるライコネンだって。
あんな奇策を思いつかなかったら、どうなっていたか。
「すまんニョンゴ。お前が魂を込めて作ったスーツを、粉々にしてしまって」
あれは、ニョンゴが全身全霊を込めて開発した、最強のスーツだったはず。それを、オレは壊してしまった。
「いいんだ。また作ればいいさ」
開発用のパーツは、まだまだあると、ニョンゴは言う。コイツの道楽は、いつまでも変わらないようだ。
「モモチ!」
レクシーが、ジーンに連れられてオレの方へ走ってきた。身動きがいまだ取れないオレに、抱きついてくる。
「またムチャをして! あなた一人の身体じゃないのに!」
「すまん。だが、全部終わった」
オレも、ハグで返した。
こんなに温かみのある抱擁は、初めてだ。
「ええ。わかっています。わかっていますよ」
「けど、タキは……」
タキは、マーゴットに寝かされている。グッタリして、動いていない。
マーゴットが、愛おしそうにタキの髪をなでていた。
「あいつがいなかったら、魔王は倒せていなかっただろうな」
奴は、死んだらどうなるのだろう? 再び日本へ強制送還だろうか?
「生きていたら、彼は最強のライバルになっていたかもしれないね」
ニョンゴが、最大級の称賛を、タキに投げかけた。
そのときだ。
「勝手に殺すなや」
タキが、マーゴットの腕の中で目を覚ます。
「ワシの最強伝説はな、これから始まるんや。もう魔王の影はない。他の魔物たちは魔王の支配から離れて、より活性化するやろう。そないなんはマーゴットに任せて、ワシはここで独自に地上支配へ向けて動き出すで!」
「その前に、オレが倒してやる」
オレは、バイクに取り付けてあるシールドに手をかけた。しかし、もう光線を発射する余力も残っていない。
バイクが動くかさえ、わからなかった。
「そないな装備でか?」
「お前だって、ボロボロじゃないか」
「せやねん」
タキは、魔王から受けたパンチをスーツ内のインナーで威力を大幅に下げたのだ。そのせいで、彼のスーツも使い物にならない。
「モモチ。スーツが元に戻ったら連絡せえよ。ワシもスーツを修理したら、活動再開するさかい」
マーゴットに肩を借りながら、タキは消えていった。
「それにしても、よく『パワードスーツに魔王を閉じ込める』なんて作戦を思いついたね?」
そう。オレは実体を持たない魔王を、ジェンシャン・ナイトのスーツに封印したのである。
そこにランチャーをぶっ放し、内部で確実に命中させた。
「ああでもしないと、逃げられると思った」
魔王の攻撃による、街の被害も避けたかったのだ。宝玉を用いた爆発の影響は、凄まじい。
あのまま攻撃していれば、確実に街へと被害が及んでいただろう。
そうなれば、レクシーのいるライコネンだって。
あんな奇策を思いつかなかったら、どうなっていたか。
「すまんニョンゴ。お前が魂を込めて作ったスーツを、粉々にしてしまって」
あれは、ニョンゴが全身全霊を込めて開発した、最強のスーツだったはず。それを、オレは壊してしまった。
「いいんだ。また作ればいいさ」
開発用のパーツは、まだまだあると、ニョンゴは言う。コイツの道楽は、いつまでも変わらないようだ。
「モモチ!」
レクシーが、ジーンに連れられてオレの方へ走ってきた。身動きがいまだ取れないオレに、抱きついてくる。
「またムチャをして! あなた一人の身体じゃないのに!」
「すまん。だが、全部終わった」
オレも、ハグで返した。
こんなに温かみのある抱擁は、初めてだ。
「ええ。わかっています。わかっていますよ」
「けど、タキは……」
タキは、マーゴットに寝かされている。グッタリして、動いていない。
マーゴットが、愛おしそうにタキの髪をなでていた。
「あいつがいなかったら、魔王は倒せていなかっただろうな」
奴は、死んだらどうなるのだろう? 再び日本へ強制送還だろうか?
「生きていたら、彼は最強のライバルになっていたかもしれないね」
ニョンゴが、最大級の称賛を、タキに投げかけた。
そのときだ。
「勝手に殺すなや」
タキが、マーゴットの腕の中で目を覚ます。
「ワシの最強伝説はな、これから始まるんや。もう魔王の影はない。他の魔物たちは魔王の支配から離れて、より活性化するやろう。そないなんはマーゴットに任せて、ワシはここで独自に地上支配へ向けて動き出すで!」
「その前に、オレが倒してやる」
オレは、バイクに取り付けてあるシールドに手をかけた。しかし、もう光線を発射する余力も残っていない。
バイクが動くかさえ、わからなかった。
「そないな装備でか?」
「お前だって、ボロボロじゃないか」
「せやねん」
タキは、魔王から受けたパンチをスーツ内のインナーで威力を大幅に下げたのだ。そのせいで、彼のスーツも使い物にならない。
「モモチ。スーツが元に戻ったら連絡せえよ。ワシもスーツを修理したら、活動再開するさかい」
マーゴットに肩を借りながら、タキは消えていった。
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