新大陸を開拓するため、幼女型モンスターに魂を転送した魔女は、後に邪神と崇められる(自力で幼女になりたかっただけやのに!

椎名 富比路

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第一章 魔女は二度死に、二度転生する。二度目の転生は、魔物幼女(幼女←ここ重要やで!)

第2話 今度こそ、幼女に転生する

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 実はこの場所は、【肉体転送の儀】のために作ったのだ。
 設備も限られていて、一部の装置についてはカニエにすら存在を知らせていない。

 瘴気に当てられ自分の死期が迫ったとき、ウチは自分の選択を後悔した。

 どうして、「幼女にしてくれ」って女神様に言わなかったのかを。

 魔女は死ぬとき、自然界のマナと同化するか、魔物に変貌するかどちらかだという。

 ウチはそれでも、魔女として生きたいと願った。
 幼女のままで生きられるから! かわいい幼女! 幼女かわいい! ここ重要!

 いつまでも若いって、最高っ!
 
 でも女神様には、「幼女としてずっと生きていきたい」って、恥ずかしくて言えなかった。そんな自分を、今は呪っている!

――プライドだけがムダに高いウチのアホ! もっぺん死ね!



 過去を振り返って自宅のベッドで悶絶していたとき、テネブライで手に入れた魔物の欠片が目に飛び込んできた。

――せや。コイツに自分の魂を転送したらええんやん。

 ウチを苦しめた、この魔物に、自分を。
 
 頭の中で、悪魔的な考えがよぎる。

 死期が迫ってから、ウチはそのことばかり考えていた。

 人間は死ぬとき、「もっとこうしておけば」よかったと思うようになるって話を聞いたことがあったが。まさか本当だったとは。

 だから、侯爵を説得して、もう一度テネブライの土地を踏むことにした。
 
 
 さてさて、女神様。あんたの期待に答えられへんかったこと、お許しを。

 せっかく生き返らせてくれたのに、ウチはその生命をムダにした。

 だが、この新大陸を攻略しないことには、生きた心地がしない。
 魔女と生まれたからには、知的欲求を満たす。
 たとえ、再び死んでも。

「ウチはゲームは裏面もやりこむタチなんよ。デバッグ探しが趣味やさかい」

 装置を前に、手をこすり合わせる。

 ウチが作った転送装置は、カプセル型だ。
 スポーツマンが入る、高濃度酸素カプセルのような形をしている。中に入ったら、培養液で満たされる仕組みだ。

 片方にはモンスターの欠片を、試験管ごと設置した。あと、皮膚や肉体組成になりそうな素材、モンスターの死体などを詰め込む。
 で、培養液をドバーッ、と。

「よし、満たされたな」

 もう片方の装置には、ウチが入る。

 幼女の肉体構成年齢は……九歳にしよう。八歳以下だと、幼女というより子どもだからな。性に目覚めるかどうかくらいの年齢が、そそるだろう。

「おっしゃ。スイッチオン」
 
 魔法で、装置を作動させた。

 これで転生装置が動いたら、大成功のはず。


                                      *


 
 ウチの意識が、再び女神の元へ。

「また、死んじゃいましたね。アトキンさん」

「いや。ウチは今度こそ天寿を全うするために生きるんや」

「まあ、そうでしょうね。アトキンさんなら」

 思わせぶりに、女神が告げる。まるで、ウチの本心をわかっているかのように。

「わかっとったんかいな。ウチの気持ちを」

「ええ。女神ですから」

 女神は、微笑む。

「あなたは、人になにかしてもらって喜ぶタイプでは。ありませんでしたよね?」

「せやな」
 

                                      *

 そもそもウチは、「人に言われたことだけやっとったらええ」って生活から、脱却したかった。
 親の言われたとおりにいい成績を取り、先生の言われた通りの会社に入り、上司の言われた仕事をこなす。
 生きていくなら、それでいいだろう。

 だが、それは死んでいるのと同じ生き方だった。

「他人に用意してもらった人生」で満足できるほど、ウチは軽い女ではない。
 どうせ転生するなら、自分の意志で。

 そう思って魔法使いという職を選び、自身を鍛え、自ら転生する方法を編み出した。
 できるだけ、自分のことは自分でやろうと。
 脳筋でバリバリ動くのも興味があったけど、やはり魔法があればなんでもできそうだった。

