50 / 63
第五章 天空城のあとしまつ
第50話 敵の本体を見つけた
しおりを挟む
「アユム!」
エリちゃんが僕の方へ来て、治療してくれる。
その間に、マルちゃんとユカさんが敵を足止めしてくれた。
「妙だ」
敵を倒したと思ったら、何事もなかったかのように再生するとは。
相手だって、不死身ってわけじゃない。なにか、仕掛けがあるはずだ。
マルちゃんの手裏剣が、ダンダリアンを胴体から真っ二つにした。
にもかかわらず、ダンダリアンはすぐに両断された身体をつなげる。
「コイツやばい!」
「アユム、これではキリがないぞ!」
まともに動けないながら、敵を観察した。
「……?」
おかしい。ダンダリアンは、その場から動いていなかった。根っこを張っているのか? 不沈艦か要塞か、大樹のようにとどまっている。
攻撃しているのは、ツタか花粉の弾丸だ。
ツタはマルちゃんが切り刻み、花粉弾はユカさんが盾で受け止めている。
「エリちゃん、酸の雨を降らせてみて。氷の槍みたいなものじゃなくて、広範囲に雨のように。ターゲットを絞り込むんじゃなくて、できるだけ隙間なく振らせて欲しい」
僕の治療を止めさせて、エリちゃんに指示を出す。
「わかったわ」
エリちゃんが、酸の雨を降らせる。
「みんな離れて!」
マルちゃんたちを、後ろへ避難させた。魔法でドーム型の魔法障壁を作って、全員に入ってもらう。
うまくいくといいけど。
酸が、ダンダリアンにダメージを与えていく。
雨は敵の花や茎を枯れさせ、皮膚を焼いた。ダンダリアンだけではなく、昆虫たちにも被害が及ぶ。
「この程度の酸で、わたくしを撃退できるとでも?」
やはり、ダンダリアンは動かない。酸の雨だというのに、涼しげに浴びている。
動いているのは……。
「マルちゃん、ユカさん、本体はあのチョウだ!」
ひときわ小さなモンシロチョウが一体だけ、巨大な葉の下で雨宿りしている。他のチョウは死んでいるのに。
マルちゃんが、手裏剣で葉を散らした。
ユカさんが、虫取りの要領でチョウをハンマーで殴打する。
「ぐへえ!」
「今だ。閃空斬・炎!」
怯んだチョウに、僕は炎の衝撃刃を放った。
「ぎゃああああ!」
炎を浴びて、チョウが灰となる。
同時に、ダンダリアンと思われた肉体が泥のように崩れた。本当に、泥でできた人形だったようだ。
「ワタシたちが攻撃していたのは、クレイゴーレムだったとは」
「本体のチョウが、コントロールしていたんだ。バレないと思ったんだろうね」
「あんな小さな宇宙人が、こんな巨大生命体を操っていたなんて」
宇宙人は、どんな技術を持っているかわからない。小さくても、脳の密度は高かったのだろう。
空に浮かんでいるはずの天空城に、地震が起きた。
「天空城が、崩れるわ!」
「逃げよう!」
制御していたダンダリアンが死んだから、建物がもたなくなったんだ。
エリちゃんが僕の方へ来て、治療してくれる。
その間に、マルちゃんとユカさんが敵を足止めしてくれた。
「妙だ」
敵を倒したと思ったら、何事もなかったかのように再生するとは。
相手だって、不死身ってわけじゃない。なにか、仕掛けがあるはずだ。
マルちゃんの手裏剣が、ダンダリアンを胴体から真っ二つにした。
にもかかわらず、ダンダリアンはすぐに両断された身体をつなげる。
「コイツやばい!」
「アユム、これではキリがないぞ!」
まともに動けないながら、敵を観察した。
「……?」
おかしい。ダンダリアンは、その場から動いていなかった。根っこを張っているのか? 不沈艦か要塞か、大樹のようにとどまっている。
攻撃しているのは、ツタか花粉の弾丸だ。
ツタはマルちゃんが切り刻み、花粉弾はユカさんが盾で受け止めている。
「エリちゃん、酸の雨を降らせてみて。氷の槍みたいなものじゃなくて、広範囲に雨のように。ターゲットを絞り込むんじゃなくて、できるだけ隙間なく振らせて欲しい」
僕の治療を止めさせて、エリちゃんに指示を出す。
「わかったわ」
エリちゃんが、酸の雨を降らせる。
「みんな離れて!」
マルちゃんたちを、後ろへ避難させた。魔法でドーム型の魔法障壁を作って、全員に入ってもらう。
うまくいくといいけど。
酸が、ダンダリアンにダメージを与えていく。
雨は敵の花や茎を枯れさせ、皮膚を焼いた。ダンダリアンだけではなく、昆虫たちにも被害が及ぶ。
「この程度の酸で、わたくしを撃退できるとでも?」
やはり、ダンダリアンは動かない。酸の雨だというのに、涼しげに浴びている。
動いているのは……。
「マルちゃん、ユカさん、本体はあのチョウだ!」
ひときわ小さなモンシロチョウが一体だけ、巨大な葉の下で雨宿りしている。他のチョウは死んでいるのに。
マルちゃんが、手裏剣で葉を散らした。
ユカさんが、虫取りの要領でチョウをハンマーで殴打する。
「ぐへえ!」
「今だ。閃空斬・炎!」
怯んだチョウに、僕は炎の衝撃刃を放った。
「ぎゃああああ!」
炎を浴びて、チョウが灰となる。
同時に、ダンダリアンと思われた肉体が泥のように崩れた。本当に、泥でできた人形だったようだ。
「ワタシたちが攻撃していたのは、クレイゴーレムだったとは」
「本体のチョウが、コントロールしていたんだ。バレないと思ったんだろうね」
「あんな小さな宇宙人が、こんな巨大生命体を操っていたなんて」
宇宙人は、どんな技術を持っているかわからない。小さくても、脳の密度は高かったのだろう。
空に浮かんでいるはずの天空城に、地震が起きた。
「天空城が、崩れるわ!」
「逃げよう!」
制御していたダンダリアンが死んだから、建物がもたなくなったんだ。
0
あなたにおすすめの小説
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる