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第三章 絶体絶命!? ライバルはDLCの三姉妹!

第23話 ゴーマ三姉妹と直接対決

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 マージョリーたんが、メキラの剛剣を受け止める。
 地面がメリッと音を立てて、マージョリーたんの脚が埋もれた。

「なんという重さ!」

『地面がめり込んだよ!』

 レベル上げでどうこうなるコトじゃない。延命できるだけだ。

「ダテさん、マージョリーさん! こいつ!」

 イーデンちゃんの持つゼットさんが、二股に分かれる。
 ゼットさんが、【魔導砲マギ・ランチャー】に変形した。私より、やや細身で小型である。

「くらえ! 【小型魔導砲ショート・マギ・ランチャー】!」

 メキラの背後に照準を合わせて、イーデンちゃんが引き金に手をかけた。
 青い聖属性の魔力が、銃口から放たれる。
 とっさにメキラは気がついて、剣で魔導砲を受け止めようとした。しかし、脇腹をかすめる。

「ぐう!? やるじゃないか。シャクだねえ!」

 メキラの横腹が、青黒く変色した。多少、効いたみたいだ。しかし、致命傷には至らない。
 いくら強くなっても、相手は百戦錬磨のバケモノだ。
 さっきの攻撃だって、剣でわずかに【小型魔導砲】の軌道をわずかにそらしていた。あんな大型の件を扱っているのに、なんて繊細な判断力だろう。
 いざとなったら、レベル差で叩き潰せると思っていたのに。
 これではどれだけ強くなろうとも、強さの開きが縮まらない。

「わたくしとメキラのレベル差は?」

『四くらいだよ。ちなみに、イーデンちゃんとは二〇近く離れてる』

「それで、少々手こずっているのですわね?」

 マージョリーたんは、レベル六〇超えだ。ヴィル王女さえ超えて、ゲームクリア推奨レベルに到達している。もはや、完全勝利と言っていい。

 しかし、ゴーマ三姉妹は、ダウンロードコンテンツ、つまり追加シナリオの敵だ。
 クリアレベルなんて軽く超えている。

 マージョリーたんが、イーデンちゃんの側に。

「イーデンさん、わたくしが深手を負います。そのスキに、わたくしを回復なさい!」

「ゴーマ三姉妹相手に、『回復レベルアップをしろ』と!? 無茶ですマージョリーさん!」

「考えている場合ではないのです! あなたを強くするには、今はこれしかありませんのよ!」

 イーデンちゃんの手を握り、マージョリーたんが覚悟を決める。

「さあ、かかってらして!」

『マージョリーたん、絶対に死なせないから安心して!』

「はい、ダテさん。あなたがいるから無茶な作戦も思いつけるのです! あとは頼みました!」

『まるで死にに行くみたいな言い方、やめて!』

「そうでしたわね。ともに生き残りましょう、ダテさん!」

 マージョリーたんが、私を構える。

「なにをやる気かしらないが、シケた作戦だったら承知しないからね?」

「フフフ……」

 どういうわけか、マージョリーたんがメキラを嘲る。

「魔王の娘ともあろうお方が、ビビってらしてよ?」

「……んだと?」

 大型の剣を担ぎながら、メキラがこめかみに青筋を立てた。

「だって、人間ごときの立てた作戦を、邪魔なさろうとしましたわ。どうあっても、自分の有利は揺るぎないというのに!」

 アハハ! と大声を上げながら、マージョリーたんが高笑いをする。

「大したことございませんのね? 魔族の方って。もっと堂々としていらっしゃるのかと思いましたわ!」

「上等だよ。まずはテメエから殺してやる!」

「やれるものなら、やってごらんなさい!」

「だらああ!」

 メキラが、剣を振るった。

「足元がお留守でしてよ!」

 マージョリーたんは、かわさない。それどころか、盾をサーフボード代わりにして懐に飛び込む。渾身のハルバートによる一撃が、メキラのみぞおちを完全にとらえた。

 だが、メキラの腹筋を貫くに至らない。

「へへへ! 勇気ある行動だけは認めてやろう。だが、さっきの異性に比べたら大した攻撃力じゃねえんだよ!」

 マージョリーたんの腹を、メキラは思い切り蹴り飛ばす。

「ごふう!」

『マージョリーたん!?』

 盾で防御しているのに、マージョリーたんは血を吐いた。このモンスターの攻撃は、魔法防御すら貫通するのだ。

「あたしの攻撃は、低レベルのやつなら軽々と貫けるのさ! つまり、あんたはたいしたことないってことさ。じゃ、くたばりな!」

「今です。イーデンさん!」

 すぐ後ろにいたイーデンちゃんが、マージョリーたんを回復する。

【治癒からの学び】の効果により、イーデンちゃんに大量の経験値が入った。

 どの程度強くなったかというと、マージョリーたんにとどめを刺そうとしていたメキラが飛び退くほど。

「シャクだねえ! けど、嫌いじゃないよこの状況! せいぜい楽しませてくれよ!」

「あなたに勝ち目はありませんわ!」

 マージョリーたんが、私をハルバートと組み合わせた。【魔導砲】へと、変化させていく。

「準備が遅すぎるんだよ!」

 サイドから、メキラが剣を振るってきた。

「それに、攻撃してくるなら後ろで強くなったガキだろうが!」

「彼女がいなくても、わたくしだけで勝てます」

「なあ!? 上等だ! 死ねやてめ――」

 しゃべってくるメキラを、私は横へ薙いだ。

「【魔導剣マギ・ブレード】」

 パワーアップしてるのは、マージョリーたんやイーデンちゃんだけじゃない。

 一番強くなっていたのは、私だ。
 
 今までのやり取りは、私に注意を向けさせないためのブラフだった。
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