 どうせなら、自分でなんとかしたい。

 
                                      *

 
「せや。ウチは生まれ変わるねん。自分で動けるように。新大陸は、自分の力で開拓していきたいんや」

「わかりました。ようやく、あなたの本心が聞けてよかった。では、その魔物との融合にご協力しましょう」

「おおきに。ほんでアンタは、ウチにしてもらいたいことは、ないんか?」

「特には」

 ないんかい。

「あなたが第二の……ここでは第三のでしょうか。人生をまっとうしてくださるだけで、私は十分に力を得られますゆえに」

「さよか。このモンスターの魂は、どないなるんや?」

 身体を借りることになるんだ。意志とか、どうなるんだろう?

「お気になさらず。この魔物に意志などはありません。本能のみで動く異形です。好きにお使いなさい」

 なるほど。では、遠慮なく。

「あなたの魂を、魔物に固定しました。まもなく、転送が完了します」

「よっしゃ。ありがとうな」

 
                                      *


 ウチは、カプセルの中で目を覚ます。

 培養液を排出し、カプセルから出る。

 即座に、側においてあった姿見に目を通した。

 おお! ちゃんと幼女になってる。白すぎる肌に、赤い目。アルビノか。しかも……。

「ロリ巨乳! ウチの性癖にマッチしてやがる! 女神様、やるやんけ!」

 豊満になったバストを、ウチは揉みしだく。
 お椀型ロリ巨乳とか、最高かよ。ふくらみかけでもない、かといって奇乳でもない。絶妙な大きさ。人によっては「ただのCカップやんけ」とか言うだろう。だが、ロリ巨乳のサイズなんて、こんなものでいいのだ。
 
 これはいい。幼女だから、適度に硬めなのも最高かよ。

 平べったくてもよかった。世間には「真っ平ら原理主義」ってのがあって、その気持ちもわかる。
 だがウチは、どうせならトランジスタグラマーってやつになりたかった。

 別に、弟子のカニエに対抗心を持っているわけじゃない。
 ウチよりグラマーに育って……。
 いや、過去回想はやめておこう。

「おおお。触手髪やんけ。これは、ヘキ持ちは興奮してまうな」

 髪の毛が、複数の触手になっている。まるでタコだ。とはいえ、吸盤のところは目のような宝玉が埋まっている。自分の意志で全部動く。

 髪をまとめたかったが、先にシャワーを浴びることにした。
 
 シャワーと、入浴を済ませる。

 進歩したなあ。昔は、一週間風呂に入らんでも平気で、弟子のカニエに無理やり入れられてたっけ。

 温風の魔法で、全身を乾かす。うん、魔法もバッチリだ。
 
「ツインテにしたろ」

 ウチは触手髪を、ツインテールにまとめた。金属のアクセがついたシュシュがあるから、それでセットするか。

 勝手に髪がまとまってくれるんやな。これやと、寝癖も安心や。

「あとは、服やな」
 
 誰もいない人類未踏の地といえど、全裸はさすがにアカン。

 相手は人間の意志があるかどうかわからない、本能で動く魔物たちだ。

 そこにこんな、ムチムチプリン・オブ・プリンな幼女が現れてみろ。たちまち凶暴化だ。主に生殖機能が。

 凌辱されるわけには、いかない。ウチは長く生きて、性的なことにまるで興味がないことに気づいた。伴侶もいらぬ。一線を越える行為も、見てるだけでいい。あんなのは、二次元の世界だけでOKだ。

「あらかじめ作っておいた服を」

 ウチが用意したのは、ぴっちり新型スク水!

 ロリといえば、フリフリのドレスだろ! ってガチ勢がいるかもしれない。

 ウチは違う。ウチのヘキはぶっちゃけ、スク水幼女なのだ!

 水棲魔物のウロコを使って、前世の記憶から引っ張ってきたゴム技術に貼り付けて、競泳水着っぽい新型スク水を完成させた。
 
 太ももがわずかに隠れる、最新型スク水……あれはいけない。

 選択の自由があって、キッズたちにはよかろう。保護者も超安心だ。

 しかし、古のオタクであるウチには受け付けない。

 太ももとお尻がバッチリ見えてこそ、水着。いい感じにスリットが入ってこそ、スク水。
 
 わかってくれとはいわん。ウチが現代日本にいたら、抹殺される対象だ。
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