失業暗黒騎士、勇者の姪である姫が作った街の門番に転職するも、姫様のほうが明らかに強い

椎名 富比路

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最終章 暗黒騎士よ、勇者殺害の黒幕を暴け

第57話 四天王、あと二人

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 勇者キサラギ・ケン・エイジアは、魔王ベルゼビュートに殺されていない。
 彼に手をかけたのは、四天王の誰かだろう。

 その憶測は、確信に近かった。

「ガルルデ。四天王の構成は、あれから変わっていないか?」

 豚の角煮を夕飯で食いながら、俺は四天王について思案する。

「モンの字がいなくなってからは、ヨバリクが成り代わったくらいじゃのう」

 俺の空きにヨバリクが居座った以外、特に変化はないという。

「まあ、アイツらが四天王の座から降りるわけないよなあ」

「モン。四天王って、どんなヤツらがいるんだ?」

 角煮をワシワシと食べながら、ピーザンが尋ねてきた。ぶっ刺して角煮を食らっている。箸の使い方がなっていない。

「まず、妖術師イエーグかな」

 醜悪な容姿で、四天王の中でも評判は悪い。食事中には、話題にしたくない相手だ。

「その代わり、実力は折り紙付きだ」

 直接戦闘より、話術や搦め手を得意としている。

「ヨバリクと、似たようなものですね?」

 ある意味、ヨバリクよりヤバいかもなぁ。

「聞けば、ヨバリクの騒動、イエーグの甘言に乗せられて行ったと言われておる」

「だろうな。俺はそう思うぜ」

 いくらヨバリクっつっても、アクータ塔侵攻までの度胸があるとは思えない。
 おそらくイエーグが、斥候として先陣を切らせたのだろう。

 そういうヤツなんだ、イエーグってのは。

「もう一人は、ケレン。魔王ベルゼビュートの、娘だ」

 コイツが一番、厄介な相手なんだよなあ。

「なにが、厄介なの?」

 ぽってのメンバー、「ランちゃん」が、俺に質問してきた。

「勇者に惚れていたんだよ」

 敵対中に、手心を加えられたとかで、意識してしまったという。

「うむ。なにかといえば、勇者の旅に同行したがっておったのう……」

 ガルルデも、首をブンブンと振る。

「どうにか勇者の気を引こうと、勇者を殺しに行った我の配下を、血祭りにあげたぞい」

 部下をやられて以来、ガルルデはケレンの擁護をやめた。
 
「ヤンデレ的な?」

 今度は、「クレちゃん」が聞いてくる。

「そんな感じだ。人間に化けて、一度勇者と接触しようともしたそうだ」

 すぐにバレて、勇者に追っ払われたらしい。

 勇者が死んで、虚無の彼方に意識を置いたみたいになっているようだが。

「ヤツが勇者に手をかけたとしても、おかしくはない」

「ただ、アイツはヤンデレだ。勇者が死んだら、『自分も死ぬ!』っていいかねないんだが」

「そうはならなんだ」

 放心はしているが、死んでない。

「つまり、どちらも怪しいというわけですね?」

「どっちも、勇者を謀殺しかねんヤツらだ」

 なので、俺は一つ提案をした。

「ヒナ王女、ちょっくらヒマをくれ」
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