新大陸を開拓するため、幼女型モンスターに魂を転送した魔女は、後に邪神と崇められる(自力で幼女になりたかっただけやのに!

椎名 富比路

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第八章 敵は魔物生態系最強 ドラゴン

第72話 幼女、唐突な近未来設定に困惑

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『我々は環境汚染のせいで、絶滅の危機に瀕していた』

 星を脱出するために、テネブライという船が作られた。
 そこへ、星の住民すべてが乗り込んだという。

 戦艦テネブライは、新天地を求め旅立つ。自分たちの星と環境が近い、この地に降り立った。
 しかし着陸前に船が【魔力】という謎のエネルギーと不自然な干渉をして、不時着してしまったのだ。

『船内クルーの九割が死滅した上に、原住民の攻撃を受けた。特殊なプロテクトを施し、船はかろうじて守れたが、クルーは全滅している』

 原住民っていうたら、イーストエルフとかやろうな。
 
「はえー。なんやねんその近未来設定」
 
 まさかテネブライの正体が、宇宙戦艦だったとは。

「アトキン、コイツはなんと? 言っていることの七割、わからないのですが? 複雑怪奇な用語ばかり、話しますねぇ」

「テネブライは、別の星から来たんやって」

 しかも、ずっと発達した文明を持ってこの地に降りてきた、と、クゥハに説明をする。
 
「それはそれは、摩訶不思議設定ですね。星に人が住んでいるとか、初めて知りました」

「いや、この世界も星やからね!?」

 どうやらこの世界の住人は、「天体」という概念はあっても、自分たちもその理屈の上で生活しているとは考えないらしい。自分たちも宇宙の一部であると、認識できないようである。

「戦う前に、一つ教えてや。あんたんとこの住人は、あんたを倒したらこっちに攻めてきたりはせんのんか?」

『テネブライに乗っていたクルーが、星の住民全てだ』

「生き残りは、一人もいない?」 

『お前が最初に殺した個体が、それの生き残りである』
 
 あちゃー。あのブヨブヨのタコがかいな。

 ウチがそいつの身体を、いただいてしまったと。

『余は戦艦テネブライの、メインコンピュータ。クルーの肉体を分析し、この身体に戦艦すべての質量を閉じ込めた。この地に住む魔物たちも吸収して、【竜】と呼ばれ恐れられている』

「ウチも取り込むつもりなんか?」

 テネブライは、ウチの質問に首を振る。
 
『危険因子を取り込めば、どんな不具合が生じるかわからない。駆除が最適解』

「ですよねー」

 ウチがコイツやったら、同じ判断を下すだろう。もし取り込んだりしたならば、確実におなかピーピーになる。

「アトキン、残念ながら今回はあなたに戦闘の権利を譲ります。ワタシには、不可解すぎますね。コイツはあなたとならば、波長が合いそうです」

「せやな。カニエたちを頼むで」

「心得ました。お気をつけて」

 クゥハが、後ろへとさがっていく。

「よっしゃ。ブチのめしたるわ、テネブライ!」
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