白瀬 雪乃は、こじらせすぎ! ~恋は妄想だけで十分だから!

椎名 富比路

文字の大きさ
5 / 9

第5話 スポーツジムのコーチと幼女

しおりを挟む
 オレは白瀬しらせと、スポーツジムで汗を流す。

「ねえ、小宮山こみやま、くん」

 ランニングマシンで走っている白瀬が、マットでストレッチをしている少女と男性コーチをに視線を向けていた。

 少女は一〇代前半くらいか。細マッチョのコーチに、手取り足取り教わっている。

「あれって、さ、デキ、てんの、かな?」

 あんな小さい子も、性妄想の対象かよ!

「走り、ながら、よく、そんな、妄想、が、できるな」
「妄想でも、しないと、やってられ、ないよ。こんな運動っ」

 話しながらしゃべるのが限界だったのか、白瀬はマシンのモーターを減速させた。ウォーキングに切り替える。ちょっと早足くらいに。

「あの二人さ。トレーニングしている割に、なんかベタベタしてない? 手とか足とか触っててさ」

 見ていると、少女とコーチはかなり親しい関係のようだ。少女は全開脚させられて前から腕を引っ張られても、平然としている。かなりコーチを、信頼しきっているらしい。

 コーチも、曲がっている少女の足を伸ばしたり、手の位置を調節したりしている。

「体操の選手だろ? あるいは整体の先生とか、そんな感じだぞ」

 今は小学生前後でも、ちゃんとしたストレッチやマッサージをしてケガを減らすという活動も活発だ。若いうちにケガをしたら、取り返しがつかない。

「それにしては、スキンシップ激しすぎ。女の子も、気を許し過ぎじゃないかな。あのままだと、誰もいないシャワー室でオトナのマッサージに突入しちゃうよ」
「ないわ! 行き過ぎたポリコレかっ! なんでもかんでも性に結びつけてやるなよ」
「可能性があるって話をしてるのっ」

 足を止めて、オレは白瀬に問いかけた。

「お前、エロマンガ家にでもなったら?」

 ぜえぜえ言いながらも、想像セックスでもち直せるんだから。

「ムリだよ。私の絵のセンス、小宮山くんも知ってるじゃん」

 白瀬もマシンから降りて、スポーツドリンクを飲み干す。

「まあ、そうだな」

 コイツは、マンガも小説も読み専門だった。「消費することが生きがいなので、生産者には回りたくない」というのが、コイツの信条である。

 グルメリポーターとして味わいたいのと、料理人になるのは違う。

「私の妄想は、私だけのものなの。人に消費されたくない」

 なんだよ、そのこだわり?

「うわあ、身体が柔らかいね。I字バランで、すごいプレイとかさせられそう」
「だから、幼女にそういう妄想すなっての」

 こういう頭がオッサンの奴が妄想を外部に発散するから、周りのガードが固くなるんだろうな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

処理中です...