失業暗黒騎士、勇者の姪である姫が作った街の門番に転職するも、姫様のほうが明らかに強い

椎名 富比路

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最終章 暗黒騎士よ、勇者殺害の黒幕を暴け

第68話 勇者、襲来

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「ブレンダ! ピーザン!」

「おお、モン。あのヤロウ強すぎるぞ」
 
 俺は、裂け目の前にいるブレンダとピーザンに駆け寄った。
 裂け目から吹っ飛ばされたのだろう。

 ピーザンは、目を回していた。

「ジリーク姫を頼む。まだ戦っている。ガルルデもだ」

「わかった!」

 ブレンダに請われて、俺は裂け目の中へ。

「ジル! ガルルデ!」

 ガルルデは、裂け目の地面に埋まっていた。

 ジルは、まだ戦っている。

 だが、時間の問題だった。

「くっ!?」

 戦士の剣が、一瞬でジルの【撃鱗装げきりんしょう】を両断した。

 身体に当たっていたら、ジルなど真っ二つになっていただろう。

「えらいこってすわー」

 ウィローのリアカーまで、破壊されているではないか。

「なにがあった、ウィロー!」

「どないもこないも、ありまへん! 商売しとったら、急にこのお兄さんが襲ってきたんですわ!」

 ウィローが、ロン毛の男性を指差す。

 金髪長髪の男性は、ジルを昏倒させる。ジルをみもせず、腹に一撃を与えたのだ。

「勇者キサラギ・エイジア。どうしてここへ?」

「お前は、ヒナか? でかくなったな」

 勇者はヒナにひと声かけただけで、すぐに戦闘モードへ。

 懐かしさの声すら、かけないのかよ。どこまで使命に忠実なんだ?
 
「おやめください。キサラギ。彼らは敵ではありません」

「コイツラは、魔王の四天王だ。冥界の竜に、ドラゴン族の姫まで。しかも、全員が恐ろしいまでに強くなっている。ボクでも、手を焼いたぞ」

「アクータ塔の、保護のためです。彼らは決して、世界に仇をなそうとは考えていません」

「保護? この砦は、もはや世界の脅威レベルだ。見逃すことはできぬ。今のうちに、無力化せねば」

 俺は、二人の間に割って入る。

「それは、この塔を破壊すると考えていいか?」

「場合によっては。ヒナの発言も、信用ならん。彼女は、世界の脅威から生まれた。さらに、ボクが取り逃がしたアスタロトまで、仲間になっている。しかも、世界の一部を手にしているじゃないか」

 あのアスタロトっていう魔王、手負いだったのか。あの強さで。

 ようやく、謎が解けた。勇者はアスタロトを追いかけて、アクータ塔のあるこの世界に帰ってきたわけだ。

「悪いが、キサラギさんよ。塔をぶっ壊すつもりなら、俺はあんたと戦わなければならない」

「邪魔をするなら、貴様から片付ける」

 勇者は、俺と位置を変えた。ヒナ王女と俺に、挟まれる形で。

 二体一で戦え、って意味かよ?

 ああ、わかったぜ。


 これは、侮辱だ!

「二対一でないと、倒せませんよね」、っていうな!

「てめえはぶっ飛ばす!」
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